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愛に飢えた俺と愛を振りまくメイド  作者: 読書家
コロンとの出会い~契約まで
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序章 コロンとの出会い

初投稿になります。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 「もう別れよ?」


それが俺の最初の失恋だった。当時付き合っていた幼馴染みに突然別れを告げられてしまった。彼女の名前は木口来実きぐちくるみ。小6から高1までの付き合いだった。彼女とは小中高と同じ学校で今も同じクラスだ。そんな状況で振られてしまって気まずくなるのではないかと思ったが、そんなことはなかった。クラスの中ではいつも通りに話したりもしたし、いつものように一緒に帰ったりしていた。だが時間がたつにつれて俺の方が辛くなっていき、最近は俺の方から彼女を避けてしまっている。俺はそんな自分が嫌いだった。


そしてついに俺は学校を休んでしまった。彼女と自分との愛に自分がどれだけ支えられていたのかということを痛いほど自覚した。そう、俺は愛に飢えてしまったのだ。


さて、自分語りもいいところだし、そろそろ自己紹介をしようか。俺の名前は浜崎雄我はまざきゆうが私立光影高校しりつこうえいこうこうに通う高校1年生だ。特に何の変哲もない、可愛い幼馴染みがいたというだけの平凡な男子高校生である。

 

家に引きこもって一週間くらいたっただろうか。本当にくだらない理由で学校を休んでいるなあと自分でも思う。愛に飢えているという理由で高校を休む男子高校生がどこにいるというのだろうか。何も変わらない日々。毎日ベッドにもぐりこみ、時には涙を流し、時には考え込み、ひどいときは手首を切ろうとした。当然そんな度胸があるわけもなく、未遂に終わったが。


そう、いつだって俺は中途半端だった。彼女と付き合っていた時もものすごくイチャつくときもあれば、メールさえやり取りしない期間があったり、彼女よりも友達を優先していたこともあった。


 もしかしたらそれが普通なのかもしれない。けれど俺はそういう自分を中途半端だと思ってしまう。恋だけに限らず、本を途中まで読んでそのあと全く読まなかったり、途中まで見ていたシリーズもののドラマを見なくなっていたりと色々なことに関して中途半端だった。

 

ふと、布団の外に強い光を感じた。興味はない。別に日光がたまたま差し込んでいるとか、疲れているだけで幻覚みたいな感じだとか、そんな理由だろう。だから俺は目を閉じた。さっさと寝よう、もう誰にも会いたくはない。何故自分がここまで病んでいるのかわからないけれど、そのうち回復するだろうと楽観的に見て思考を閉じる…。

 

 何故か寝つけない。何故だろうか、そんなに自分にとってさっき見た光が引っかかっているのだろうか?そんな筈はない。自分は今もこんなに無気力だ。布団から起きようとも思わない。

 

 考えるのはやめよう、そう念じてもう一度目を閉じる。


 「ご…主…ん…さま。」

 

 声が聞こえた。なんだというのだろう。

 

 「ご主…ん様。起きて…。」

 

 何故だかそれは妙に耳になじむ声だった。そんなことあるはずがないのに。


 「ご主人様起きてください!これで三度目ですよ!」


 いきなり怒鳴られた。布団がはがされる。強い光が目に入り、思わず手で目を覆う。少し経つと目が慣れてくる。そして目を開けると、目の前にはなぜかメイド服を着た少女が立っていた。年は自分と同じ…少し下くらいだろうか。14歳から16歳といったところだろう。髪は黒く、長く、ツインテールになっている。


 俺は自分の目をこすった。こんな非現実的なことがあるわけがない。なんだろう、夢だろうか?自分の頬をつねってみる。痛い。これは現実のようだ。仕方ない。認めたくはないが存在している以上、このメイドに話しかけてみよう。


 「君は誰だ?どうして俺の事をご主人様と呼ぶ?」


 質問は二つ。これが自分にとっては重要に思えた。


 「私の名前はコロン、コロン=アズケイトですっ!えっと、ご主人様が愛に飢えてるようだったので、異世界シュダイ・アコメントから来ました。愛して、欲しいんですよね?」


 思考が止まる。意味が分からない。コロン?異世界?愛して欲しい?いきなりあらわれて何を言っているんだろうか?

 

 これが俺とコロンとの生活の始まりだった。今思えば、この時にコロンの主人ではないことを主張しておくべきだったと、今の俺は後悔するが、それはまたあとで話そう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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