第十四話 第一部完! さらば蜘蛛怪人!
短い間でしたがお付き合いありがとうございました
「本当に行くのですか?」
深夜0時だと言うのに真の目には眠気も疲労も一切無かった。あれだけ熱烈に愛し合ったのに、タフな女だ。
「起きてたのか」
「明日の…いえ今日の戦いですか、戦いになると思いますか?」
当然の疑問だろうが、俺は戦うしかないのだから頷くしかない。
「…そうですか。貴方と1週間同居して分かりましたが…」
眉を顰めている。俺はあまり良い同居人ではなかったらしい。
「廻、私を楽しませようと将棋に組み手、楽しかったですよ。例え上手く勝ち負けを操作していると分かっても」
まぁバレない筈が無いか、真は困った笑顔で続ける。
「貴方は魅力的な人間です。私のようなオバさんに付き合ってくれて感謝します。明日世界は変わるかもしれませんが。それは伝えておきます」
真を抱きしめる。何度も抱きしめたがいつも違った感触でとても心地よい。
「あんたをオバさんなんて言ったら世の中の女の半数以上に恨まれるな」
腕の中の真は少し震えている。
「あんたに会えて本当によかった。撫でられたのは初めてだった」
そう言って彼女から離れて玄関に向かう。
「0級によって世界がある日突然滅ぼされる可能性が在るというのは世界中の人間が知っています。覚悟することが力無い者に出来る唯一の抵抗です」
「俺には力がある。それに俺は世界を守りたいわけじゃない」
そう、ただの自己満足の復讐だ。
「何時でも帰ってきなさい。どんな結果になるにせよ、帰るのが何年後になったとしても此処が貴方の家です」
嬉しい事を言われた。そうか、初めて出迎えてくれる家が出来たのかもしれない。必ず帰ってくることにしよう。
玄関を出て刑務所の出現するポイントに向かう。
「おぉアルカンシェル!教団の長!」
「世界にイデアの光を齎すもの!」
「我等の希望!新世界を創るもの」
「新興神よ!」
雁首揃えているな。何の変哲も無い海辺にある早朝の住宅街には白いローブを着た人間が大量発生したイナゴの様に集まっている。だが、この周辺には刑務所など何処にも無い。
「ふふふ、君も来たのだね。当然か、精々頭を垂れて命乞いをすることだ」
この一週間ほど俺達チームにちょっかいを出してきた白の皇子だ。どうも事態を把握していないらしい。
「俺は奴に復讐に来ただけだ。お前にも手を出す気は無い」
「ふふふ、負け惜しみが何時まで続くかな?」
その後も白いのは色々と語るが、特に興味も無いので聞き流す。
突如、潮の香りのする住宅街の上空に不似合いな、あまりにも大きな円盤が出現した。UFOではないが同じくらい訳の分からないものだ。
「おぉ…ついにお帰りに…」
あれはアルカンシェルではなく奴の入っている刑務所だ。普段は一定の空間に留まる事が無いため絶対に脱出できない迷宮監獄だ。今日は出所者の希望で此処にほんの一瞬留まって出所を見守るがすぐに消えてしまうはずだ。
白に属する2人の0級が編み上げた難攻不落の絶対刑務所『エン』である。その円盤の中心に穴が開き、一人の男が落ちてきた。
「久しぶりだね皆」
周りの信者達は一様に静かだ。先程まであれほどうるさかった皇子も息さえ発さない。アルカンシェルの言葉を妨げてはならないという思考だろう。
「そして…10年ぶりか、廻」
尤もテレパシーなのだから声を出そうと出すまいと奴の声は聞こえるのだが。
「そんな所だな、正直言ってお前のような極悪人が終身刑じゃないのは不思議だよ」
周りにいる信者達は口を両手でふさいだまま俺を睨む。視線だけで人が殺せるなら俺は1000回くらい死んでいる事だろう。
前触れも無く目の前にアルカンシェルが出現した。別に驚く事でもない、ただのテレポートだ。
「そうだね、だが私を出したのは君の功績でもある」
金を受け取ったことか、どっち道出てくるのなら貰える物は貰うのだ。
「やれやれ、力を取り戻してしまったか…」
虹色の髪を持つ男はそうあきれた顔で言った。美しい男だ。全身が美しい、髪も顔も体躯も全てが美しい。俺もこんな姿に生まれたのなら世界を手中に治めようという気にもなるのかな。
「俺の力を知っていたのか?」
「君を腹から取り出したのは私だ。当然知っている」
「俺の母親とどういう関係なんだ?」
まさかこいつが父親なんだろうか?
「君の本当の母親…つまり有馬田谷 楓ではない方だね」
「ちょっと待て、どういう意味だ?」
周りの信者どもは新興神の出現で全員失神している。お陰で静かに会話できるのでありがたい。
「ふふふっ、虹の御子よ。それこそが真実です」
サシュガが答えた。周りには幹部達は既に全員集まってきた。どうせアルカンシェルには束になっても敵わない連中だから無視しよう。今は聞くのを優先だ。
「サシュガ、君は事実を幾つか誤認している。廻が混乱するから黙っていたまえ」
そういって催眠術師を黙らせる。静かな念話だが、強い意思を直接脳で感じる。
「違うな、君には念話が届かないから空気操作で直接言葉を届けているんだよ」
そうだったのか、しかし俺の思考は盗聴できるらしい。
「それも違う。単に推測しているだけだ。増幅の応用だね」
「御親切にどうも、で?真実って何だ?」
「両親の復讐の無意味さだ。君の父親は君が母親の胎内いる時に死んだ。母親は君が生まれる直前に死んだ」
「直前ってことは、お前もその場に居たのか?」
俺がお前と口に出した瞬間幹部達が強張ったが、どうでもいい。
「俺を取り上げたのがお前ってことは俺の実の母親も殺したのか?」
「違うな、君の母親はあの頃既に珍しくなっていた交通事故で死んだ」
「お前の力なら助けられたんじゃないんか?」
「残念ながら、私の戦闘の余波で事故が起こったのでね」
こいつは俺の生まれた頃はヒーローだったはずだから、正当な戦闘なら罪には問われないはずだ。まして余波による交通事故なら責任は一切無い。
「だが、腹の子だけは助けようと思った。そして君を取り出した…」
「産婆さんだったのか、そいつはどうもありがとうさん。親の話は分かった、で?なんで俺を虐待したんだ?」
「私は君を取り出した時に重傷を負った。0級の私がね」
そんな事があったからって虐待していい事にはならないだろうに。
「赤ん坊に負けたから悔しくて俺を虐待したのか?」
稀に生まれた時から能力に覚醒している者もいるそうだが、俺もそうだったのか?力を取り戻したと言っていたという事は封印されていたのか?
「違うな、君の力が異質だったからだ。才能値は低い、だが常にイデアが見える。私にさえあの朝のイデアがぼんやりとしか見えないのに」
青いイデアを指で示す。それだけ見えれば立派なもんだ。ペリー達は夕方にはもう見えなくなるんだから。
「嫉妬が原因で虐待したのか?いや、お前は力の源を研究していたんだったな。その為か?俺を実験材料に?」
「それも違う。私の理論が崩れたのは確かだが、君の力が何なのかを知りたいとは思わなかった」
虹色の髪を持つ美しい男は震えている。
「君を虐待し…私が『エン』に入った後も不幸になる様に道を整えたのは…君の憎悪を限定するためだ」
「限定ねぇ…俺が際限なく復讐するのを防ぐためか?」
別に復讐する人間を殺し終わったって、その後も無軌道に暴れないとは限らないと思うが。
「そうだ、憎しみを持つのは良い。だが対象無き憎しみは世界を壊す。ゼロの様に」
俺を助けてくれた人を馬鹿にするなよとは思ったが、こいつの方が長い付き合いだったのだから言いたい事も有るのだろう。
「ゼロは世界を壊した。理由なんて無い、ただイラついたという理由で壊した。理想郷になるはずだった世界を、大統領の世界統一は完成したのに…一人の身勝手が…」
「最終大統領は悪人だと教わったがな」
「敗者の事が悪く言われるのは世の常だ。私も悪人扱いされたようだしね」
幹部達が苦渋の顔をしている。
「俺にとってはお前は悪人だ。それに俺をゼロにならせたくなかったのなら普通に良い教育を受けさせれば良かったんじゃないか?」
実際良い人間を育てたかったのならそうした方がいいだろうに。俺の戸籍上の両親─今となっては本当にいたのかは分からないが─を用意するくらい金が有るんだから教育環境を整えるなんて楽だろうに。
「それでは駄目だ。ゼロは何不自由ない環境であぁ成ったんだからな」
「そうかい、あの日俺に言葉をくれた人をそんな風に言う奴とは言葉を交わす意味はないな」
そう、あの日ゼロはテレパシーで空っぽの俺に人格をくれた。窮地に陥った自分をどうにかするための身勝手な行為だったのかもしれないが、俺に取って彼は救いの神だ。
自らの体を二足歩行の蜘蛛へと変貌させる。
「さぁ行くぜ。俺の最も憎い相手…アルカンシェル!俺の納得のために死ね!」
「「アルカンシェルさまの手を煩わせるほどの事は有りません」」
並み居る幹部達が身構える。さて、間違い無く死ぬが…やるだけやるさ。
「不要だ。皆先に私の理想になりなさい」
周囲の光景が一瞬にして変貌する。俺は一瞬宙に投げ出されたが、すぐに露出した地面に糸を発射して着地した。周りの住宅街は一瞬にして何も無い荒野になってしまった。
「さて、戦おうか。この光景を見ているという事は君も0だ。存分に戦おう」
空間転移ではない。俺の発達した感覚は今の一瞬の光景をわずかながら捉えていた。今の一瞬に起こったのは…
「反物質をPSYで創っただと…!?」
反物質…宇宙には物質と反物質があり、一説には宇宙の誕生の時に物質の方が優勢だったためこの宇宙は物質が支配しているそうだ。それを憎く思うのか、反物質は物質と交わった時に恐るべき力を発揮する。奴は架空の力場で反物質を創りだしたのだ。神の力というしかない。
「安心したまえ。周囲を電磁的に囲ったので、田舎町が消滅しただけだ。地球は今日も無事青い」
「仲間まで…ふん、お前には意味がないんだったな。世界統一ってのはそんなに大事なのか?」
こいつは仲間を消滅させたのに一切悪びれていない。
「私達の望みは世界人類全てにイデア能力を習得させて、世界人類をテレパスによって事実上融合させること…」
「分からんな、俺と戦うだけなら幹部達も一緒の方が良いだろ?」
「私達は常に一緒だ。肉体など関係ない」
アルカンシェルはイデアに向かって手を伸ばしている。
「『回路』他人のイデアを再現する力…幹部達は能力を覚えたから必要無いってか?」
回路とはアルカンシェルの持つイデア能力である。PSYベクトルによって力の流れを再現する事で50年前から確認されたイデア能力の全てを色問わず使いこなせる。
アルカンシェルを0級ヒーローとして君臨させた力であり、『カラーサークル理論』と『PSYベクトル根元論』の二つを提唱する根拠となった力でもある。
こいつこそがイデアに到る力を万民に習得させようとした唯一の男なのだ。大抵の能力者は私利私欲にしか使わないが、こいつはあろう事か0級以外は人類で充分対応可能という基準を作った男だ。理由は知らないが全生命体をイデアに覚醒させようとしている変人だ。
「今日君を倒せば障害は無くなる。君を倒せば彼等も本望だ」
まともじゃないな、理想に狂った男だ。しかし俺だけが敵なのか?他にも0級は居るだろうに。
「もう、会話もいらないな」
そういって蜘蛛の右手で殴りかかる。アルカンシェルは貧弱な人間の姿だ、哀れな死体になるはず…
「なかなかのパンチだ。要塞でも一撃で藁の家だろうね」
微動だにしない。当然か、その後も道場で覚えたコンビネーションを繰り返すが効果は無い。
「中々痛いな。では今度はこちらから…」
全く利いた素振りは無いが、虹の男は飛び上がって俺に殴られない位置に浮く。探査糸は付けているから見失うことは無いが…
「これは邪魔だな」
切りやがった…しかも実体のある先端ではなく物質を透過する中間の糸を。
「波によって出来た糸なら波で消せる」
「信じられん奴だな、『糸鋸』!」
そう言って硬質の糸で作った円形の刃を作り、バイク修業の経験を応用し、高速で回転させ、空中の男に放つ。
『溶岩津波』
突如大地が真っ赤になり、大蛇のような流体となって俺に襲い掛かってきた。当然のように円形の刃は隆起した赤い大地によって消滅させられた。
「くっ!」
必死に避けるが、何せ地面全てが敵なのだから避けられないので、空中に跳ぶ。
『雷鳴暴風』
急に天候が悪化して、暴風と雷が轟く。糸を地面に張り巡らせて抵抗しようにも付けた端から溶けていくので意味が無い。
「グアッ!」
雷に撃ち落とされ、溶岩の大地に落ちる。頑丈な体だが、ダメージは蓄積してしまう。糸鋸を何発も放つが全て届く前に撃墜された。
「発火能力、発電能力、流体操作、くくっ!分かっちゃいたがばかばかしいほどの力だ」
「分からないのかい?君はそんな私を倒したのだよ?」
「あれはゼロにあんたの弱点を教えてだけだろ…単にイデアの色の変化を教えただけだ」
そう、イデアが赤くなったのを教えただけ。それが俺がゼロにした手助けの全てだ。自慢するほどの事は無い。赤…フレアコンドルの炎をアルカンシェルに放つ
「分からないか?そんな事が無ければ10年前に世界は理想郷になっていたのだ」
全く意に介さない。彼の体を覆った炎は一種にして消えうせた。
「そうだねあんたは正しいよ。多分俺が死んだほうが世界にとってはいいんだろうな」
俺には理想郷など創れない。身勝手な復讐が達成されるよりもアルカンシェルが生き残った方が地球にとってもいい事なんだろうな。
「だけどな、あんたの理想郷には俺は住めないんだろ?」
「だが君の大切な人は住める。テレパシーで知ったが真さんというのか?それに学友達も住めるぞ」
「悪趣味だな、覗きか」
溶岩と稲妻で焼かれた体は口は利けるが動けない。昔のように嫌味を言うことしか出来ない。
「私の理想郷では皆がイデアの力を使える。皆が私と同等以上の力を使い。やがて星の世界に旅立ち、それぞれの星で創造主と成るだろう」
いいな、真達と星を開拓するのは楽しそうだ。
「何で俺は無理なんだ?それに教団が崩壊した後も何故虐めたんだ?此処であんたに殺されるんだから意味の無い虐待じゃないか?」
長年の疑問だった。俺の入った養護施設は酷いものだったが、こいつの手の者が俺を虐めるように指示を受けていたらしい。何の意味があったんだ?恨んでいたなら、幸福にしてから突き落としたほうがよさそうなもんだが。
「君の力に気付かせないためだ。君自身に自分を無力な人間だと思わせるために」
「才能値に…貧弱な体…あとは年齢…目覚めるために色々やったが…」
「君の力は通常のイデアではないから通常の覚醒では目覚めない」
そんなもんか、なら無駄だったのかな。まぁ俺に出来た事と言えば女の子を一人地獄の養護施設から逃がしたくらいだ。その彼女も消息は知らないので、役に立ったのかは分からない。
「何で俺はイデアに目覚めたんだ?0級の炎が引き金か?」
「さてな、言ったろう?君の力を調べる気はないと」
そう言ってとどめとばかりに溶岩を俺の体に結集させる。用意周到なことだ、もう全身千切れているというのに、無事なのは頭くらいだ。
「イデアは青いな…」
「そうだ。私の力が最も強くなる日だ。事前に青が多い傾向にある日を出所の日に選んだのは正解だった」
本当に用意周到だ。恐らく俺の教団でのデータとかから推測したんだろう。
「さらばだ。最も私の役に立った男…君の死によって理想世界が来る」
勝手な言い分だな。あぁ…俺の上に溶岩が覆いかぶさっているのに、イデアはまだ見え…赤くなったな。せめてもの抵抗だ、最期の力を振り絞った炎を出現させる。少しは威力も上がっただろう。
「ほう…溶岩を消し去ったか、だが意味が無い」
そういって大量の雷を俺に浴びせるがもう意味は無い。
「その姿…」
アルカンシェルは息を呑んでいる。予想外だったのだろうか
「二回目の変身をしたってことかな」
俺の姿は色の蠢く蜘蛛の姿から真っ赤な炎に包まれた人型の蠍へと変貌していた。千切れた腕も足も再生している。格上と初めて戦った事で覚醒したようだ。我ながら都合のいい事だと苦笑する。
「不思議だ…あれほど熱かった溶岩もあれほど痺れた雷も…もう利かない」
「やはり力を隠していたか!」
そういって俺に先ほど以上の災害が襲ってくるが、俺の体は真っ赤な炎に包まれている所為か効果は無い。
「行くぞ」
そう言って上空に浮かぶアルカンシェルに向かって一直線に跳んだ。
「グフッ!」
「この日を夢見てきた。あんたに復讐できる日を…」
虹色の男の胸からは真っ赤な血が流れ落ちている。一撃か、恐ろしく強くなったようだ。
「廻…この力を何に使う?」
「自分の幸福のために。あんたに比べりゃ下らないが、それが俺の生き方だ」
「成長したね…名付け親として嬉しいよ、廻。君が世界を滅ぼす事は無いだろう。例え私利私欲だけで行動したとしてもね」
名付け親の顔は真と同じ慈愛に満ちていた。痛くないのだろうか?
「公のために生きないと言っているのに良いのか?力はそう云う事のために使うんじゃないのか?あんたの著書にもそうかいてあったぜ?」
「いや…君は自分の意思で動けば良い…数多の力…金に無辜の民衆にイデア…様々な力によって動くのが世界だ」
「分からないな、あんた何のために俺と戦ったんだ?まぁ仕掛けに来たのは俺なんだが、まさか俺に殺されるために戦ったのか?」
「君に勝てれば世界は平和にすることができた。負けたから勝者を讃えているだけさ」
それが最期の言葉だったようで、浮力を失って一緒に溶岩の大地に落ちていく。
「世界を平和にしようという願いは本当だったと知っている」
落ちながら死体に向かって問いかける。
「だが、あんたは何故か俺を苦難の道に送り込んだ。俺はそれだけが許せなかった」
地面に激突し、新興神だった男の体は砕け散った。
「許せなかったから俺はあんたに復讐した。ただそれだけの事だ」
俺の力を世界を滅ぼさない方向に導くための教育だったとしても、やはり許せないことであった。
「今の力なら…全ての復讐を成す事が出来るが…」
体を変身させ、真っ黒な人形の蜘蛛になる。恐ろしいほどの力を感じる…世界を崩壊?できるのだろうか?
「とりあえず…帰るかな、折角家があるんだから」
そう、それから考えよう。復讐なんて何時でもできるんだ。焦る事なんて無い、俺はどんな支配からも自由になれるだけの力を得たんだ。地上のどんな生き物よりも強い魔人に成れたんだから…そんなのが望みだったんだろうか?
「幸福か…どうすれば幸せになれるのかな?」
真と一緒にいると幸せだと感じるから、その時が続けば良いのだろうか?だが俺の力は世界を滅ぼせる程なのに何時まで一緒にいれるのだろうか?
「寂しいな…なんだかどうしようもなく寂しい…俺は…何をしたかったんだ?」
魔人図鑑No.0
名前─マダラオニクモ魔人
本名─アリマタヤ・カイ
破壊規模─反物質爆弾並だが、これ以上は計測不可能
最大破壊力─惑星を破壊出来ると思われるが、これ以上は計測不可能
特殊能力─多段変身による複数の能力行使
成長性─不明
カラー分類─不明
総合評価─0級である。人類文明では対処不能




