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第十話 最強チーム結成!!(前編)

「なんでなの…なんで、私達友達じゃなかったの?」

「友達…?くくくっ、友達1人も居ない女が何言ってんだか」

「ペリーナ君、あいつはもう…ハザードだ。僕等が止めなくてはならない」

「そうね…サイ・ハンマー!」

「そんなお遊び利く訳ねぇだろ?くくっ」

「ペリーナ、特訓を思い出しなさい。右腕7で左足3です」

「分かりました真先生っ!サイ・ヤマアラシ!」

そう言うと不可視の回転する力の流れで全身鎧姿の人間が回転して地面に叩き付けられた。道場の帰りにこんな場面を見るとは、我ながら良く分からん運命だ。尤も5kmほど遠くの路地裏のことだが。

「さて…準備するか。公園で服を脱いでから変身して…荷物をロッカーに預けて、と…新開発した技で…よしっ!」

それにしても花金の夜にこんなことしてるとは暇な連中だ。まぁ俺も似たようなものか。何か騒動はない物かと簡易探査糸を張り巡らせていたら、いつもの4人組がまた戦っていた。しかし担当区域が分からんな、ゲヘナからは10Km位ある。緑の男の所業でゲヘナの周辺に警察の類が入ったからだろうか?

「ギター準備よし、周囲の色と合わせるフォトクロミズム現象を利用した新しい正体隠蔽糸よし」

さて行くか、丁度良いタイミングで入るとしよう。


「なんでなの張須君?10上でも真面目な生徒だった貴方がこんな…」

ペリーは驚き顔だ、知り合いなのか?

「こんな?こんなってのは…能力者狩りのことかな?」

路地裏の行き止まり前に居る張須は足元の死体を蹴る。足元のは変身型だな、毛むくじゃらでパッと見冬山とかにいそうだ。俺は蜘蛛っぽいが毛が体表にあまり生えていないので暑く無いが、あれは暑そうだな。もう死んでるから関係無いか。

「張須っ!貴様!その人はもう動けないんだぞ!?」

「蹴り応えからいって死んでるよ、この化け物はさっ!」

張須は全身に光沢の無いスーツを着ている。全く露出が無いな、さて能力はどんなものだろうか?

「だいたいよぉ…お前等イデア能力者なんてさぁ?生きてるって言えるのか?人間じゃないのによ?不気味な力使うくせによぉ、臭いんだよお前等は…ぺの字に黒船ぇ」

能力者じゃなかったか、そうするとあのスーツは…戦闘用の何かか?

「くくっでもまぁこのスーツには負けるんだよなぁ…これはな、瞬間的にA級に匹敵する攻撃力を発揮できるんだよ」

「そんな物を一体何処で買ったのですか?張須医師にそんな財力が在るとは失礼ながら思えません」

真の言葉は尤もだ、幾らするのか知らないが、あれは軍事用のスーツに見える。グルオンで検索したが、張須医師というのは小さな病院の経営者…だと思う。ほかに子供が10上に通っている張須医師は見つからなかった。まぁニューロ上の情報が全てではないのだが、ざっと見た感じでは居なかった。もしかしたら字が違うのかもしれないな、針巣とか梁須なのかもしれない。

「うるさいわね…あんたも能力者?そっちの学ランも…学ランなんて今時有るのね…あぁ」

張須が右腕をヘルメットの口に相当する部分に持っていく。笑ってる雰囲気だ。

「くくっそういやあんた等2人は今週居なかった日が…ふぅ~んそうか、今検索したんだけどぺの字、あんた人気者みたいよ」

どういう意味だろうかと検索すると…うっわエグイな。

「男子校に女1人で行けばそうなるわな、くくくっ!化け物は化け物らしく底辺高校で彼氏でも作ったら?猿以下の男しか居ないだろうけどね~こんなバカ学校に行くなんてねぇ、天上という最高の環境が在るのにねぇ」

「どういう意味なの?検索?」

何を言ってるのか分からない顔だ。まぁ俺も自分の名前で検索してこんなの見た日にはちょっと落ち込むし、想像もしない事だろう。

「はぁ~あ、てかお前等さ~正義の味方ゴッコ?そんなのさっさと卒業したら?今の科学力ならさ、こんなスーツだって作れるんだよ?お前等半端な化け物なんて簡単に殺せるんだよ…こうやってさぁ!!」

スーツが光り輝く、格好いいな俺も一着欲しい。

「大体お前等さぁ気に入らなかったんだよね、半端な能力の癖に…学力だってさぁ…私の方がお前等化け物よりずっと上…なのに…」

さてそろそろ止めに入るか、どうもペリーと黒船の攻撃はいつもよりは利いているようだが、倒すには至らない。藤田も役立たずだ。真が色々指示しているお陰でまだ死人が出ていないが、あのスーツが本当にA級相当なら止めないと拙い。

『ギャーーーッ!ジャジャジャヤジャヤツッ!』

夜の路地裏に57万円のギターの音色が響き渡る。

「何、何なの!?」

「…まさか」

真は気付いた様子だ。張須は何が起こったのか分からない様子だから、背後から振りかぶったギターで後頭部を殴る。

「ぎゃっ!??」

前のめりに倒れこんだな、ギターは跡形も無く砕けたが別に構わない。俺はミュージシャンじゃないから必要ない。

「法が裁かぬ悪がある…ならば私が裁くとしよう。怪人マダラオニクモ地獄の底から参上!」

右腕を天に伸ばし左腕を地を指した決めのポーズを取る。一度やってみたかったが、これは結構恥ずかしいな。だがちょっと興奮する。もっとポーズを研究しよう、歌舞伎のポーズとか取り入れよう。

「何か居るの…?」

「姿を表せっ!卑怯だぞっ」

そういえば今の俺は完全に周囲に溶け込んでいるから見えないんだった。

「また会えましたね皆さん」

冷静な調子で糸を解いて姿を表す。まぁポーズ未完成だから…むしろ見られなくてよかったし…

「…また貴方ですか…言っておきますがコンサルタントとして雇いませんよ」

「冷たいな、二度も三度も命を救ったのに」

「蜘蛛…?いえ触角が…」

「一撃であのスーツを…強い…一体何者なんだ?」

俺の事を教えていなかったのか、まぁ別に構わない。藤田は喋らないが気を失っているみたいだ。

「緑の男こと柳沢…そして燕尾服の男…さらに今日のこの男…」

「張須さんは女性です、間違えるなんて失礼ですよ」

真に真面目に突っ込まれた。やべっ、間違えた。まぁ彼女には気絶していて聞かれて無いから良いか。

「まぁとにかく貴方達の敵を代わりに倒させてもらいまし…」

「皆さん撤退します」

真がそう言うと同時に路地裏に例の車が入ってきた…車はジャンプして彼女達を跳び越え…あら、衝突しちゃった。ダメージなんて無いが、我ながら不注意だ。

『バンッ!』

車に撥ねられて路地裏の行き止まりの壁に衝突してしまった。驚いたな、まさか車が跳ぶとは、四人組はちゃっかり張須を回収して車に乗って去っていく。

「行動が早いなーというかあまり好かれていないのかな?何度も助け…緑は違ったか、あれは多分俺だと気付かれなかった。ん?」

何か居るな、上を仰ぎ見るとそこには宙に浮く上半身裸の少年が居た。

「真面目っ子張須はやられちゃったか、君が来なければ勝てたのにね」

「誰だお前?」

「僕かい?僕は教団の新幹部…『星の子供達』の1人…紫の神子…君達を導く存在さ」

「紫ねぇ、論理支配か?」

「その通り。君が何者なのかは知らないが、死んでもらうとしよう。紫の力の理不尽さは知っているだろう?見せてあげよう…イデアの中でも異質なる力…紫の神子として選ばれた僕の力、原始復讐法(ハムラビ)の力を…」

自分の能力のカテゴリを話すか、さぞ強力なのだろう。とりあえず掌に硬質の糸を作り少年めがけて放つ。

放弾糸(ボゥラ)

直撃して落ちてくる。声も上げないか、戦闘能力が低いな。奴等との前哨戦にもならん。落ちてくる途中にカンダタネットで包む。心音もあるし死んではいない。糸を付け続けて情報を貰うかな。

「さて…星の子供ねぇ…それに張須に与えた武器…なんで職業テロリストでも無い学生の非能力者に?情報が少なすぎるな」

しかし伝手なんて無いから情報収集しようが無い。俺はただの高校生なのだから仕方ない。変身できるようにはなったが、だからって交友関係が広がったりはしない。

「それに今日は結構粘って探したのにはぐれハザードは居なかったな」

いてもすぐに職業ヒーローに倒されてしまった。ハザードは彼らにとっては飯の種なのだから当然か。

「これは拙いな…核爆発の発表をしたってことは調査も終わったみたいだし、核が偶然爆発したようなものだと云う事も気づいたろうし、組織や国に対する警戒も解かれたんだろう。今のままじゃ実験するにも苦労する…」

困ったな、核爆発はあまり衝撃的なニュースでもなかったのか、ニューロネットの大小のコミュニティを見ても、既に核爆発の噂や話題が沈静化している。発表は今日の昼だったらしいが、まだ夜中の10時だというのにもう別の話題になっている。芸人の不謹慎発言か、しかも核とは関係無い発言だ。

「まずいな…奴が出てくるのが何時かは分からないが、せめて一日に一回はA級と戦わないと不安だ…A級が突然事件を起こして俺がそれを知ってから、そこに行くまでには他のヒーローが出動するだろうし…」

拙いな…俺の都合を考えて事件を起こす奴は居ないだろうし。

「今の俺の能力なら国外にも行けるが、そこで都合の良いのに遭える保証は無いし…う~ん、いっそヒーローを…徒党を組まれると面倒だな、倒せるだろうが後の復讐がやりずらくなる。正体も明かそうとする奴が現れるだろう…俺の能力では同時に別々のところには…どっちにしても何時かはバレるな」

八方塞りか、当面は孤独な修業をするか?いや、フレアコンドルから奪った能力を研究するか?元は0級になったスペックだし…う~んA級には勝てるだろうが…俺が使ってもうまくは使えないからな…

「今の能力では…奴には勝てないな、PSYの無効化さえ通じれば…いや奴のは…防げるものか?」

新しい力か…それか能力を鍛えなければならないか?

「まぁいい、とりあえず今日は朝まではぐれハザードを探すか」


結局朝になるまで探したが、居たのは引ったくりと強姦魔だけであった。合計5人捕まえて警察署前に置いておいたが、俺自身の収穫は無かった。紫の子供とやらの記憶も空っぽだった。起こしたら目に光が無く、何も答えられなくなっていた。俺にそんな能力が在ったのだろうかとも思ったが、どうも違うようだ。

こめかみの辺りに紫色の斑点があったからそれの所為だ。催眠能力者のマーキングだった。星の子供達とは催眠を受けた者達の事なのだろうか?紫の彼は能力者被害救済病院に寄付金と一緒に送ってきた。治ると好いな、教団に狂わされた人生を取り戻せれば良いのだが…

『キーンコーンカーンコーン』

今日の授業の終わりを告げる鐘が鳴る。今日は土曜なので終わるのが早い、小田もHRなど知らんとばかりに生徒より早く帰宅した。

「よう、噂の可愛い子は何処だ?」

久々に登校して来た斉藤ンブンがそう言って教室に入ってきた。もう今日の授業は終わったというのに。

「あれ?女居ないな、ガセか?どうなんだアリーマー?」

「週に1~2回来るだけだそうだ。見たかったら毎日来るんだな、というか何故俺に聞く」

「お前くらいしか話が通じる奴が居ないから仕方ない。他はバカしかいないんだから根暗に聞くしかないだろ」

「メガネはどうなんだ?解説得意だぞ」

「あいつはウザイ」

正直だな。

「しょうがないから藤田でも殴るかな」

そう言って右拳を緑色に光らせて俺の席に近寄ってきた藤田を殴り飛ばす。良くあることだが、一応窓に向かって飛んでいく藤田を不可視の糸を使って衝撃を和らげて助ける。藤田は窓の飛び降り防止用の柵にぶつかったが、怪我は無い…俺の力ではないな、PSYベクトルか。

「な、何してるんですか!?」

ペリーが来たか、そういえば放課後に謝りたいというメールがあったな。しかしえらく早いな、天上も土曜は学校があるはずだが、テレポーテーションかな?

「へぇ~本当に可愛いな、どう、この後時間有るよね?オレっちと遊ばない?」

「ふざけないでください!?大丈夫ですか藤田君!?」

そう言って藤田に駆け寄る。詳しくは知らないが、ンブンが藤田をよく殴るのは入学当初に肌の色を笑われたかららしい。ンブンはいわゆるネグロイドだが、今時クラスに何人居てもおかしくは無いと思う。笑うほど珍しいものでもない、実際4組はクラスの半分が黒い肌だ。偏ってんなー

「アリーマー、あの子藤田の彼女か?」

「さてな、本人に聞けよ」

「オイ藤田どうなんだ?」

そう言ってペリーに助け起こされた藤田の腹を長い足で蹴る。

「げほっ」

「どうなんだよ聞いてんのか病気ヤロー?」

何回も長い足で蹴る。今日は女の前だからかあまり本気で蹴ってはいないが、痛い事は痛いだろう。

「止めてください!?何考えてるんですか!?アリー君、この人止めてください、おかしいですよこの人!?」

なんか新鮮な光景だ。そう云えば人が日常的に殴られるのはおかしい事だったんだな。

「やめとけ、ンブン。彼女は暴力が嫌いらしい」

「そうだぞ暴力反対だー」

「そうだぞンブンなんて変な名前しやがってぇ」

「ペリーナちゃんは俺がマモルッ!」

ペリーが来てからというもの皆帰るのが遅くなったな。さて名前をバカにされたンブンは間違い無く激怒するだろうな。おうおう坊主頭が怒髪天だ。

「んだっどごらぁ!!」

言った奴は既に逃げているが、ンブンも追っていく。しかしあいつ何しに学校に来たんだろうか。

「アリー君…あの人はなんなの?」

「斉藤ンブンだ。あまり学校には来ない奴だ。今週は初めて来たな、授業は受けて無いが」

「そうじゃなくって…何で殴ったの?」

「ここは皆あんなもんだ、お前の前だと皆そこそこ規律正しいが、基本ンブンと変わらない様な連中だ」

「アリー君も…そうなの?」

「俺は理不尽な暴力は大嫌いだが、必要ならやる。昨日も言ったが目的のためにするべきことをやる」

「うん…でも…」

『有馬田谷君、保護者の方がお待ちです。至急応接室まで来てください』

メールの発信者がもう1人来たか。家が崩れてから二日後に来るとは大した保護者だ。それはいいんだが呼び出しをするときは手間も変わらないんだからメールにしてほしい、2日続けて呼び出されたら勘ぐる奴も居る。

「悪いなペリー、用が出来た。俺は昨日の事は何も気にしていないからな、ではまた来週会おう」

「うん…ありがとう。また来週必ず会おうね」

席を立って教室の外に出る。徹夜して感覚を鋭敏にしまくったお陰か、今日は校内の事が張り巡らせた不可視の糸で昨日までより良く分かる。例えばペリーの心臓の早鐘や目が熱っぽくなっていることが分かる。まさか惚れられているのだろうか?

流石にそれは無いな、単にンブンがいきなり暴力沙汰を起こしたので興奮しているんだろう。それか昨日の事をどう謝ろうかと思っていたので思考がまとまらなかったんだ。俺はバカな男子高校生だが女全てが自分に惚れると言う妄想は偶にしかしない。

「それよりも奴だな、ふんっ相変わらず食パンを一年間どぶに漬けたようなツラだな」

応接室に待つ男はそんな顔だ。さて、奴の汗はだらだら心臓バクバクだが、何があったのかな?状況によっては奴に先に復讐する事になるかもな。経済的に俺が困窮していたのは奴が5年以上に亘り児童手当や医療費を奪ったせいだが、他の連中のやった事に比べればショボイ物だ。金を払えば許してやらない事も無いことも…いややっぱり許さん。

怪人図鑑No.10

名前─紫の神子

本名─身元不明

イデア能力─不明

戦闘能力─不明

特殊能力─論理支配であるらしいが記憶消失により使えない

成長性─能力が成長する事は無い模様

カラー分類─紫

総合評価─世界を恐怖に陥れた『教団』の自称新幹部の一人。洗脳を受けたが、洗脳した教団幹部によって人格および記憶を完全に破壊された。以後能力者被害救済病院にて入院している

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