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禁じられた?遊び

作者: 黒楓
掲載日:2026/03/23

今日は月曜日。久々の『月曜真っ黒シリーズ』です(*^^)v



 それは何の脈絡もなく

 まるで使われなくなったシナプスの橋に繋がれた離れ小島にポツリ! と残された記憶の断片。


 たぶん幼い私は……どこかの縁石か壁に体を預け、

 ザラザラしている地面を眺めていた。


 ダンゴムシが1コ転がっていて……それは生きているか死んでいるかは定かでは無かったけれど……『球』をほどかしたもう1コは『匹』となり乾いた地面をゆっくりと蠢いて行く。

 ダンゴムシへの興味はそこまでで……私の目はその手前にある()()()()()()白みがかった小石へと移る。

 白っぽさは土埃のせいだ。

 払えば小石の色が見える筈。

 その色はきっと綺麗な深緑。

 ひょっとしたらエメラルドみたいな宝物の原石かも。


 土埃が指先に付くのは躊躇われたけど

 私は小石の頭を摘まんでそっと持ち上げた。

 お尻を半分埋めていた小石は地面にその跡を残して私の手のひらへ転がり、あられもない姿を晒した。


 それはまったくの期待外れで……湿った土の不愉快さを手のひらに感じただけではなく、石にはまるでミミズが潰れた様な淀んだピンク色の帯がべったりと付着していた。


「うわっ!! バッチイ!!」

 反射的に手をバタバタさせて石を振り捨てたけれど……期待を裏切られた私は捨てた小石を憎しみを込めてをズックの底でゲシゲシ! と踏み付けた。


 でも一度こみ上げた憎しみは止まる事を知らず、イライラと地面を見回すと、アリの隊列が目に入った。


 辿って行く先には……恐ろしい“死の残骸”があり、私は身震いした。

「こいつら、死を喰らって生きているんだ!」

 こみ上げている憎しみと嫌悪が私の中で綯い交ぜとなり、私の心の中に一つの欺瞞が生まれた。

 それは義侠心の皮を被った『残酷』


 私は今度は躊躇いなく路傍の石を拾い、奴らの隊列へ『爆撃』を敢行した。

 小石爆弾が命中したアリは隊列を飛び出し、身を捩って悶絶した。

 それを私の心は『痛快』と捉え、小石爆弾は次々と投下された。



 ◇◇◇◇◇◇


 もう、断言しても良さそうだ。

「私の人生、クソだった」と


 クラスの男子の誰からも顧みられる事の無かった私の“初めて”は私の事を唯一「可愛い」と愛でてくれた肉親に奪われ、じきに『淫乱』と言う名の元に捨てられた。


 どこへ行ってもゴミ扱いされた挙句に転がり込んだオトコのアパートで私はオトコから足蹴にされながら……ありとあらゆる()()使()()()()の働きアリとなり、ある程度の長い年月をそこで過ごした。


 ところがある日、まったく突然と言っていいくらいの残酷さで私は歩く事も立つ事も出来なくなった。


 遠い昔……アリさんたちにしてしまった残酷な行為を、ふとした瞬間に思い出しては後悔し、心の中で手を合わせて来たけれど……

 もう、その必要も無いのかもしれない。


 因果応報は私の元へ訪れた。


 背中に腫瘍が転移した私は、今、『白』しかない粗末なベッドの上で朽ち果てようとしていて……私に齎された(もたらされた)僅かながらの国庫からの施しは、白い衣を纏った者どもが隊列を組み、刻一刻とむしり取っている。


 私の躯が荼毘に付される迄は。




                          <了>




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幼稚園の頃、家の庭で大きな土蜘蛛に出会い、ビックリして大人がするように新聞紙を丸めて蜘蛛を追いかけてピシャリと叩いたことを思い出しました。 子供の力ですが、大きな土蜘蛛は叩かれたことで潰れて死にました…
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