プロローグ
「ねえ、あなた、明日も会社が休みなの」
晩ご飯を作っている母が食卓で待っているおやじに質問をした。
「ええ、明日、会社は大規模メンテナンス作業があって、一日中休業になるって。そ後日は週末で、月曜日にまた出勤することになるんだ」
おやじは気楽に答えた。
「じゃあ、せっかく私も明日休みで、三連休だし、、、、す、する」
あ、これは我が家の休みの日によくある出来事。
「うん、そうだね」
おやじがやる気満々のは当たり前だよね
「君への不滅の愛をリプレイしよう」
両親が一同で聞き覚えがあるゲームの名前を言った
「君への不滅の愛」は一年前に出た大ヒット乙女ゲーム。
乙女ゲームとは男子向けの恋愛ゲームに似ているが、主人公が女の子で、攻略キャラがほとんど男。
家の両親がこういうゲームが好きで、どうやら高校生からずっとやっている。
いわゆる、オタク夫婦、ラブラブ以外に一緒にゲームやアニメを楽しむことが多い。
自分もごく普通のオタク成人男子だけど、乙女ゲームにあまり興味がない。
正直、せめて皆が好きなことをやりたいよね。
「では僕はこの後部屋でアニメを見るから」
「健太も一緒にやってもどうおう。オンライン仕事だと言っても、いつも部屋に籠っているのはよくないよ。そうよねあなた」
「そうよ。体だけではなく、心にもよくないぞ。それに、そうやって家に籠って彼女を作れない」
彼女を作れば、作るが、やはり僕には厳しい。
この世界は印象がすべてで、それが悪くなると皆に嫌われる。
そのせいで、自分が他人の期待に応えるとか、他人が自分をどう見ているのかが心配で、外にいると全然落ち着けなく、精神的に苦労だらけ。
例えば、課長に仕事を任されて、もしそれを上手くできなかったら、怒られるのがもとより、他人にも迷惑かける。そんな人は便りがなく、弱いと見られ、一緒に居たくない人。
あるいは、学校で、グループの友達が一緒に誰かにいたずらしたいことに反対して、ノリが悪い人に見られ、グループから外される。
だから、一人の時間が好き、家にいるのが好き、他人とあまり関わりたくない。
ゲームもシングルプレイヤーしかしない。
まあ、親が元気なうちに、大切にするべきだよね。すこしだけ、隣にいてもいいんじゃない。
「わかった、一緒にしよう」
「それにしても、雨がやまないね」
母は窓の方向を見つめて、心配そうな顔をしている。
外は午後からずっと雨が降っていて、風も強く吹いている。
時々、風によって吹き込んだ小石が家の窓にぶつかってくることがある。
確かに、天気予報によると、ある台風が海域のところを通過していたっけ。
「なんか、ますます大変そうだね。ちょっと、生テープでも貼るか。愛理手伝って」
おやじは席を外して、窓のところに向かっていく。
母は棚のところに生テープを取り出した。
僕はなにか手伝わなきゃと思いながら、読んでいる漫画を閉じて、食卓の席から立った。
もう一ロールのテープを取って、部屋の窓に貼っていく。
まずは窓の左上の角から、斜めに貼る。
腕を伸ばして、梯子を使わずに届いた。
自分の身長は高くないけど、平均よりすこし低い。
生活には支障がないが、たまにはちょっとだけ高いところに届くために、つま先立たないといけないことがある。
そのせいで、恥ずかしく背が高い人に手伝ってもらうことがよくある。
テープを貼りながら、濡れた窓から外を眺める。
外は暗くて、道端の木も風に揺らされて、雨も地面を叩きつけている。
それにしても、地面がドロドロに動いているみたい。
恐らく、排水管の処理能力が限界になったせいで、地面は浅く雨水に覆われているでしょう。
幸い、家は一階が貴重品を置かないし、そして土台が少し高く建てられたので、浸水を心配しないだろう。
僕は右上の角にテープを貼り続けようとしたら、突然部屋の灯がチカチカして、 そしたら電気が切れて、真っ暗になった。
目がまだ暗闇に慣れていない隙に、なんか地面も傾いていって、ぎくぎくの音も聞こえた。
バランスを崩した僕は床に転んで、起きなくなった。
そして、なんか寝込んでしまった。
「エリ様、エリ様、早く起きて、ご主人様がお呼びです」
誰かがエリという名の人に声をかけているようだ。
エリって女の子っぽい名前で、僕は男なので、関係ないでしょう。
でも、エリ様って、なんかすこし馴染み感があるんだけど、まだ眠くて、ひとまず無視する。
寝続けようとしたが、僕の体が揺れを感じ始めて、寝づらくなったので、すこし目を開けることにした。
最初に見たのは普段見ない天井だったが、同時に見慣れている感じがする。
もしかして、今ホテルにいるのか。
「起きましたか。ほら、ご主人様がお呼びです。早く書斎へ」
メイドみたいな服を着ている人が僕をベッドから引っ張って、部屋から連れて出た。
この人は確かにシルビアさん、って待って. どうしてこの人を知っているの。
面識がないはず、、、、いや、長い知り合いなんだ。
おかしい、頭の中に情報が多くなっている。
前は毎日髪をちょっとだけ梳かすだけでいいが、今はもっと 梳かして、つけることも必要。
普段着ない服も、今着る。
摩擦で火が起こせるのが当たり前だが、手から火を出すことも可能だと常識になっている。
もしかして、まだ夢を見ているのか。
それとも、衝撃を受けて、頭がおかしくなったのか。
何かを思い出そうとしたが、私たちはある扉に立ち止まり、シルビアさんはドアを叩いた。
「ご主人様、エリさまを連れまいりました」
「入ってください」
扉を開いて、シルビアさんは本がたくさん並んでいる部屋に僕を案内して、席に座らせた。
目の前には社長用の机があり、その向こうに茶色の髪の男が座っている。
男の服装が中世のスーツに見え、普段コスプレ以外見たことがないはずだったが、今の僕にはとっても普通の服装だと思っている。
回りを見たら、隣に小豆色のポニーテール髪の女性が隣の席に座っている。服装がなんかファンタジーっぼくて、スカートだけど、ふわふわより動きやすい服装に見え、襟があり、腰のベルトにポーチが付いていて 、ケープも着ている。
これ絶対にコスプレだろう。
って、なんでコスプレ。
会ったことがない人のはずだったが、なんか親しみ感を感じられ、お友達以上の関係を感じられる。
「二人とも、急に呼び出してすみませんが、どうしても試したいことがあります」
シルビアさんが部屋を出たら、男の人は先に話をした。
「春山健太という名前はご存知でしょうか」
「む、息子の名前です」
春山健太、僕の名前を聞いた隣の女性が、そんな発言をした。
「あ、愛理、愛理なのか」
「も、もしかして、義夫」
母の名前と母の口調を聞いたら、すべてのことをまとめて考えたら、僕は一つの結論を出した。
「私たちは異世界転生したのか」
二人は僕の発言を聞いて、驚いた顔をした。
まあ、物語にしか出ないシナリオが私たちに起きるとは想像もつかなかったね。
「健太、健太くんだよね」
女騎士みたいな母がこっちの肩を掴んで、僕は頷いた。
なんか、知らない人に話しかけている気分だが、目の前の人がちゃんと母だと認識している。
「健太、いえ、エリ、その」
「うん、どうしたの」
おやじがこっちを見て、少し興味津々そうな顔をしている。
「健太は随分可愛くなったね」
可愛いってなに、僕、ありえないでしょう。
今ヒロインキャラっぼくて、若くなった母の方が可愛いじゃない。
「この鏡で、自分の顔を見て」
おやじから、鏡を受け取って、確認する。
鏡に毛先が肩まで届く小豆色髪の顔を映っていて、顔は母譲りの可愛さを持っている。
「可愛い」
って、なんで。
「愛理、その顔がもしかして」
「うん、そうだね。間違いない」
二人は真剣そうな顔をして、こっちを見ている
「健太冷静に聞いて、今の健太は息子じゃなくて、娘なの」
母の言葉を聞いたら、一瞬頭がぼーっとなった。
娘、僕は男だよ。
自分の記憶を探っていって、確認する。
僕は健太、いや私はエリ。
エリ・ヒルガル、騎士サラとベルントの一人娘。
え、えええええ




