過去
中目は屋敷の捜索をしていると陣版区に使われていない古びた屋敷によく人が出入りしているという情報が手に入り早速現場に向かった。そこには屋敷があったがそこまで古びている様子はなく寧ろそういう感じを残したような屋敷だった。中目は誤情報だと思いその場を後にしようとしたが何かが引っかかったのでその屋敷を尋ねることにした。中目はインターホンを押したが誰も出る気配はなく中目は帰ろうと思った。しかし少ししてから家主らしき人が出てきた「何かご用ですかな?」出てきたのは70歳くらいの老人で手摺を持ちながらゆらゆらと歩いてきた「私国家安全保障係の中目フートと申します」「あぁ~そんな方がどのようなご用件で?」「失礼ですがこのお屋敷は貴方のご住まいですか?」「はい・・・かれこれ70年以上住んでいます」「そうですか・・・ですが・・・この屋敷最近できましたよね?」「え?」「いやここに屋敷なんて元々無かったんですよ、ご近所の方から調査済みです」「・・・・・・」「正直に答えてください」「この屋敷は・・・とある方に守れと言われまして・・・」「事情は本部で聞きましょう」そういうと老人を連れて行こうとしたが老人は屋敷に吸い込まれるように引きずり込まれてしまった「うああああああ!」「!」中目はすぐに屋敷の中に入り老人を追いかけたが中は何と中目家になっていた「ここは!」中目は辺りを見回したがそこは正真正銘中目の家だった「ここは・・・敵の能力か」すると玄関のドアが開き妻が銃を向けて入ってきた「何してるんだよ・・・・・」「中目くん・・・ごめんね」「能力者なのは知ってたよ」「わかってた」「君が敵なのか?それとも操られているのか?」「自分の意思よ」「・・・・・・・」「私の名前は石動楓・・・本名霧島楓」「霧島・・・・・!」「そう・・貴方の家族を殺した男の実の娘よ」「・・・」「どう?今の気分は」「訳がわからないよ、君が本当に敵なのか未だに信じられない」「そう・・・」「あのご老人はどうした」「あのご老人は餌でしかないわよ・・・もういない」楓は冷たい眼差しで中目の動揺した目を見続けた「本当にやらなきゃいけないみたいだな」中目は手袋を取り銃を構えた。少し震えながらも眉間を狙うように銃口を真っ直ぐ構えた「君は私と出会う前に公安に所属していた。そこで君は多数の能力者を殺しその手を血で濡ら続けた」「そう私は女子供関係なくこの国の能力者を減らしていった」「けど君は私と出会って変わった」「うん・・・君のことを殺すつもりだったのに君に心を奪われて公安をやめたの」「なら君は今どうして私に銃を向けているんだい」「そうしなきゃいけないのよ」「なら・・・私も君を止めなきゃいけない」「無理だよ」「今の自分は君を撃てる」「なら撃てば?」すると中目は楓の頬をかすめるように撃った「・・・」「私は本気だよ」「さすが」楓も中目の頬をかすめるように撃ち両者の頬から血が流れ始めた「能力を使える距離じゃないよね」「まぁね・・・私の煙を使ったところでどうしようもない」「・・・」「君を止めるにはどうすればいい?」「・・・・私を殺すか能力を止めさせるかのどちらか」「能力・・・」「今の私には核がある・・・その核は私にこの空間を形成させる能力を生み出してるのよ」「・・・・」「この屋敷自体にも幻覚作用があるけど私はそれは使わない」「なら君から核を取り出せばいいんだね」「無理だよ・・・胃の中にあるものをどうやって」「簡単だよ」すると中目は煙を放出させるとそれを楓に吸わせた「がほ!がほ!」楓は急激に苦しむと嘔吐し核を吐き出した。すかさず中目は核を踏み潰し楓から煙を吸収した「ゆっくり・・・落ち着いて」「はぁ・・・・はぁ・・・・」「ごめんね」「・・・・・」すると周囲が古びた屋敷になり始めた。中目は楓を連れて出ようとしたが楓は中目を振り払いどこかへ走り去っていったしまった「楓!」中目は楓を追いかけたが既に姿は無くなっており中目は深い悲しみに包まれた「・・・・・・・・・・・」中目は妻が敵になってしまった事を悲しむと同時に敵として利用しているアルケミストを酷く恨んだ。一方楓は何も考えずに街を走っていた。自宅とは逆方向へ走った。次第に雨が降りずぶ濡れになりながらも走った。どんどん疲労が溜まり始めたもののそんなこと気にせずに走った。頭の中に中目との記憶が溢れ始め涙が止まらなくなり呼吸も荒くなってきたが止まらずに走った。9時間後楓は路地裏で座り込んでいた。何も考えず何もせずにただ座り込んでいた。動くのをやめたせいか空腹を感じ始め倒れこんでしまった。もうここで死ぬのかと思い目を閉じた。再び目を覚ましたのは2時間後だった。ふといい匂いがしてきて最初は近くにあったコンビニからだと思ったが外ではない暖かさを感じた。気づくと自分はどこかの家のソファで毛布をかけられていた。服も新品のようなパジャマになっており髪も乾いていた。ソファから飛び起きると身を屈め構えの姿勢をとった。そんな自分の元に温かいビーフシチューを持ってきた青い髪をした女性がいた「あぁ1起きたんですね!よかった~!」「ここは・・?」「ここは私たちの家ですよ~」「・・・・なんで」「だって路地裏で寝てたんですよ?」「・・・・」「さぁ食べてください!」「わたしは・・・」「いいから食べてください!お腹空いてるんでしょ?」「はい・・・じゃあいただきます・・・」楓は温かいビーフシチューを食べた。味はとても美味しく食べているうちに涙が零れ始めてしまった「えぇ!すみません!おいしくなかったですか?」「いや・・・・そうじゃなくて・・・・美味しくて・・・・美味しくて・・・・・」「・・・・詳しい事情は聞きません、今はゆっくりしていってください」「はい・・・・ありがとうございます・・・ありがとうございます」楓は泣きながらビーフシチューを食べに食べてその様子を聞きつけた月がティッシュを持って来て涙を拭いた「ごめんえ・・・・ごめんえ・・・・」楓はずっと泣き続けビーフシチューを食べ終わったころには泣き疲れ眠ってしまった。楓は翌朝まで眠り続け起きたのは朝の7時だった。楓はボーっとしながらも起きてスマートフォンで中目にメールを送ろうとしたが躊躇し携帯の電源を切った。中目からは一本の不在着信が来ていたのだが折り返す勇気はなかった。コップを借り水を一杯飲むと乾いた自分の服を見つけそれらを身に着けると黙って家から出ようと思ったがそれをノイズが発見し引き留めた。ノイズはせっかくなら朝ごはんを食べていくようにといい楓は断ったがノイズは椅子に座らせ朝ごはんを並べ始めた。並べられたのは茶碗一杯の白米と黄色い卵焼き、なめこの味噌汁とレタスに囲まれたポテトサラダだ。楓は渋々食べた。味はとても美味しかった。特に卵焼きは朝に丁度いい塩加減で白米ともよく合うものだった。楓は全部食べるとノイズにお礼を言い家を出ようとした。ノイズは帰り際に楓が持っていた荷物が入った鞄を渡すと笑顔で送り届けてくれた。楓はノイズと連絡先を交換すると家を後にした。楓は中目のことが心配になり始め不在着信を折り返そうとした。指が震え一気に恐怖に包まれてしまい立っていられないほどの脱力感に襲われたが頑張って掛けることにした。不在着信をタップし中目に電話がかかり始めた。一方中目は落ち込みながらも仕事をしていた。そこに楓からの電話が鳴り緊張しながらその電話に出た「・・・・・・もしもし」「もしもし・・・・・楓」「・・・・あのね」「うん・・・」「ごめんね」「いいよ」「今日お家帰るから・・・・ゆっくり話聞いてくれる?」「聞くよ」「じゃあ・・・今から帰るから・・・早く帰ってきてね」「わかった・・今日は21時には帰れるよ」「うん・・・わかった」「じゃあ・・・・」「今日何食べたい?」「・・・・ビーフシチューかな」「わかった」「じゃあね・・・そろそろ戻らないといけないんだ」「ごめんね・・・頑張ってね」「こっちこそごめんね」「じゃあお仕事がんばってね・・・応援してる」「ありがとう・・・じゃあまたね」「うん・・またね」楓は電話を切るとそのまま家へと帰った。とても遠くまで来ていたため帰るのに一苦労した。とくにエッセル学園内に入っていたため出るのに非常に困ったが得意の偽造で何とか乗り切り無事に帰宅することができた。その後家に着くと眠りにつきビーフシチューを作り忘れそのまま21時になり中目が帰宅した「あ・・・おかえり・・」「ただいま」「ごめん・・・ビーフシチュー・・・・作り忘れちゃった」「一緒に作ろう」「うん・・・・」楓はすぐに準備を始め中目も手を洗うと手伝いを始めた。お互い気まずい雰囲気の中料理をしていたが次第にその気まずさが晴れはじめてきた。そして30分後ビーフシチューが完成し2人でパンをつけて食べた。パンは食パン、それでいい。2人はビーフシチューを食べ終えると話を始めた。話の内容は省略するが楓はアルケミストに自身の過去を付け込まれ中目を殺すよう指示を受けた。直前まで断り切れずに中目に銃を向けてから後悔し始めたという。楓は涙ながらに謝罪をし自身の過去のことを全て話した。楓は公安に所属し能力者を殺していたがそれ以外にも能力者の拷問や研究の手伝いもしていた。さらに能力者同士で殺し合わせたりと非人道的な行為を率先的に行っていたという。中目はこれらの話に衝撃を受けながらもそれらの事実を受け止め楓を抱きしめた。楓も抱きしめ返しそのまま愛し合った。翌朝中目は仕事を休みその日は何もせずに過ごした。一方そのころ遠くの屋敷では枯れた花で生け花をしている華がいた。華は花を生け終えると火を着け燃やしその燃えカスを池の鯉に食べさせた。そこに華の使用人が屋敷が2つ崩落したことを報告した「あら・・・早いのねぇ」「ここも危険です・・・アルケミスト様のお屋敷へ向かいましょう」「いやよ~ここは私の家よ?何故逃げなきゃいけないの?」「それは・・・・」「貴方は私が負けるとかそんなこと思っているの?」「いえ・・・!そんなことは全く!」「まぁ・・・私のことは倒せないしここに辿り着くのは不可能よ」「そうですね・・・」「じゃあ早く出て行って?これから風呂に入るから」「はい・・失礼いたしました」使用人は扉を閉めてそそくさと屋敷の中にある狭い使用人籠へ入った。華は曇った空を見上げ空に花を放った。花は空でパンッと弾けると花びらがひらひらと舞い落ちた。華はその中の一枚を取ると握り潰しそれを食べた。華は花を食べないと元の年齢に戻ってしまうため定期的に花を食べている。味は対して変わらない。旨くはないが不味いわけでもない。お菓子に混ぜると美味しい。華は水ようかんに桜の花びらを一枚落とすのが一番好きなので春になると使用人に水ようかんを大量に買わせている。華は屋敷の中に戻ると花に囲まれた自室へ籠った。一方尊は館の中にある古びた倉庫からとある剣を出した。それは埃を被り錆だらけの短剣だった。アルケミストが腰に携えていた日本刀のようなものが異様に気になり自身も武器を一つ持つべきだと考えていた。それでこの館に伝わる羊羹のように鉄を切れる剣を探していたところでこの剣を見つけた。しかしこのままでは使えないので使用人達にこの剣を復活させられる人物を探し出すように命じ自身は更なる武器を探していた。倉庫内は物資と武器で分けられていたが正直なところ分けれれているとは到底言えないレベルで散らかっているため探すのも四苦労だった。しかしこの話を書くことは無駄に等しいので省略する。今までこのようなくだらない展開を長引かせたせいかやりたいことに到達できていないのでここからは巻きになる。尊は武器をあらかた集めるとそれら全てを使用人たちに修理するよう命じ一通りの作業を終えた。その後尊はとある手紙を伝書鳩から受け取った「尊さんへ、明後日冥加先の高野目にある屋敷で待ってます」それは華からの手紙であった。尊はすぐさま屋敷へ向かう準備をした。一方第三勢力達の期待の新星である苅部が屋敷捜索をしていた。しかしここからは少し長くなるので続きは次回ということで一区切りをつけることにする。




