第二試験の内容
投降遅れました
「少々言い過ぎたな」
「いや、よく言ってくれた。さすが俺たちの副団長だ」
「・・・いいこと言った」
「全冒険者に聞かせたいものだったよ」
「間違ったことは言っておらん」
まぁ、言いたいことは全部言ったし、あとはこいつらに任せるとするか。
「それで?第一次試験は終わったが、この後どうする気なんだ?もう俺は試験をしないぞ?」
「もちろんだよ」
「後は俺らがやる。茶でも飲んでろ」
一応聞いておくか
「で?試験内容は何を考えているんだ?」
「・・・ダンジョンアタック」
「なるほど・・・階級は?」
「銅級だな」
銅級・・・・下から四番目の難易度で、初心者と中堅のちょうど合間、「中堅の入口」ともいわれる難易度だ。
「なるほど・・・今から行くのか?」
「そうにきまっているだろう」
俺は思わず、参加者の方を見る。
俺たちの話を聞いていた参加者の顔は青ざめている。
だが、俺は思う。
「銅級じゃなくて銀級の方が良いんじゃないか?」
俺は幹部たちの方向に向きなおしながら言った。
後ろの空気がさらに沈んだ気がする。
ついでに幹部たちの顔に困惑の色が混じる。
「さすがにそれは・・・・」
「・・・・無謀」
「おいおい、そりゃねぇぜ」
「少しはいたわったらどうだ?副団長殿?」
酷い言われようだな。
これだけ参加者がいて、『黎明の流星』の幹部陣が付き添いで行くんだろ?銀級ダンジョンの方がちょうどいいと思うのだが・・・・
「大丈夫じゃないか?むしろ、お前らが望む要素ってのはそれくらいじゃないと見れなくないか?」
「「「「・・・・」」」」
黙ってしまった。
心情的には「そうなんだけど、それはそれで・・・・うーん、いや、待て待て」ってとこだろ。
うちのメンバーだったら絶対に賛成するから、各パーティの戦闘経験の違いなのだろうか?
まぁ、この場にメンバーがいようがいまいが俺の行かないけどな。仕事忙しいし・・・
そんなどうでもいいことを考えていると、ロベルトが声を上げた。
「エルの言うとおりだね。そうしようか。三人はどう?」
「俺はなぁ、どちらかと言われれば反対なんだが・・・・まぁ、エルリックが言うならそっちの方が良いんだろうな」
「・・・・私はどちらでもいい。・・・私が求める要素が見られるのは稀だから」
「朕は賛成だ。より強き相手、より猛き相手の方がより下等種たちが智慧が絞るだろう」
概ね賛成ってとこだな。
「じゃあ、さっさと行ってこい。俺は仕事で忙しいんだ」
「は?何言ってんだ?お前も行くんだぞ?」
「は?」
執務室に戻ろうとした俺をガルドが引き止め、ふざけたことをぬかしやがった。
「行かねぇよ。仕事で忙しいって言ってんだろ」
「いや、銀級ダンジョンに行くことを決めたのはお前だろ。お前も行くんだよ」
ガルド以外の幹部陣を見ると、「マジで行く気なかったのか?」という顔をしている。
なるほどなるほど。俺はいかないといけないらしい。
ふっざけんな!!
エルリックの戦闘スタイルが定まらなくて困ってる。戦士よりか、魔術師よりか、魔法剣士よりか、はたまた別のナニカか・・・
戦闘的な素地は定まってるのだけどなぁ・・・