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5.シィゴト

俺は自分の執務室のドアを開ける。


執務室の机は書類の山が・・・

秘書官君が定位置に置きなおしてくれたようだ。置きなおすくらいなら代わりにやってほしい。


俺は少々ため息を吐きながら、執務室の中に足を踏み入れる。


「お疲れ様です」

「ん」


この秘書官、普通に美人だし、スタイルいいし、なんでもそつなくこなすし、俺の意図を汲んで最大限の利益を俺にもたらしてくれる。すべての秘書官に見せてあげたいくらいだ。

そのため、俺は秘書官にでかい顔してあーだこーだと指図しない。それで出て行ったら俺が困るし、ギルドメンバーからめちゃくちゃ怒られる未来が見えるから。


「あのジジイめ」

「・・・・心中お察しします」


少々の沈黙の後、秘書官は俺の愚痴にいたわるような言葉を返す。こういうところもなかなかできてる。聞くところによると仕事だけする秘書官とかいるらしいからなぁ。やはり秘書官の中の秘書官だな。


「仕事多いなぁ」

「・・・・」

「・・・・ねぇ」

「やりませんよ?私冒険者のこととかからっきしなので・・・」


俺の言いたいことをくみ取ったのか即答された。

でも言わせて欲しい。冒険者のこと知らない奴が俺の秘書官できるわけねぇだろ!!


「あぁ、右腕が欲しい」

「本数的な意味合いでですか?」

「・・・君、もしかして馬鹿?」

「いえ、副団長ならやりかねないな・・・と」


俺を化け物扱いしやがった。

まぁできないことはないんだけど・・・・


「右腕が欲しい」

「・・・私じゃ足りませんか?」

「君は左腕」


彼女は補佐という意味では最上級だ。

俺が欲しいのは俺と同じスペックを持って仕事を肩代わりできる人物なのだ。


「まぁ、無理かぁ」

「右腕というくらいですから、まず副団長レベルの力を持たないといけないのですよね?」

「そうだ」

「それってちょっと厳しくないですか?」

「何が?」


俺のことを越えられる奴なんていくらでもいるだろ。燻っている奴ら含めれば結構いるぞ?

まぁ、俺のことを簡単に抜かした奴らなら知ってる。でもアイツラはプロフェッショナルだからなぁ・・・でも数人くらいなら右腕になってくれそうな奴ならいるんだが・・・・駄目だな。


「いっそ育てるか?」

「!?」

「どこかに手ごろな奴が転がってないかなぁ?」

「転がってるわけないじゃないですか」

「だよねぇ」


冒険者やってて事務作業が俺よりできる奴なんて数人くらいしかいないし、大体そういう奴らってパーティとかで重要な役職やってるやつが多いから引き抜くとそのパーティと溝が生まれかねない。

・・・・・どう考えてもパスだな。


「仕事するかぁ・・・」

「はい」


こうして俺はその日、書類の山に頭脳を突っ込むことになるのだった。






その数日後、ギルド幹部から俺の元に、「ギルド幹部数名による新人推薦会」という名の「独自審査」の許可と立ち合いを求められた。

俺の仕事増やすんじゃなねぇええええ!!!!

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