表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

罠猟師のおっさん、日本へ帰る


闇を封じた結晶を手にした健一は、森の出口で足を止めた。

──その瞬間、脳内に再びあの声が響く。


《メインクエスト完了。転送を開始します》


「……転送?」

問い返す暇もなく、視界が白く染まった。

足元の感触が消え、風も匂いも音もなくなる。


目を開けると、そこは……


「……え? 俺の山小屋?」

見慣れた木の壁、釘の曲がった道具掛け、焚き火跡のストーブ。

だが違和感があった。外の空気が妙に澄み切っていて、どこか現実離れしている。


ポケットには結晶がそのまま入っていた。

手の中に冷たい感触を感じた瞬間──再び声が響く。


《転生特典:ステータス機能を保持しました》

《現代フィールドを解放しました》


「……現代フィールド?」


健一が山小屋を出ると、そこは見慣れた日本の山林……のはずだった。

しかし、獣道の奥に見えるのは、見たこともない巨大な影。

鹿のようだが、角は枝分かれし、身体からは微かな黒い霧が立ち上る。


《サブクエスト発生:異界獣の討伐》


健一は、思わず苦笑した。

「……ったく、帰ってきても狩りかよ」


腰の罠袋を締め直し、矢を番える。

かつて異世界で学んだ技と、この世界で培った経験──

二つを合わせた「現代版の罠師」が、いま動き出した。


ここから先は、もう異世界でも現実でも関係ない。

ただ一人、獲物を狩る者として──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ