もう聖女様だけで世界救って下さい
「聖女様、少し休みませんか?もう3時間は歩きっぱなしですよ」
「いえ、私はまだまだ大丈夫ですよ、お気遣いありがとうございます」
「疲れました…」
「えっ?」
「僕が疲れました!休ませてください!」
「あっ、あ〜そうですよね!?まだこの世界に転移して2日も経ってませんもんね」
ちくしょう!女の子より先に音をあげてしまって恥ずかしい!
結局あの後僕と聖女様は村を一泊してから出て、今隣村にむかって森の中をさまよい歩いている状態だ。ちなみに出て行くとき胴上げをされた。
あいつらどんだけ胴上げ好きなんだ?
っとそんなことより、聖女様に聞きたいことがあったんだ。
「聖女様僕はこの世界に転移されましたが、いつ僕は元の世界にもどれるのですか?」
「女神様の伝言によると魔王を倒せば戻れると言われています。安心してください。この世界と勇者様の世界の時間の進み方は異なるみたいで、ここでの100年はあちらの世界の1分にもみたないとのことです。こちらで年齢をとった場合はあちらの世界に戻ったときにリセットされるみたいなので、見た目も変わらないみたいです。」
魔王を倒すまでか…まっ他の勇者にそれは任せようかな。僕のステータスは弱いから何処まで通用するか分からないし、無駄死にはしたくないからね
元の世界に帰ったらうらしまたろう状態にもならないみたいなのでよかった。
「そうなのですね安心しました。まぁ僕以外にも勇者がいるみたいですし、案外早く旅は終わりそうですね、ほら力の勇者?とか強い人もいるみたいですし」
「力の勇者はメスガキに分からされました」
「どういうこと?」
「魔物の幹部にメスガキのエルと言うのがいるのですが、そのエルの生意気な態度に始めは分からせてやると息巻いて戦いに挑んだのですが、流石敵の幹部ということもあり逆にやられてしまい『おじさ〜んよっわ〜い、本当に力の勇者なの〜?』と煽られまくり最終的には分からされました。今では勝てないことを知りつつも毎日挑んで分からされライフをおくっているみたいです」
「この世界は魔物も人間もどうかしてるよ」
「他にも防御力に特化した盾の勇者も、防御が強いだけで大した攻撃手段を持ってないことを『ザコのおに〜いさん!まもるだけなの〜?ドMさんなんだね!あはははは!』と煽られ分からされました」
「それ盾の勇者も同一人物にやられてるよね?」
「他の勇者もなんだかんだ分からされて、毎日挑んで、分からされライフをおくり、今ではそれが無いと落ち着かないという後遺症ができました」
「知らないですよ!この世界はどうなってるの??
いや、元を正せば自分達の世界の人間か。度し難いな…」
「ということで、今他の勇者は全く使い物になりません。役にたたないなら早く元の世界に帰ってほしいです」
「結構辛辣…まぁ仕方ないか」
「な・の・で・!」ガシッ!
というと聖女様は興奮し、僕の手を握った。
近くで見ると可愛いな〜お人形さんみたい。いい匂いもする。
「勇者様には是非ともこの世界を救ってほしいのです!期待していますよ!」
「……はい」
やばいよやばいよ。ステータスが秀でた奴らでも分からされたのに。自分なんてくそ雑魚だから、すぐわからされそう。
と考えてると、目の前の茂みがガサゴソと揺れ、5メートルはある熊のようなモンスターが現れた。
こえ〜でかくね?足が震えてるんですが
「せっ!聖女様!あれがモンスターなのですか!?」
「ん?はいそうですよ。とはいえそこまで強くはないモンスターですけどね。 では一緒に旅する者として私の強さをお見せしときます。この場は任せてください」
そう言うと聖女様は何やら呪文のようなものを唱え始めた。
すると熊の足元に魔法陣が表れ、そこから天まで続く火柱が立ち上がり、モンスターを跡形もなく消滅させた。
「私は魔力が 8000000あるので、魔法がかなり使い放題です。勇者様には遠く及ばないと思いますがいかがでしたか?」
あっ(察し)…上限て100万でもないんだね…。