やった。勇者に転生したのでステータスがオール100だ!
「やめて、やめてね、もう胴上げしなくていいからね」
今僕は異世界に転移し、勇者として認定され村人達から歓迎され胴上げをされている。
まぁここまでの流れはいいよ。異世界お約束みたいなもんだしね。
けどね50メートルくらい上空に投げ飛ばすのはもう胴上げの範囲を越してると思うんだ。
それにもう30回くらい胴上げしてるよね?そろそろ終わりにしてよくない?僕のズボンの股間部分みてごらん?あまりの高さに怖すぎて漏らしちゃったよ?胴上げしてる人達「雨が降ってきたな、まぁそんなことより胴上げだ!めでてぇぜ!」
じゃないんだよ、それ雨じゃなくて僕のおしっこだよ。
そんな様子を少し離れたところから見ている僕を勇者認定した聖女様は苦笑いしていた。
おそらく彼女はまだこの村人達よりもまともだろうと考えた僕は地面に帰ってきた瞬間に助けを求めた
「聖女様助けて!」ぶぉん!「もう胴上げとめさせてぇぇぇぇ!」
「えっ!?なんですってー!?」
ダメみたいですね、全部言い切る前にまた上空に発射されてしまったから、聖女様に聞こえなかったみたい。
それから更に30回胴上げされてからやっと解放された。
「ひっく、ひっく辞めてって言ったのに」
「ワリィワリィ、あんちゃんこの村では何か良いことがあった人は村人達総出でその人を胴上げして祝福するって伝統があってさ、そういうときの辞めてはもっとやってくれって意味合いがあるから」
「お笑い芸人じゃねーのよ」
「まぁ、しかし異世界から召喚されたごく一部の人間からしか勇者の素質は出ないから、この村の儀式場から出るなんて本当めでたいことなんだよ!」
と息巻いて喋っているのはこの村の村長の筋肉モリモリマッチョマンのイマルクだ。
しかしふ〜ん、そんなに珍しいのか。
「ちなみにどれくらいの確率ででるの?」
「319分の1だな」
「パチンコじゃねーか!この世界勇者まぁまぁいるんじゃね!?」
「ぱ、ちんこ?何を言ってんだあんちゃん?変態か?」
「パとチの間で区切るな。変態じゃないよ」
とアホみたいな会話をしていると聖女様がおずおずと近づいてきた。
しかし可愛いな〜。異世界の女の子皆可愛いのがお約束だけどこの世界でも例外ではないみたいだ。
透き通る白い肌に、肩にかかるくらいの金色の髪。
美人というよりは可愛い系の女の子だ。
「勇者様、突然違う世界からお呼び立てして申し訳ありません。戸惑うとは思いますが、魔物が縦横無尽に闊歩するこの世界を救って頂きたいのです。」
「まぁ風呂で体洗ってて突然光に包みこまれたら全裸で、儀式場に立ってたときはびびりましたよ」
あの時はあせったな。聖女様始め多くの村人達が見ている所に召喚されたんだもん。その時「WoW〜小さいね〜はははっ」といったやつは必ず見つけ出してやる!
「っそのことは忘れてくださいっ//」
そういうと思い返したのか聖女様は顔を赤らめた。
ぐへへっ、可愛いね〜。今度下ネタ連呼したらどんな表情するのかやってみよ。
「そんなことより勇者様、ステータスオープンと言ってください。そうすると勇者様の今のレベル、筋力、体力、知力、魔力といった基本情報が見れます。まずは自分が今どのくらいのつよさをもっているか知るべきです。ちなみにこの情報は特殊なスキルをもった人しか他人の情報は見れないので安心して見て下さい。この村にはそのスキルをもった人はいないので」
なるほど、今の強さを知っとくのは確かに重要だ。
まぁ勇者だから、全て高いのだろうなと思い期待しつつ高らかに叫んだ
「ステータスオープン!」
………全て100だ。高いだろうなとは思ったけど、ここまでとは。
レベルも100なので、レベル上げという楽しみはないけど、これなら異世界無双が出来るだろう。
まっ一丁異世界救ってやりますか。
「あんちゃん、どうだった?やっぱりすごかったか?」
「う〜んまぁまぁかな?まっこの僕に異世界の命運は任せろ的な」
「さっすがあんちゃんだぜ!!ステータスよかったんだな。よしっ皆胴上げだ!」
「それはやめろ」
「仕方ねぇな、けどステータス良かったんだろな
俺みたいに筋力、体力だけ50000で後は100前後なんて話にもならねぇんだろな」
「ん?ちょっと聞こえなかった。もう一度言って」
「え?皆で胴上げだ?」
「そんな死刑宣告じゃねーよ。その後のこと」
「筋力、体力だけ50000で後は100前後?」
あれれおかしいぞ〜。ぼくのステータス低すぎっ!
いや待てよ、これレベル100が上限ではなくもっと高かったら、レベルが上がる毎に他のステータスも上がってくのでは??そうにちがいないっ!
「聖女様、質問があります。レベルは最大何処まであがりますか?」
「100までです」
はいっ!終了!!!!