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私はお嬢様を取り上げたから全て見てしまった

私はカルイーニャ。


元男爵家令嬢で今はアリスお嬢様に仕える侍女見習い。



……そんな私は、昔……訳の分からない悪霊に取り憑かれて卒業式に死ぬまで身体の所有権を奪われていたの。



気付いたらアンデッドになってるし、王子達を道連れにしてるしで訳分からなかったわ。


公爵婦人の好意により、私達は恩赦を与えられたと同然の待遇で過ごしている。



そんな私は、男爵だった父が産婦人科の医師をしているからか、私もメイドとして仕えながらも産婦人科の医師の資格も獲得したの。


試験には十回挑戦して、十回目で合格したわ。


だから、あの日。お嬢様を取り上げた私は見てしまった。


公爵閣下と公爵婦人の命令で、私は他言できないけれど……。



今日も、お嬢様が右腕に嵌めてる腕輪……封印魔道具は効力を発揮している。


お嬢様はご存知ないけど、膨大な魔力やある秘密を封印しているから……。


私には理解できない。


そこまでしてお嬢様の力を封印する必要があるのかと……。



「カルイーニャ、サキアが何処に行ったか知らない?」


「さっさあ……私にも分かりません」


急に私は、アリスお嬢様に聞かれたけど苦笑いして答えた。


「そう?……なんかね、中庭見てると嫌な感じがするのよ」


お嬢様はそう言うと、椅子に座り窓を見詰める。


一瞬、お嬢様の姿が……


黒髪の短髪、黒いコートを着た少年の姿に見えた。


背中には大剣を背負っており、何もない虚空を見詰める瞳は意志が強そうで……


私には何と無く、その姿こそがお嬢様に関わる本来の姿なのだと実感する。


あの日、公爵婦人の出産に立ち合った私は知っていた。


お嬢様は……お坊っちゃまだと。


瞬きの間に、私の瞳にはいつも通りの小さなお嬢様の姿になって居た。





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