人生初クエスト的なやつ 2
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クエストの受付を完了した後は冒険者ギルドを後にして町の外に向かいながら歩いていた。
「はあ~。武器と防具を買うお金が無いなんてなんという世界だ。初期装備無し。これ明らかに積みゲーだろう」
深くため息をついて弱音がこぼれてしまう。
当然なことである。クエストのために町で武器や防具を揃えたかったのだが生憎だが一文無しである。こんな一文無しだと当然ながら一緒に冒険をしてくれる人もいないだろう。(ていうか、俺自身が初対面の人とコミュニケーションを取るのが苦手で声をかけれなかったのもあるがそれは黙っておこう)
どんよりとした気持ちで歩いていると「あの!」と後ろか女性らしき声に呼びかけられこんな時に声を掛けやがってと思いながら後ろに振り替える。
「あ————————————————————————————————————!」
振り返ると一時間前に街角で会ったフードを被った女の子で思わずでかい声で叫んでしまった。
彼女は少し声を掛けただけという感じで俺のリアクションにもの凄く驚いた顔をしていた。
「あの時の女。何しに来たんだ? 俺は今忙しいんだ。また後にしてくれ。じゃあな」
叫んだ俺はすぐに感情が先ほどのどんより気分に戻り忙しいアピールをして彼女から立ち去ろうとした。
「ちょっと待ってください。忙しい用事というのはどういった用事なのでしょうか?」
自分の前から立ち去ろうとしていた俺を呼び止め困りごとを聞いくてれようとした。
俺は足を止めてこれからの用事を彼女に話した。
「実は今日止まる宿のお金が無くてクエストを受けてお金を稼ぐつもりだったんだ。生憎俺はこの世界では一文無しだからな」
「そうなのですか。それは大変でしたね」
「本当だよ。この世界に来てからというもの良いことが無いな。俺の順風満帆生活はどこに行ったのやら」
愚痴をこぼすように説明する俺に彼女はしっかりと話を聞いていた。ただ俺のこの世界ではという単語に引っかかったがそれを気にせずに。
「ならこういうのはどうでしょうか」
彼女の問いに俺は疑問が頭に浮かびながら彼女の話に耳を立てる。
「私があなたのクエストに付いて行くというのはどうでしょうか」
彼女の発言には? という顔をする俺に彼女は話を続ける。
「私こう見えて戦闘には自信があるのですよ。剣を扱うこともできますよ」
「それマジなの?」
「マジという言葉はよくわかりませんが本当ですよ。剣を扱うのは得意なのです」
俺が本当かという顔で彼女を見ると少し微笑みながら答えた。
「剣が使えるのか。うーんしかし、こんなロリっ子に一緒の戦って貰おうというのはなんか気が引けるな」
今の俺は一文無しで武器も防具もないので彼女のお誘いはありがたいのだがなんか複雑の気分になって素直に誘いを受け取りづらい。
「俺、戦いとかしたことないから君を守ることとか無理だぞ。それでもいいのか?」
「はい。大丈夫です」
俺が真剣な顔で質問するも彼女はニコッとして返事をした。
(くそ、少しかわいいじゃないか。)
そんな彼女を見て不覚にも少しドキッとしてしまった。
「じゃあ、お願いしようか」
「はい。よろしくお願いします」
俺の答えに彼女は再びニコっとして返事をした。
(くそ、可愛いじゃないか。)
彼女の笑顔に再びドキッとしながら俺の頭の中には日本で超有名アイドルの歌が頭の中で流れてくる。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はゴトウタクミ。君は?」
「私はエリナと申します。宜しくお願い致します」
こうして俺とエリナのゴブリン退治の物語が始まった。




