被害者Xの献身〔18〕
やよいが蓮に聡美の話をすると蓮が黙りこくってしまった。やよいは喋ってはいけなかったかなと後悔して急遽話題を切り替えた。
「鈴木さんはお弁当屋さんの大森によく行くんですか。特に好きなものとかオススメはありますか。」
すると蓮の表情は少し和やかになり喋り始めた。
「あそこの上オムライスは最高ですね。デミグラスソースのヤツ。並はケチャップとミートソースで和えたケチャップライスだけど上はガーリックライス。ガーリックライスだけ食べると味が付いてないみたいに感じるけどデミグラスソースと混ぜるとバランスが良くてたまらない。卵も一日十食限定だから自家製かな。丸い卵焼きを乗せただけなんだけど厚さが五ミリ位あるでしょ。あっ、これ第三位です。でも一位と二位を話すと長くなりますね」
楽しそうに話す蓮を見てやよいは〈話題を切り替えて良かった、この人が食べることが好きなんだな。〉と嬉しくなった。
「それで一位と二位は何なんですか。良かったら解説付きでお願いします。」
「構いませんよ。」
蓮はやよいの顔を見て言った。やよいの笑顔が氷山耕介と喋る時と同じ笑顔になっていて蓮は驚いた。やよいも食べることが好きなのだろうかと気になった。蓮は部活の後に女子高生たちが何を食べているのかをSNSに掲載してもいいかなと考えた。




