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被害者Xの献身〔2〕

 鈴木蓮の会社は〈くノ一〉が頻繁に出演するライブハウスにほど近い。当然、近くに弁当屋〈大森〉もある。蓮はほとんどの食事を大森の弁当で済ませていた。大森は一日のうちで二回目以降はご飯の大盛りが並と同じ値段になる。


 蓮の趣味はフィギュアの製作とコスプレイヤーの撮影だ。仕事はIT関係なのである程度は趣味と実益を兼ねている。蓮の勤務する会社はあまり大きくなく、取引先もそれなりの規模だ。IT操作の苦手な経営者がやっている中小企業が多い。実際、業務はホームページの作成や操作の説明とIT機器販売後のアフターで顧客の中に大森もあった。

 聡美が大森で働くようになった時、最初に気に止めたのが蓮だった。蓮は一日に二回から三回来る。

 蓮が大森のホームページを更新にやって来た時に聡美は蓮に声を掛けた。

「くノ一のライブにいつも来てくれてますよね。やっぱりやよいのファンなんですか。」

 聡美がパソコンを操作中の蓮に話し掛けると蓮は

「そんなことないよ。」

と答えた。

 やよいは蓮にとって自分の理想に最も近い女性で、当然やよい目当てに通っているのだがこの時はそう返事をしてしまった。

「それじゃあ、誰を推してるの。」

 聡美が尋ねると蓮は

「特に誰という訳ではないよ。くノ一が好きなんだ。」

とまた心にもない事を言った。

「それじゃあ、私のファンになってください。」

 聡美に言われて蓮は

「分かった。」

と簡単に答えた。

「 嬉しいな。」

 振り返ると満面の笑みを浮かべて蓮の目をじっと見つめる聡美がいた。

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