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被害者Xの献身〔1〕

 内広舞は 〈くノ一(くのいち)〉で一緒に活動していた握馬聡美を思い出していた。

 聡美には鈴木(れん)と言う熱烈なファンがいる。蓮のSNSは聡美中心の構成だ。聡美の方は選抜選挙の前になると枕営業を始める。噂が噂を呼んでファンの間では[馬鞍(まくら)ネルちゃん]と呼ばれていた。多い日は複数と枕をする。それでも蓮の一押しは聡美だった。

 くノ一のメンバーには聡美を悪魔聡美と呼ぶ者も多い。選抜選挙の開票で噂になった枕の数より得票数が少ないと〈あー、やっぱり。〉と陰口を叩かれても聡美はケロッとしていた。

 選挙の結果は毎回決まっている。一位はダントツで東郷やよい、舞と聡美は大差を付けられながらも二位争いだった。パントマイムの舞に対して聡美は三点サービスで勝負していた。胸の谷間と腰のクビレを見せ、太ももが(あらわ)な格好だった。

 聡美のアルバイト先は個人経営の弁当屋でくノ一が頻繁にライブやパフォーマンスをするライブハウス兼シアターから近い場所にあった。個人で経営する弁当屋を選んだのには理由があった。大手チェーンのコンビニは勤務時間帯の選択には事欠かなく、レッスンや打ち合わせを避けてシフトを入れるには都合が良いのだが店頭で露骨に自分をPRできない。しかも弁当屋のオーナーと息子が聡美のファンであることは好都合だった。そして何より弁当屋だ。聡美は食べる物には不自由しなかった。

 くノ一のメンバーや事情に詳しいファンは聡美の軽い性格を皮肉って弁当屋のオーナーを兄、息子を弟と呼び、蓮をパパと呼んでいた。

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