PR 谷底 作者: 汐 掲載日:2022/02/01 叫べど叫べど届かずに 濡らせど濡らせど潤わず 谷に流れる風はゆく 彼を知らずに風はゆく 淀んだほこりを漂わせ 霞んだ空気は底をゆく 足元流れる砂でさえ 今となっては麗しい それでも喉は潤わず 一人踏みしめ底をゆく 照らせど照らせど目に見えず 歩めど歩めど届かない 手に持つランタンの灯りでは 届かない世界を闇に見る あるか無いかの暗闇を どこまでも広がる暗闇を どこにでもある閉塞を どこにもない解放を 見えない闇に感じ取る 分からないままに感じ取る