試験
簡潔すぎたかな?って部分はあります笑笑
「何故ここなんだ...」
クロード達の顔を思い出す。
くっそ...嫌なこと思い出してる場合じゃねぇのに。
「ここで、何が起こるんだ」
もちろんここの構造はよく知っているが
試練と言われれば、妙なやはり少しは身構えてしまう。
『ロイ...聞こえるか?』
頭の中に知ってるいる声が響く。
ユイの声だ。
「ユイ?俺はどうすればいい?試練は?」
『そう慌てるな。試練はもう始まっておる』
「始まっていたとしてもなんにもおこんないぞ?」
『大丈夫じゃ、もうすぐ始まる』
そう、ユイが言った瞬間。
目の前にまだ見たくない顔が寄ってきた。
「...クロード」
取り巻きを3人つれ勝気な顔をしてよってきた。
その時、またユイの声が聞こえた。
『ロイ、私は見守ることは出来ますが
試験が本格的に始まってしまえば、私はあなたに声を届かせることさえ出来なくなるので今言っておきますね。
これは現実ではありません。追体験とでも考えた方がいいでしょう』
「ユイ、これが気持ちの持ちようってことか」
「そうです。どうか負けないで」
「あぁ、ありがとうな」
「うぬ、見守っております。我が主よ」
「任せとけ!」
俺はもう1回気合いを入れ直した。
「ロイくぅーん?今日は何をしに来たのかなぁ〜?」
現実じゃないって言うならそうだな。
仮クロードが憎たらしげな口調で言ってくる。
そーいえばこんなことも言われたなぁ...
「何って、クロード。勉強に決まっているだろ?」
俺は負けずと反論した。
「いや〜ロイ君が学ぶ事ってあるのかい?」
少し笑いを含めた言い方をしている。
後ろの取り巻きが「ククッ」と笑っている。
「あぁ、火焰は発現してないが戦闘などの技術は
学べるからな」
俺の中の最高の憎たらしげな態度をとってみた。
「ロイ君?お前...少し調子のってねぇか?」
「いや?のってないが?」
「いい加減にしろよ?この無能力者がぁ!」
と語気を上げ、ずかずかとこっちにすり寄ってくる。
クロードは自慢の自尊心がいつもいじめていた奴が火焰
反論してきたことに傷付いたのだろう。
見た事のないような怒気を含めた表情に
少し怯えてしまってる自分がいる。
「ロイ君?今、謝ればギリギリ許してることぐらいしてやるぞ?」
こっからは賭けだ。やるしかないよなぁ。
「はぁ、俺が何かしたか?何もやってないだろ」
「無能力者が調子乗るなよ?こっちは弱者をねじ伏せることが出来る力があるんだぞ」
クロードは火焰の焰を発現させ
俺を脅しにかかってるようだ。
「無能力者を脅すためだけに己の力を出すのか?
やっすい力だな?」
「ロイ君?俺は調子にのるなよって言ったよなぁ?
無能力者が!弱者がよぉ!」
クロードは火焰を発現させていた左の手で
火焰行使による《火炎》を発動した。
そして、俺に向かって打ち放った。
くっそ。仮想ぐらいクロードに一泡吹かせたかったなぁ。
「くっそぉぉぉおおぉぉぉおぉぉ!!」
その瞬間俺の目の前まで来ていた《火炎》が
霧散した。
そして、周りに冷気が満ちていた。
「こっ、これは...」
あの一瞬で何が起こったんだ...
しかも属性的にクロードが放った《火炎》を
霧散させるほどの冷気なんて。
「おっお前、なにを!何をしたッ!!」
クロードはひどく焦った様子で俺を指さして言ってくる。
「俺は...なにもしてないぞ」
「嘘つけ!じゃあそれはなんだ!」
それ?なにかをクロードは指さしたので
俺は辺りを見る。
すると周りに綺麗な白い光が舞っている。
「綺麗な光だ...誰かの能力か?」
不思議そうに思っていると
「お前!とぼけるのもいい加減にしろ!
その光はお前から出てるじゃねぇか!」
そう言われて俺はやっと気付いた。
その光たちは俺の足元から溢れ出していることに。
「これは...火焰?いや、俺に火焰因子は
無いはずだ。そうするとこれは...絶零か!」
そう呟いた瞬間。辺りが固まった。
いや、時が止まったというべきか。
クロードも取り巻きも俺以外の人が誰一人として
ピクリとも動かない。
「どうすれば...いいんだよ」
『ロイ!聞こえるか!』
ふとユイの声がまた聞こえた。
「ユイ!通じるのか!ユイ!」
『うむ、試練を突破したの!』
「...っ!ほんとか!」
だとしても条件気付けなかったが。
『ロイ、合格条件は過去に負けない気持ちというのが主じゃ』
「そうか、クロードに立ち向かったから俺はクリア出来たのか...あっ、そういえばユイ」
『ん、なんじゃ?』
「見てたんだろう?だった最後のは俺の力なのか?」
『見ておったよ。そうじゃ、本当ならば試練をクリアした
後に絶零因子を解禁する手筈なんじゃが
主は己の意思だけで絶零を解放したんじゃ』
「そうなのか、それほど意思が強かったのかな?」
『原因は完全には分からんがそれもあるかもしれんな
まぁ、とりあえず試験合格と絶零解放おめでとう主よ』
「ありがとうユイ」
『そしてそこから戻って来るか?』
そう言われて気づく。
仮クロード達が固まっている空間にまだいた事。
「当たり前だー」
『ちょっと待っててくれ』
「おう」
しばらくするとまた俺を中心として光が発生して
光に包まれた。
読んでいただいてありがとうございます