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月が綺麗ですね  作者: オリンポス
第1章 村上才介の憂鬱
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9.孤独な執筆作業

 なんて孤独な作業なんだ。

 才介はルーズリーフに物語を書きながらそう思った。


 サッカーをやっていた頃は、横を見ればいつも仲間がいた。自分と同じくらい苦しそうな表情をしているから、「おい、頑張れよ。あとすこしだろ!」と何度も励ましたのをよく覚えている。仲間がいると、それだけで勇気がもらえた。


 それに比べて、執筆作業はほとんど地獄の沙汰である。

 表現に詰まって周りを見渡してもだれもいない。自分ひとりでやるしかないのだ。

 そこには永遠に終わらないんじゃないかという、恐怖と絶望が潜んでいた。


「疲れたー」

 シャーペンを置いて手をブラブラさせる。電気スタンドがまばゆい光線を放っていた。

 左手でマグカップをつかむ。ココアをすすると心が和らいだ。


「ふうー」

 黙って読み返してみる。主観的な意見ではあるが、面白い!

 これならいけるはずだ。才介はそう確信した。そして書き出す。こんこんと夜は更けていく。

 明日はこれを完成させて、彼女に見せるつもりだ。彼女は喜んでくれるだろうか。

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