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15の夜に安全運転(クトゥルフ卓リプレイ)

作者: 衣谷面路

「TRPGやるかぁ↑?探索者!」

「はい!」

「はい!」

「はい!」

「キャラ名どうぞ」

「ジャックです」

将希まさきです」

秀秋ひであきです」

「では始めます」


 あなた方三人は友人で、よく一緒に出掛けるような仲です。

 皆さんが通う中学校には七不思議があります。

1.1年1組から笑い声が聞こえる。

2.技術室から機械の動く音がする。

3.音楽室でピアノが鳴っている。

4.夜の運動場の中心で光るものがある。

5.プールが赤く濁る

6.職員室で人では無い何かの声がする

7.夜の体育館の屋上で黒い何かが動いている。

 最近になってまた、この話題が盛り上がっている様です。

 ある夜、皆さんが外食した帰りに、見知らぬ人物が話しかけてきます。

 彼によると、どうやらあなたの通う中学校には隠された宝があるそうです。

 それを彼のライバルに盗られるよりも前に手にいれて、届けてほしいという依頼を受けました。

 そして今日、時刻は午前1時。正門で待ち合わせた皆さんが合流しました。


GM「何か正門でやることってありますか?ちなみに皆さんが持っているのは懐中電灯と鞄だけです」

秀「どこから行けとかって言われてる?」

GM「無いですね」

ジ「じゅあ七不思議の1つ目から行こうかな。1年1組に行きます」

GM「わかりました」

 1年1組に行くと、当然ながら鍵はしまっています。

 特に笑い声が聞こえてくることはありません。

GM「なにかすることは?」

将「鍵開けします」

GM「はい。あっ、失敗ですね」

ジ「は?」

秀「草」

将「うるせえ、殴れば解決や!」

GM「こぶしですか?」

将「はい、扉に付いている窓を割ります」

GM「成功です」

秀「ナイス」


 窓を割り、内側に手を伸ばして鍵を開け、三人は部屋に入った。

 特に変わったところは見当たらない、普通の教室という様子だ。

GM「目星振ってください」

三人「わかりました」

将・ジ「成功」

GM「では二人は、教壇に暗い色の布があるのを見つけます」

将「じゃあ触ります」

GM「触ると、何か硬いものが包まれているのを感じますね」

将「中を確認します」

GM「中には、鏡の破片が包まれています」

ジ「破片か、武器になりそ」

秀「戦闘狂かな?」

ジ「軍人の息子やから」

秀「偏見ヤバイな」

将「じゃあこれ持って教室を出ます」

GM「わかりました」

 三人は強盗紛いに入った教室を出ます。

 そのとき、割れた窓のガラスを踏み割る音と笑い声が聞こえます。

GM「どうしますか?」

秀「技術室まで逃げます」


 息も絶え絶え、七不思議の片鱗に触れた三人は、逃げるついでに技術室に向かいます。

GM「こっちも当然の如く、閉まってますね。窓もありません」

ジ「鍵開け成功しない限り無理やん」

将「七不思議の順番が悪いでしょこれ」

秀「これは初手職員室に行くべきやったな」

GM「どうしますか?」

将「まぁ鍵開けやろな」

GM「はい。成功ですね」

ジ「嘘ついてないか?」

GM「何しますか?」

秀「無視^~。まあ中に入ります」

 技術室に入ると、こちらも、普段の光景と変わるところはありません。

GM「目星振ってください」

秀・将「成功」

GM「では二人は、1つの作業台の上に、黒い何かを発見します。布ではないです。質感はこちらも硬いですね。丸い平面で、縁だけが少し盛り上がっています」

ジ「なんやろなぁ…」

秀「アイデア振ったら教えてくれません?」

GM「わかりました。三人で振りますね。あっ」

将「全員外したんか…」

ジ「リアルINT振るしかない」

秀「とりあえず、これ持っていこうか。あとやることもないし出ます」

 彼らが退室し、技術室の扉がしまると同時に、電気ノコギリが動き出す音がします。

秀「やっぱりぃ↑?逃げるしかないねぇ!音楽室にねぇ!」


 先ほどと同じように逃げてきた三人は音楽室に到着します。しかし、音楽室からは既に、ピアノの音が聞こえてきます。

ジ「やばくね?」

将「どうしよ」

秀「ノックするしかないやろなぁ…」

将「は?」

ジ「じゃあ4回します」

将「なんでぃ?」

ジ「トイレと間違えた体で」

秀「ほえ^~天才」

GM「ジャックが扉を叩くと、ピアノの音が途端に鳴り止みます」

将「鍵開けや!」

GM「その必要もなく、扉は開きます」

ジ「突入突入!突っ込め!」

 中に入ると、誰がいるというわけではありませんでした。しかし、ピアノは先ほどまで弾かれていた様子です。

将「音楽室の隣に準備室があったよな」

GM「ええ」

将「ここと直結してたよな」

GM「そうですね」

将「隊長!」

ジ「突撃や!」

秀「ただの押し入り強盗やんけ」

 準備室への扉にも鍵は掛かっておらず、難なく入ることに成功します。こちらの様子は、3人とも普段入らない場所なので、違いがあっても気付くことは無いでしょう。

秀「目星振ります」

GM「はい。成功ですね。特に気になるところは見つかりません」

将「入らなくて良かったのでは?」

ジ「お前が言うか?」

秀「音楽室に戻って目星します」

GM「はい。準備室から3人が移動し終わるってから物が当たる音が途端にしますが?」

将「気にせず音楽室に目星します」

GM「わかりました。ジャックだけが成功ですね。ピアノの下に黒い布を見つけます」

ジ「また黒い布か」

将「じゃあ中の破片を…」

GM「入ってませんよ」

秀「布だけ?」

GM「はい」

将「早めに次の行った方が良くない?」

秀「なんで?」

将「技術室までは七不思議は退室まで起こらなかったのに、今回は先やん。午前1時スタートってわざわざ言ってたし、そもそも依頼主のライバルより早くって言われてんねんから時間制限あるやろ」

秀「かしこ」

ジ「次運動場か、走って行こう」

 3人は足早に音楽室を去った。再びピアノの音が鳴ることはなかった。


 運動場につくと、暗い景色の中心に、小さな星のように光るものがあった。

ジ「走ってそこまで行きます。」

GM「ジャックが走っていくと、光は徐々に消えていき、あなたが追い付いたと思ったところで、完全に消えます。そして足元には、黒い布が落ちています」

将「次プールやっけ?」

秀「せやな、予想通りやとしたら急がんと」


 休まずに走り続け、3人はプールに着きます。

秀「プールに懐中電灯を向けます」

GM「全体ではありませんが、プールは赤く濁っていってますね」

ジ「目星」

GM「はい、成功です。まだ濁っていない部分に、反射して光るものが有りますね」

ジ「服をさっと脱いで飛び込みます」

GM「はい、成功です。ジャックは素早く飛び込み、破片を回収することが出来ました」

将「大事なところは上手くいくなぁ(疑心)」

秀「まあ、そこら辺もなんかありそうやけどな」

将「てかなんで脱いだんや」

ジ「服重くなったらDEXに下降掛かりそうじゃない?」

秀「考えてんなぁ…。俺も知的プレイングしたい」

将「次は職員室やな、距離あるけど急ごう」

 彼らがプールから去るとき、何かが水に飛び込む音がした。


将「職員室で、聞き耳します」

GM「成功です。何かが動く音がしますね」

ジ「行くか」

秀「扉を開けて中に入ります」

 3人が扉を開けると、そこには自分達の身長の半分ほどの大きさをした人ではない生物が2体、校長と教頭が二人いるのを確認できた。

GM「SANチェックです。1D2で振ってください」

秀「確定減少ってマジか…」

GM「義務教育の終わっていない心にはキツイので」

ジ「俺以外2減少か、大丈夫そうやな」

GM「戦闘開始です。皆さんは1D3ターンは動けません」

将「なんで?」

GM「走りすぎて体力消耗してるからですよ。はい、1ターンですね」

秀「やばくね?」

GM「生物1の攻撃、対象はジャックですね。攻撃は…外れました」

ジ「ラッキー」

GM「生物2の攻撃、対象は将希。攻撃は…こちらも外れですね。続いて、校長と教頭ですが、皆さんが職員室に入ってきた方と逆にいたので、近付くだけでターン終了です」

将「で、俺のターンか。こぶしで生物1を攻撃します」

GM「はい、成功です。ダメージは…2ですね。次はジャックのターンです。」

ジ「キックで生物1を攻撃します」

GM「はい、成功です。ダメージは…4です。生物1は苦しそうに顔を立てる歪めます」

秀「武器を探します。コンパスとか」

GM「目星は…成功ですね。机の中からコンパスを見つけます。では生物1のターン。攻撃は…あっ」

将「ファンブルやろうなぁ…」

GM「…。生物1が手に持った棍棒で殴りかかろうとしたとき、なにもないところで躓き、勢いのまま床に顔を打ちます。ダメージは…2…。生物1は動かなくなりました」

秀「ドジっ子やなぁ」

GM「続いて生物2の攻撃。対象はジャックです。攻撃は…外れました。最後に校長の攻撃です。対象はジャック。攻撃は…成功です」

ジ「回避します」

GM「はい、成功です。校長の攻撃をうまく躱せました」

将「教頭は?」

GM「何故か地面に倒れこんでいますね」

ジ「操られてんねんやろ」

将「なる。ならあとは生物2だけ殴ればええな。こぶしで」

GM「はい、失敗です」

ジ「キックで生物2や」

GM「はい、成功です。ダメージは、2ですね」

秀「コンパスを力一杯、生物2に投げつけます」

GM「はい、では下降補正-10で…」

秀「なんで?」

GM「まぁ、()()()なら…」

将「アホすぎやろ」

GM「失敗ですね」

ジ「無能すぎる」

GM「生物2の攻撃です。対象はジャック。攻撃は…失敗です。校長の攻撃、対象はジャック。攻撃は…成功です」

ジ「操られてる方が有能やんけ。回避で」

GM「失敗ですね。ダメージは…2です」

将「こぶしで2を」

GM「はい、あっ」

将「クリティカルか」

GM「二倍にします…。1D3で値は…2なので、ダメージは4です」

ジ「キックで2」

GM「はい、成功です。ダメージは5、生物2の体は後方へ飛んでいきます。立ち上がることはありませんね。同時に校長も倒れこみます。戦闘終了です」

秀「最後まで無能やった…」

将「次が最後か。体育館なぁ」

ジ「校長とかって調べた方が良くない?」

将「いや、時間が気になる。体育館にも敵いるやろうし、あんまり走ると良くないらしいしな」

秀「なら早歩きでいくか。その前に目星やな。黒い布探さないと」

GM「はい、将希が成功です。机の上に布に包まれた破片を見つけます」

将「そうや、黒い円形のやつに鏡の破片を乗せてみます」

GM「わかりました。上手く嵌まりますね」

秀「鏡の基盤的なやつやったんか」

ジ「不完全やけどしゃーないな。はよ体育館行こ」


 3人は体育館にたどり着きます

将「屋上か、梯子か何かないんかね」

GM「ありますよ。ただジャンプしてやっと届く高さに付いているので、STRで判定が入ります」

秀「今の時間は?」

GM「そうですね…。職員室で時計を見たということにしましょうか。そのときは5時でした」

ジ「やばくね?」

秀「6時までには出たいよな。下手したら他の教員とか来そう」

将「そもそも今の時間は夜中なのか…?とりあえず早く上ろう」

GM「では、STR判定ですね。将希だけ成功です」

ジ「俺はもう一回判定してくれ」

GM「わかりました。将希が上りきった辺りでまた判定します。秀秋は?」

秀「んー…。上らずに梯子の前で待機します」

ジ「え?」

秀「万が一なんかあったら下に一人いた方がいい感じする。戦闘出来る訳じゃ無いし」

ジ「なるほど、じゃあ俺だけ上るわ」

GM「わかりました。では、ジャックの判定を。成功ですね。ジャックは上手く梯子を掴み、上り始めるでしょう。次に上りきった将希の場面をしますね」


 将希が上りきったそこには、まだ暗い辺りの様子の中に、確かに黒い、蠢くものがありました。

GM「将希はSANチェックです。1D10です」

将「後半になって一気に削り始めたな…」

GM「値は…2です」

将「良かった」

GM「では場面を進めます」

 黒い影は、振り返ったようで、深い暗闇の中に先ほどまでは無かった、僅かに光る目を見つけます。こちらを睨み付け、低い呻き声を上げます。そして姿勢を深くしたかと思うと、一瞬にして距離を詰めて来ました。将希は足を後ろに伸ばそうと試みますが、体が思うように動きません。彼の左肩に掛けられた鞄に闇は手のように伸びてきます。そして、不完全な鏡を取ったかと思うと、学校の前の道路に走っていくようにして去っていきました。

GM「なにか行動は?」

将「動けんの?」

GM「はい」

将「じゃあ追いかけます」

 将希が影を追いかけると、既に遠い道路の先に行ったことが確認できます。

将「んー。まずは屋上から降りないといけないからなぁ追いかけても無理そう」

ジ「俺はそろそろ上りきったってことでいいか?」

GM「はい」

将「じゃあ事情を説明します。かくかくしかじか」

ジ「で、これからどうするよ。普通に学校から逃げるでいいのか?」

将「そうしよう」

GM「あなたたち二人がそんなことを言っているときです。突如爆発音が下からしました。秀秋の場面に移ります」


 突然のことだった。体育館の入り口前で二人を待っていた秀秋の目には、赤い光が飛び込んできた。校舎の二階で爆発が起きたのだ。その赤い火の中には、黒い何かが存在していた。

GM「どうしますか?」

秀「どうしよ…、あっ。体育館の近くに駐輪スペースあったよな」

GM「はい」

秀「そこに行きます」

GM「わかりました。駐輪スペースに来てなにかしますか?」

秀「鍵の掛かっていない自転車を探します」

GM「わかりました、目星は…成功です。」

秀「よっしゃ!自転車で爆走しながら、ジャックの家に向かいます」

ジ「は?」

秀「お前軍人の息子やったよな」

ジ「そうやけど…」

秀「それが理由や。ジャックの家のインターホンを中から人が出てくるまで押します」

GM「はい、中から寝起きの大柄な男性が出てきます。ジャックの父親ですね」

秀「詳細を話します」

GM「言いくるめと信用で判定します」

将「どっちも高すぎるやろこいつ」

GM「成功ですね、話は信じてもらえたようです」

ジ「それでどうすんねん」

秀「ヘリを要請します」

GM「…は?」

将「あかん、こいつ天才や」

GM「いや待ってくださいよ、そんな権限…」

ジ「あれ?GM俺のキャラシ見てないの?」

GM「えっ…?」

秀「そいつの親はなぁ!大佐なんや!」

GM「いやでも…」

秀「キャラシ通したよなぁ!?」

GM「うっ…」


 火が少しずつ大きくなり、学校を呑み込んでいく。その光景をジャックと将希は体育館の屋上から見ていた。逃げることが出来ないのだ。火の手が原因ではない。世にも奇妙な暗闇が、体育館の周りを囲み、二人の逃走を阻んでいる。ただ、黒いだけ、しかし確かな恐怖を感じさせる存在だった。

 どうしようかと思案を重ねていた二人の耳に、力強い音が空から入り込んできた。

 ヘリだ。それも、音に似合う巨体だ。それが近付いてきたかと思うと、ロープが垂れてきて、軍人とおぼしき人間が彼らに手を伸ばした。怪物はヘリの音に驚いたのか、校舎の方へ身を引いていった。


 ヘリでの救出の際撮影された怪物の姿は軍の中で問題となった。爆発でもなく、人の力でもない何かに破壊された中学校の校舎の件も踏まえ、ジャックの父は3人をアメリカに避難させることに決めた。


GM「シナリオ:七不思議と宝探し。アメリカENDです」

ジ「草」

将「最後で全部破壊されたな」

GM「ちなみになんですけど、あのあとは七不思議の原因だった学校に住まう妖精が助けてくれる予定だったんですよ」

秀「ファンタジーやなぁ(遠い目)」

ジ「人間との信頼関係が巨大な怪物を打ち破る。感動のシナリオだったなぁ」

将「これからシナリオするときは軍人の子どもにするわ」


 キャラシートは、ちゃんと見よう!

GMが何だかんだ柔軟だったおかげで出来た結末です。つまり、私は悪くありません。

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