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紅茶に砂糖をひとつ  作者: 由起
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旅行~ロンドンからウェールズへ

日本が舞台のときは「」が日本語、『』が英語、

イギリスが舞台のときは「」が英語、『』が日本語

と分けています。

みのりは毎日アーサーと食事を取り、楽しい時間を過ごすことが出来た。そして毎日大好きなミュージカルを観て幸せだった。


しかしそろそろ次の予定も考えないといけない。


「私はウェールズに行きます。リーズナブルなB&Bを探してみます。ウェールズの歴史的な建物を見たいので、どこを訪ねたらいいか、教えてください」


アーサーは自分の故郷を日本人が訪ねてくれることを喜んだ。


「うちに泊まればいいのに。部屋が沢山ある」

「でも…」

「城という程ではないが、かなり大きいと思う。僕は本館に住んでいるから、ドリンズ・コートを拠点にしたらいいんじゃないかな?」


?ドリンズ・コート?本館?何を意味しているのかさっぱりわからないみのりはきょとんとした。

アーサーは紙を出して簡単に敷地図を書いた。


「これが僕が住んでる屋敷。ここにドリンズ・コートという小さな家がある。ここに住めばいい」


広大な庭にドンと屋敷があり、ちょこんとその脇に家がある。貴族とはこういうものなのか…とみのりは驚いた。


「ここはお客様用なんだ。我々は友達になったんだから、気にせず使えばいいよ」


貴族のお屋敷に泊まる機会はそうないだろう。それに乗り気のアーサーにNOを何度か言ってみたが、結局みのりは断りきれずに押し切られた。


土曜日からウェールズに行くことになった。

みのりはただで泊めていただくのは申し訳ない…と三越で使用人向けに日本の御菓子を幾つか買い、アーサーへ感謝の意味を込めてモンブランのボールペンを購入した。


万年筆はピンキリで、貴族で裕福らしいアーサーに安いのを渡すのは憚られたのでボールペンにしたのだ。これで本来自分が支払うべきB&Bの代金位にはなるだろう。


アーサーは多分相当お金持ちだろうし、ただで泊めることには頓着しないかもしれない。でも自分はきちんとしよう、とみのりは思った。


アーサーがロンドンでの仕事を終えるのが土曜13時だったので、それから2人はアーサーの車でウェールズへ向かった。電車に乗ろうとみのりが言ったが、車があるからと押し切られた。


車は運転手付の立派な車だった。

さすが貴族だなぁ…とみのりは溜息をついた。


ウェールズへ着いたのは夜9時頃だった。

途中食事をレストランで取り、それから向かったこともある。


アーサーの屋敷は門から少し車で行ったところにあった。屋敷というよりは城に近かった。夜ながらもその広大さと華麗さにみのりは唖然とした。


「今日は遅いから一旦ここの客間に泊まり、明日からドリンズ・コートを使えばいいよ」


普通に振る舞うアーサーを見て、きっとパーティー等でお客様が来られる機会が多いだろうことが伺えた。別世界だとみのりは思った。


通された客間はみのりの実家のマンションの総面積より広かった。素晴らしい調度品、ふかふかの天蓋付のベッド。客間には大きなバスルームが付いている。


こういう経験はまず普通の人生ではしえないことだとみのりは感嘆し、こういう機会を与えてくれたアーサーに感謝した。


翌朝、初日から朝寝坊は失礼だろう…と律儀なみのりは7時に携帯電話のタイマーで起きて身支度を整えた。


しかし…朝ごはんとか飲み物とかはどうしたらいいんだろう…??とりあえず飲み物はペットボトルの残りがあるけれど…と部屋の中をうろうろしていたら、クローゼットの中に隠れるようにして冷蔵庫があった。その中には水等が置かれていたが、勝手に飲む訳にもいかない。


自分のペットボトルの水を飲み、みのりはカーテンを全開にして庭を見た。


広大な敷地。

整えられた庭。

綺麗に掃除された通路。


映画に出てくるような世界が目の前に開けていた。


丁度その時ドアがノックされた。


「はい?」

「入ってよろしいでしょうか?」

「はい!」


50代位のメイドが入ってきた。

朝食とお茶が乗ったワゴンを押して入って来た。


「朝食はお部屋でごゆっくりお召し上がりください。9時にドリンズ・コートへご案内致しますので、それまでお庭を散歩されるなど、ご自由にお過ごしください」


少々機械的ではあるが、客扱いに慣れているメイドはすぐに去ってしまった。


…御菓子を幾つか用意したけど…どのタイミングでどなたにお渡ししたらいいのかしら…こんな大きなお城だったらもう少し沢山用意しておけば良かったかも…とみのりは困惑した。


リビングニーズ同好会の筆が止まり、一気にこちらを書き上げそうです。

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