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紅茶に砂糖をひとつ  作者: 由起
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旅行~ロンドン①

学園ものを書いている途中で急にまた恋愛ものを書きたくなりました。


日本が舞台のときは「」が日本語、『』が英語、

イギリスが舞台のときは「」が英語、『』が日本語

と分けています。

「いってきま~す」


みのりは小さなスーツケースを引いて家を出た。


夫とはかなり前…27歳の時に結婚している。もう37歳…10年が経とうとしていた。


子供は望んだけど出来なかった。原因は夫側にあり、検査の結果みのりには何も不具合はなかった。むしろ医師に素晴らしい身体だと誉めて貰える程だった。子供が欲しかったみのりは泣いて泣いて諦めた。夫が唯一の手段であった顕微授精を拒否したからだ。


30歳手前の不妊判明から5年以上経過し、やっと子供に対して諦めの境地に来ることが出来た。


夫の亮一とは仲はいい。子供が居ないので、お互い平日は仕事を頑張り、土日は仕事をしたり一緒に買い物に出たりした。


今日から2週間、みのりは休暇を取ることが出来たが、亮一は仕事の関係で取れなかった。共働きで余裕もあるため、みのりは2週間海外旅行をすることにした。


海外一人旅。亮一からは「治安のいいところ」をお願いされただけ。ミュージカルやオペラ、バレエが大好きなみのりはイギリスを選んだ。


真っ直ぐさらさらの肩甲骨より少し下の長さの黒髪を揺らした37歳のみのりは見た目30過ぎにしか見えなかった。生まれつき二重で丸くて大きな目、丸顔で色白で、ものすごく華奢というほどではないが、平均身長より少し高い身長ながらも50kg無かった。


みのり自身は二重の目には満足していたけれど、もう少し身長が欲しかったし、丸顔でなくて卵形になりたかったし、食べても太らない華奢な身体になりたかったのだが、無い物ねだりは仕方がない。


夫は先に出勤していて、鍵を掛けて出掛けた。


1人で出掛けるので、格安航空券利用とB&B利用である。また基本ロンドンだが、それ以外にもスコットランドかウェールズにも行こうと思って、B&Bは全部の期間の予約をしていなかった。


何せ閑散期の11月である。何かの会合でも開催されないことには空室が無いことはない。


こう書くとみのりの英語力はすごいのかと思えるが、実際は中学英語に毛の生えた程度で、度胸と短文の羅列でなんとかする…というところである。


「英語苦手なんだよね…」と国内関係の仕事ばかりやってきたみのりは呟いた。世界中が日本語を喋ってくれないかしら、と心底思った。


とはいえ現実世界の共通語たるや英語が主である。


ロンドンに着いたら夜だったが、治安の良い地域のB&Bを予約をしたので、普通に地下鉄で移動して徒歩でB&Bを探してチェックインした。


翌日みのりはB&Bの朝食を食べ、街へくり出した。


まずすべきことはミュージカルのチケットを手に入れることである。ネットで購入するにも休暇を取れるのが直前になってから決定したため、いい席が無かった。なので当日券狙いで劇場へ出向いた。


ハーマジェスティー等複数の劇場を回り、事前に調べておいた昼と夜の公演を組み合わせて入手していった。4枚のチケットを買ったときには昼過ぎになっていた。


(食事が一番一人で辛いかも…)


見た目おとなしそうなみのりだが、兄と弟に挟まれて育った為に実は男っぽいところが多々あり、お一人様でラーメンなんかは全く気にせずに男並みのスピードで食べるが、異国のお一人様向けではないレストランでは居づらいなぁ…と感じた。


(誰かと一緒に食べられたらいいんだけどなぁ)


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