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にー♪ 【第6話】( 最終話)思い出

ニイガッタ県ニイガッタ市わんにゃい町にある商業施設『わんにゃいシテイ』。

その中心には『れいんぼーツリー』と呼ばれる展望塔がある。

長い間ニイガッタ市民に愛され、街のシンボルでもあったこの塔は、老朽化及びわんにゃいシテイの再開発のため、取り壊すことが決まったのであった。

そして8月の終わり。れいんぼーツリーの解体工事が始まった。


ぽん博士「いよいよ解体始まっちゃたな。なんだか寂しいねえ。。この前の日曜日、記念に写真撮っている人がけっこういたな~」


かえぽ助手「ニイガッタ市のシンボルみたいなものでしたよね。私ももう一回くらい乗りたかったです」


なおたん「どうしてみんなが大好きなものなのに壊しちゃうのー?」


ぽん博士「地震で崩れたりしたら危ないからね。それとね、なおたん。建物も人間と同じで寿命というものがある。いつかは終わるときが来るのだ」


なおたん「ふーん。そうなのかー♪」


ぽん博士「だけどね、れいんぼーツリーが完全に無くなってしまっても、心の中でれいんぼーツリーはいつまでも残っているよ。大切な思い出となってな」


なおたん「ポンチャ、、ウマイコト、イッタツモリカ」


ぽん博士「何で急にマシンボイスでdisるんだ。ロボットかいっ!」


かえぽ助手「ロボットですね」


ぽん博士「あー、、ちょっと、なおたんにはわかりにくかったかな?。。要するに、、」


なおたん「ポンキーの散歩に行ってくるねー♪」


 たたたたたっ!


ぽん博士「こら~~!話を最後まで聞かんか~~!、、それとぽんちゃではないっ!ぽん博士だっーー!!」


ぽん博士の言葉を『聴こえてないフリ』をして、ポンキーの散歩に出るなおたん。


ぽん博士「まーったく。。」


かえぽ助手「博士。なおたんには『思い出』っていう感覚はわかりますかねえ?」


ぽん博士「んー、、そうだなあ。。過去の出来事はある程度はメモリーには記憶されているだろうけどねえ。。だけどそれは思い出と言えるものかどうか。。」



わんにゃいシテイの方へポンキーを散歩させるなおたん。れいんぼーツリーの解体工事は始まったばかりだったので、まだ原型は完全に残っていた。

れいんぼーツリーを指差してポンキーに話かけるなおたん。


なおたん「ねー、ポンキー。あのれいんぼーツリー、壊しちゃうんだってー。\モッタイナーイ!/だねー♪」


ポンキー「ワン♪」


なおたん「あー!そうだ、ポンキー!れいんぼーつりーをバックにお写真撮ってあげるよー♪ はいそこで止まってー!そのまま、そのパパー♪ 撮るよー!。。はい坊~主♪」


ポンキー「ワン♪」


 カシャッ!


左目でウインクをするなおたん。実はなおたんの目にはデジタルカメラが内蔵されている。


なおたん「少しずつ分解していくんだねー!、、最後は全部無くなっちゃうのかなー?。。無くなったら今度は『思い出』っていうのになっちゃうんだってー!。。そうかー、、無くなっちゃうのかー、、そうかー。。」


なおたんはそのまま数分間、解体工事中のれいんぼーツリーを眺めていた。



夕方になり、ポンキーの散歩から帰ってきた、なおたん。


なおたん「ただーいマシン子ちゃーん♪」


ぽん博士「はいよ。おかえりー」


かえぽ助手「おかえり。なおたん」


なおたん「あー!あー!あー!ねー!ねー!ねー!ぱおんちゃー!ねー!!」


ぽん博士「ぱおんちゃってなんじゃ!ぽんちゃだっ!!」


かえぽ助手「ぽんちゃでイイんですか?」


ぽん博士「あ!違う!ぽん博士だ!、、それで、なんだね?騒々しいなー」


なおたん「私の寿命ってどのくらいなのー?」


ぽん博士「へ?、、また唐突にそんな質問を。。えーとだな、計算上では約300年だな」


かえぽ助手「そんなに長いんですかっ!?」


ぽん博士「コンピュータが叩き出した数字ではね。もっとも私らはもうその頃は生きていないから確認出来んけどね!わはははは!」


なおたん「あれー?ぽんちゃはそこまで生きてないのー?、、でもでも、かえぽは1000年くらい生きられるんだよねー♪」


かえぽ助手「あのー、なおたんさん。もしかして私のことを人間だと思っていらっしゃらない?」


ぽん博士「あのな、なおたん。私もかえぽ君もたとえこれからもずっと健康だったとしても、100歳前後で命が尽きる。。と、思う。多分!」


なおたん「ふーん。そうなのかー。」


かえぽ助手「スゴイねえ!なおたん!300年も生きられるんだって!」


なおたん「あのねー、私もぽんちゃとかえぽとおんなじでイイよー♪」


ぽん博士「ん?なおたんはそのほうがイイのか?」


なおたん「私より先にいなくなっちゃうと私の『思い出』になっちゃうんだよねー!、、私、ぽんちゃとかえぽは思い出にならなくてイイからねー♪」


かえぽ助手「なおたん。。」


なおたん「だからねー、ぽんちゃー、かえぽー。ずっとずっと一緒に居てねー。私の思い出にならないでねー!約束だよー♪」


-END-

『ロボットなおたん・にー♪』は今回で最終話となります。短い期間でしたが今まで読んでもらいまして本当にありがとうございました。

 Nau

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