番外編、とある村での出来事
この番外編は、何話かに渡って書きますのでしばらく本編は出ないかもです。
そして、相変わらずの長さ...。
本編もこれくらいの長さ書きたい…。
いきなりだが、朝起きると見知らぬ土地に来ていたらどうするだろうか。
ちょっとだけ考えてみて欲しい。
俺の場合だが、俺はこのアビーロードという土地に来ているだけで見知らぬ土地に来ていることになるのだがそれでも尚、知らない場所に来たらどうだろう。
俺は今そういう状況に立たされている。
周りにあるのは木と苔むした石のみ。
人気は全くなく生物が住んでいる形跡すら見当たらない。
そんな場所にただ1人ポツンと寝っ転がっている。
「また知らない何処かよ。」
[神眼]でステータスを確認したところ、異常は見当たらない。
つまりは、何か起きても対処位は出来る。
ここで立ち尽くしても仕方ないから探索することにした。
出口どころかここがどこなのかすら分からない。
探索すると言ってもただ木から木へ飛び移るだけ。
歩くよりは断然早い。
しばらく移動していると人の姿が見えた。
近くの木から様子を伺う。
(山菜集めか?)
その人物は麦わら帽子を深く被っているため顔は分からない、体型から辛うじて女の子だということがわかる程度。
さっきから地面を探ってなにかを探している。
すると、モンスターの遠吠えが聞こえた。
声からしてバーンウルフだろう。
一定以上体力が減ると発火する割と面倒臭いモンスターだ。
しかも、こんな森の中で燃えられたら火事になる。
まぁ、そうなったら青属性の魔法で消火するけど。
バーンウルフがいるであろう方向から目を少女に戻すとモンスターに囲まれていた。
いつ囲まれたのだろうか。
さっきまで何事もなく山菜集めに精を出していたのにちょっと目を話した隙にモンスターに囲まれていた。
しかも、防衛手段も攻撃手段も持たない彼女はモンスターの囲みの中でふるふると震えていた。
(モンスター避けの道具位は持っとけよ…。)
冒険者では無い人達が使う、モンスター避けの道具が存在する。
金額も銅貨5枚とそんなに高い訳ではない。
仕方ないので助ける。
木から木へ飛び移ってモンスターの中心に立つ。
数は3体。
こんなの駆け出し冒険者でも相手出来る。
俺はその場で数回回転した。
たったそれだけでバーンウルフは倒れた。
下手に体力を残すと発火されるので一撃で倒すか気絶させるのがベストな倒し方だ。
「大丈夫か?」
近くでぺたっと座っていた少女に声をかける。
「あ、ありがとございます。」
「どうして1人でこんなところに?」
「えっと、薬草を取りに...。」
少女が持つバケットにはセシルがよく使っている薬草が詰められていた。
「薬師でも目指してるのか?」
「いえ、私にはそんな知識はないです…。」
「じゃあ、なんで?」
「この近くに村があるんですけど、立地的に近くに大きな街などもなく病気にかかってしまうと治すのに費用がかかってしまうんです。けど、私たちは普段物々交換で事を済ますので硬貨という概念がありません。だから、こうしてお金がかからないように薬草なんかを村で集めてもしもの時に備えてるんです。」
なるほどね。辺境の村なんかがやる方法だ。
俺も何度かクエストの途中で見つけたことがある。
そん時はたまたま魔法適性が高い子がいたので[リフレッシュ]の魔法と光属性の魔法を覚えさせて終わったが今出会った彼女には魔法適性がない。
村に行けばもしかしたらいるかもしれないな。
「もし、良かったらなんだが君たちの村に邪魔してもいいか?」
「構いませんよ。助けてもらったお礼もしたいので是非来てください。」
ということで村に移動した。
途中かなりモンスターの襲撃にあったが全て瞬殺した。
そんなに強くないしただ数が多いだけの作業でしかないから途中から青属性の魔法だけで対処するようになった。
モンスターが落とした素材は全て村に寄付をした。
「そう言えば、君の名前を教えてもらってなかった。」
「そういえばそうですね、では、私から。」
「私はアナと申します。辺境の村の村娘です。」
「俺はナイト。冒険者だ。」
アナは茶髪の髪を後ろで2つに結んで編んでいる。
顔には薄いそばかすがあり田舎の子という印象を受けた。
「アナの村ってどんくらいの規模なんだ?」
「そんなに大きくないですよ?ほんとにどこにでもある村です。」
そんなことを話している内に村に到着した。
アナの言うことは本当で大きすぎず小さすぎず管理するには丁度いい村だった。
木々に囲まれている村には家が6件程真ん中に立っていてその周りに食品の店などが立ち並ぶ円形の村だった。
自分の家を出て村を1周すれば全ての店を回れる効率のいい村だ。
「ここが私の家です。狭いですがどうぞ中へ。」
アナの家は6つある家の真ん中。
看板には、『アナ素材店』とあった。
「アナは店をやってるのか。」
「はい。小さいですけどモンスターの素材なんかを取り扱ってます。」
「けど、小さいのばっかだな。」
「すいません、私は戦闘が得意ではないのでモンスター同士の争いに負けたモンスターの素材を取ってきてるに過ぎないんです。本業の冒険者さんからしたら意地汚いのかもしれないです。」
そこんとこはどうか分からないけど俺的には頭のいい方法だと思うがね。
「ほかの連中は知らんが俺はいいと思うぞ。例え生きる為だとしても生きるために命を散らす真似をしちゃ本末転倒だ。命あっての生活だ。」
「そう言って頂けると幸いです。」
俺とアナが話していると村の人が来店して来た。
「お!アナちゃん。恋人出来たのかい?」
入ってきたのは見た目30代の元気なおばちゃんだった。
「メリアさん!違います!この人は私の恩人です!」
「隠さなくてもいいんだよ。うーん。ちょっとヒョロイけどいい男じゃないか。」
「だから!違いますって!」
必死に否定するアナと全く話を聞かないおばちゃん。
見てるとコントみたいで面白い。
「まぁまぁ、マラの皮をもらおうかな。」
「マラの皮なんかなにに使うんだ?」
マラとは、森林地帯に住む羊のことを指すのだが、皮は柔らかく防具にも向かない、道具にも向かないで使う人は少ない。
「マラの皮で手袋だとか帽子を作るんだよ。そんなに丈夫じゃない方が加工しやすいだろ?」
「なるほどね。」
「あんたは使わないのかい?」
「俺は冒険者だし、防具は付けないからな。あんまり使わないな。」
「ほーん。冒険者なのかい。ランクは?」
「一応、A。」
「ほんとかい!凄いね。Aランクなんてこの村にはいないよ!」
まぁ、辺境の村だからなランクを図りに行くのだって一苦労だ。
「はい。メリアさん。マラの皮2枚。」
「はい。ありがとう。ホーンラビットの肉でいいかい?」
「はい。ありがとうございます。」
ほんとに物々交換なんだな。
「恋人同士仲良くやんなよ!」
最後にメリアさんは爆弾を置いて店を出て行った。
「ごめんなさい。メリアさんっていつもああなの。」
「なんというか…元気な人だな。」
「あれでももう60後半なんだけどね。」
マジか。元気すぎだろ。
「ナイトさんはまだこの村にいますか?」
「迷惑じゃなきゃいるつもり。」
帰る方法分からないし。
「じゃあ、この2階の部屋を使ってください。」
「アナの部屋は?」
「その隣です。」
「分かった。んじゃ、俺はこの辺でモンスターでも狩ってくる。それをこの店の商品としてくれ。」
「え、いいんですか?」
「しばらく居座るつもりだからそれの前払いとでも思ってくれ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
この村での生活が始まった。
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