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番外編 メアとのデート

メアの突発的な思いつきで王都をデートすることになった。


メアはブロンドの髪を両側で三つ編みにしており服装も、ヨレヨレのグレーのシャツに茶色のロングスカート。

伊達メガネまで付けている。


どこからどう見ても普通の街娘。


「ナイトも着替えましょう。ナイトは有名人ですから目立ちます。」


そう言って俺が着せられたのは白いシャツに茶色のベスト、下は黒いズボンのままだ。

頭にはカウボーイハット、伊達メガネをしている。


「これでもうバレないでしょう。」

「まぁ、これだけ変装したんだ。普通は分からないだろ。」

「ナイトは何着ても似合うから羨ましいです。」


いやいや、俺だってピンクとか黄色とかパステルカラーは似合わないぞ?

そんな色着たこともないが...。


「それでは行きましょうか。」


俺とメアは王都に繰り出した。


まずは、普通に王城から真っ直ぐ向かう道、メインストリートを2人で歩く。


メアはあまり歩いたことがないのか無駄にキョロキョロしている。


「そんなに珍しいか?」

「そうですね、いつも王都の様子はお城からでも見えるのですが、実際に歩いたことはないですね。」

「よくそんな女王とかいう自由を縛られる仕事出来るな。」


「女王は王家に生まれた者の義務であり、誇りなんです。今まで1回も辞めたいと思ったことはありませんし、永遠に思わないでしょう。」


そんなもんかね。生憎俺は王にはなったことはない。もし、俺が王になったらほぼ放任になるだろう。


税制は廃止、徴兵制も廃止となるだろう。

その方が明らかに楽だ。


「それに...女王だったからこそナイトに出会えたと思っています。その出会いを女王をやっていたからだと思うのはいけないことでしょうか?」

「...自分で言うのもなんだが、出会いの瞬間をどう思うかなんて人それぞれだ。メアがそうお思うならいいと思うぞ。」


メインストリートで聞くことじゃないな。

お互いに顔が赤くなってまともに顔を見れない。


「メアは、今回の召喚獣が暴れた件をどう思っている?」

「ナイト。今はデート中です。仕事の話はまた後でにしてください。」

「わ、悪い。」


俺がそういうとメアは頬をぷっくり膨らましてそっぽを向いてしまった。


そのまま俺達は屋台が並ぶ屋台街にとおりかかった。


「ナイト、あれはなんですか?」

「あぁ、串焼きのことか?」

「串焼きとはなんですか?」

「え?食ったことないのか?」

「はい。食事はいつも王城専任のシェフが作っていますから王都で売られているような食べ物は食卓には出ないのです。」


メアが一国の女王と思い知らされる瞬間だな。

いつもは子供っぽいところもあるがこういうところを見るとお姫様なんだなと思う。


「ナイト?なにか失礼なこと考えてませんか?」

「ソンナコトナイヨ。」


「それより、串焼きが食べたいんだろ?」

「はい。しかし、金額がわかりません。」

「?銅貨2枚だろ?」


串焼きは大きさはあるのに安いという主婦の助けとなっている。

一品足りない時は取り敢えず串焼きを出しておけばいいとこの前どっかの主婦たちが話しているところを聞いたな。


「銅貨は持ってないです。」

「いったいなに持ってきたんだよ。」

「ミスリル貨です。」


メアは消え入りそうなほど小さな声で言った。


「ミスリル貨って。王都でそんな硬貨持ってるのメアだけだろ。変装した意味ねぇ。」

「すいません。」

「まぁ、今回は俺がもつ。」

「いえ、それは悪いです。」


いきなり遊びに行くから付き合えと連れ出すのは悪いと思わないのに?


「いいよ。デートでは男が払うのが常識だ。」

「そうなのですか?」


まぁ、払わない奴もいるだろうが今回はそういうことでもいいだろう。


「そうだとも。」

「では、ご馳走になります。」


俺は屋台のおっちゃんに注文した。


「グラン牛の串焼きとベーコンの串焼きを頼む。」

「あいよ。なんだ兄ちゃん。恋人さんとお出かけかい?」

「まぁそんなところだ。」

「若いね。大事にしてやんなよ。あんな女王陛下似のべっぴんさん中々いないぞ。」


女王本人だからな似てて当然だ。


「わかってるさ。大事にする。」

「はい。グラン牛とベーコン。おまけしといたからまたお出かけの時は来てくれよな。」

「ありがと。」


俺は屋台のおっちゃんから串焼きを受け取ってメアのところに戻った。



「なんのお話をしていたんですか?」

「俺の恋人は女王に似て綺麗だって。」

「褒めてもなにも出ませんよ。」


メアは顔を真っ赤にして俺をバシバシ叩く。


「こういう食べ歩きというのもいいですね。」

「行儀悪いけどな。」


それでも、今日くらいはいいか。

メアに息抜きになれば俺はそれでいい。


それからメアは王都満喫していた。


「やっぱり、来て正解でした。こんなにも楽しいとは予想外です。」

「普段触れられないことがあって楽しかったです。」

「それはよかったな。」


俺が空を見ると空はすっかり暗くなっていた。


「もう戻ったほうがいいんじゃないか?」


今回は秘密裏に抜け出してきているためそろそろ戻らないと俺が怒られる。

リーネに。


俺とメアはゲートでメアの部屋にとんだ。


「今日はありがとうございました。」

「いや、俺も楽しかった。ありがとう。」


「ナイト。」


王城のメアの部屋。

誰もいない部屋で俺とメアの影は月明かりに照らされて影はつながっていた。


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