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70話 変態とイチャイチャ

「こんにちは、ナイトさま。今日もパンツは白いです。」

「あはは。お前は、変態にならないと機能でも停止するのか?」

「そうだとしたら、言っててもいいですか?」

「ダメ。2度と言うな。」


毎回、ミミとかシェリーに聞かれると俺が怒られるんだよ。


「そうですか...では、今度は黒いパンツを履いてきます。」

「意味が分からない。」

「シロ黒でナイトさまと同じ。」

「やめろ!てか、黒白(コハク)って他の奴らが勝手に付けた通り名だから。」


なんでこいつは、俺にセクハラをしてくるのか…。


「反応が可愛いからです。」

「黙れ。2度と口を開くな。」

『口を開かなくても喋れます。』

「仕方ない。壊すか。」


俺は、右手に黒い電気を流した。


「申し訳ございません。2度としませんのでどうかご慈悲を。」

「分かればよろしい。」


まったく。なんで俺はシロ(変態)と漫才しなきゃ行けないんだ。


「お詫びに明日はナイトさまと同じ色のパンツを履いてきます。」

「駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・」


ダメだこいつ全然理解してない。

こいつの思考回路はどうなっているのか。


「あ、ナイト。またセクハラしてる。」

「いや、俺は別になんもしてないぞ。」

「まぁ、別にいいわ。そういえばナイト。あのクエストなんだけどまた行かない?」

「あぁ、そういえばクリアしてなかったよな。」

「うん。だから、また行かない?違約金とかめんどくさいでしょ?」


確かに最近、カスピエル、クザフォン、ワーヤックの捜索であまり仲間との連絡を取れていない。

俺が帰ってくるとカトレアがなにがあったとか報告してくれるのだが何をしてるかわ分からない。


「最近、一緒にしてなかったから行くか。」

「よし。じゃあ!行こ!」


俺達は、サーヤを見つけた遺跡にまた潜った。


「この辺よね。サーヤを見つけたの。」

「あぁ、この血溜まり跡は多分そうだろ。」


時間が経って乾いているが血の跡がある。


「サーヤ。ずっと落ち込んでるみたい。」

「そりゃ、仲間だと思っていた奴らから裏切られたんだ。傷は深いだろ。」

「ナイトは私たちを裏切ったりしないわよね。」


「あ?何言ってんの?裏切るわけないだろ。」


シェリー達を裏切ったところで何にも得は無い。

そして、得があったとしても絶対に裏切らない。


結婚した嫁を自ら殺すとか頭イかれてるだろ。


「シェリー。前見てみ。」


さっきから俺の顔ばかり見ていて碌に前を見てなかったシェリーに前を見るように促す。


「え?き、きゃーーーーー!」

「おふ。」


シェリーが俺の頭を抱きしめてきてシェリーの柔らかいものが顔を覆う。


「大丈夫だって。こいつはいるだけの脅かし要素。攻撃はしてこないから。」


俺達の前にいるのは白装束を着たバンシー系のモンスター。

モンスターといっても攻撃はしてこないし相手が出す要求を達成することが出来ればレアアイテムをドロップするご褒美モンスターだ。


例え達成出来なくてもただ消えるだけ。

実に無害。



「無害でも見た目が怖いの!」


無害なのに怖がられるモンスター可哀想。


「お前の言い分はなんだ?」

(お腹空いた。なんでもいいから食べさせて。)


ふむ。食料を要求する奴だったか。


「これで足りるか?」


俺は《無限収納》からミミが作った料理を出した。


(ありがとう。お礼にこれをあげる。)


モンスターからは、赤褐色のインゴットがドロップした。


あ、これ、Sランククエストの報酬でかなりレアものだと他の冒険者が言ってたな。


この手のご褒美モンスターは、達成した時の質によって報酬が変わることがある。


ミミの料理は絶品だからなレアものを貰えるのも当然か。


「大丈夫?もういない?」


未だにシェリーは俺の胸に顔を埋めて目をぎゅっと瞑っている。


めちゃくちゃ可愛い。


シェリーと会った時期の俺にこの光景を見せてみたい。


絶対信じないがな。


「もういないよ。攻撃しないんだから、その辺の石とでも思ってればいいのに。」

「そんな無神経さが欲しいわよ。」


ん?それって俺が無神経って言ってる?

失礼な、殺気には敏感だ。


そんなことを話してるうちに大分奥まで来た。


「ここって何層まであるの?」

「大体、60層。けど、今回は40層まで行けばクリアだから、そうなに苦戦することはないと思うぞ。」


「ナイトが苦戦すらなら誰もあのクエストクリアできないわね。」


自信満々に言うシェリー。


こうしてシェリーと雑談しながら探索するのも楽しい。


最初に出会った頃はいきなり喧嘩売られて「なんだこいつ」って思ったけど、その後の鉱山探索クエストでシェリーの可愛い一面を見れた。


その時に可愛いと思ってしまった。


まだこの世界に来たばかりでミミとも出会ってまだ間もなかったし俺が誰かと一緒にクエストをやるなんてことは、前の世界では考えられなかった。


それを、半強制的に一緒にクエストをやるようにしたのはシェリーだ。


ミミにはシェリー程の豪快さはない。

今のミミとかシェリーだけじゃなくシアやカトレア達との関係を築けたのもシェリーのおかげなのかもしれない。


「ナイト?ちゃんと聞いてる?」

「あ、悪い。聞いてなかった。」

「もう。ちゃんと聞いててよ。」


こんな会話が出来るなんて出会った当時の俺は考えもしなかっただろう。


「このクエストの達成条件ってなに?」

「えっとなんだっけ?」


俺はクエストの紙を今一度見た。


「はぁ?なんだこれ。」

「どうしたの?」


そこにはかなり限定的なことが書かれていた。


『遺跡の探索』

達成条件

・40層を超える

・ホーンラビットの角×5本の納品

・40層に自生する、フェアリーラックの採集


ここまでは普通のクエスト内容。

しかし、問題は次の文にあった。


・40層に到達時、愛を誓う


正直意味が分からない。

愛を誓ったという証拠はどうするのか。


この紙に録音機能でもあるのだろうか。


「ねぇ、これってお互いに告白しろってこと?」

「内容からしてそうだろ。シアめ。めんどくさいクエスト持ってきやがって。」

「ナイトは私に告白するの嫌なの?」

「そんなわけないだろ。好きでもない奴と結婚するほど俺は飢えてない。」

「う、うん。そっか。」


自分で言っててなんだが、顔を赤くしないでほしい。

こっちまで赤くなってくる。


そして、40層。

フロアボスを瞬殺して50層に下がる階段前に少し広い広場的な場所があった。


フェアリーラックもそこに自生しており回復効果を持つとされている。


フェアリーラックと一般的な回復薬と組み合わせることで俺のリバイブと同じ効果が出ることが分かっている。

しかし、効果の効き目は人それぞれで、出たとしても薄いためあまり市場には出回らない。


...ココにやらせてみるか。

ココの[調合]スキルで品質が上がるか。


と、現実逃避はここまでにしておこう。


シェリーがこっちを上目遣いで見てくる。


元々そんなに身長が高い訳では無いシェリーだが今回ばかりはドキドキが止まらない。


「ナイト。優しくね。」

「勘違いするからその言い方はやめろ。」

「え?」

「え?」

「ここ、遺跡で誰も来ないのよ?ナイトは告白してはいお終いでいいの?」


シェリーの言いたいことは大体わかる。

これでも伊達に女の子に囲まれている訳では無い。


「シェリー。大好きだ。これからもよろしいな。」


シェリーがなにか言う前に俺はシェリーの口を塞いだ。


んちゅ。


いやらしい音が遺跡内で響き渡る。


「ナイト。激しすぎ。」

「悪い。したくなったからした。」

「別にいいわよ。」


それからしばらくシェリーとイチャイチャして家に帰った。

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