62話 戦力と捜索
ミミとイチャイチャした後、俺はいつものようにリビングに向かった。
「あ、ナイト。おはよう。」
「ご主人、おはよう。」
「おはようございます。ナイトさん。」
「おはようございます。ご主人様。」
「おはよう。主。」
「みんなおはよう。」
いつも通りの日常。
朝起きてからリビングに向かい、仲間と朝の挨拶を交わす。
それが、この世界に来てからの俺の日課となっていた。
しかし、一つだけ違う点がある。
場所だ。
いつもなら自分の家のはずだが今回は違う。
幽霊屋敷を探索していた俺達は2軒目にしてイリスの姉、サキに出会った。
その後まぁ、色々あり今はサキの屋敷に泊まっている。
「ねぇ、ナイト。昨日の話私には少し難しかったみたいなの、だからもう一度説明してくれる?」
「簡潔に言うと、ミミと俺はシーラから能力、スキルを受け継いでいて、シーラからスキルを受け継いだミミを神々はほっとかないからミミが危ない。」
「んー。まぁ、何となく分かったわ。」
「けど、ミミさんにどんなスキルが継承されたんですか?」
[寵愛]は対象単体の状態異常を無効化。
[慈悲]は仲間と認識している者達の即死を防ぐもの。
[慈愛]は仲間全員の体力を常に回復するもの。
「結構、ナイトに負けないくらいずるいわね。」
「スキルだけで言ったらミミさんの方が強力かも知れませんよ?」
なんで、スキル、能力を比べるのに俺を出すのだろうか?
イリスだっているのに。
「あ、でも、神がそんなにいるものなの?」
「いや、そんなにはいないだろう。」
「神共が住む神界は魔力が濃いんだ。それに比べ地上は尋常じゃないほど薄い。だから、神共からすれば地上なんて毒素が充満している世界でしかない。」
「それは、安全なのではないか?」
「この前あっただろ?神に。」
「ご主人様を付けてきた者のことでしょうか?」
「アレみたいな、上位の神は地上でも活動が出来る。」
「けど、神様らしいものとかは落ちないんですか?」
「いや、神性は落ちる。けど能力が弱体化される訳ではないから要注意だな。」
最高神がどのくらいの強さ、強制力を持っているかは知らないが、俺にはまだ明かしていない能力がまだある。
それは...。まぁ、後々わかるだろう。
今はそれより、作戦を考える方が先か。
「ナイトさま。この屋敷での宿泊はいかがだったでしょうか?」
俺達がリビングで談笑しているとシロが扉から顔を覗かせた。
「そうですか。良かったです。」
「あ、今日の私のパンツは名前通り白です。」
「どうでもいい情報を毎度どうも。」
なんで、アンドロイドのパンツの色を教えられなきゃいけないんだ。
そもそも、ロボットなんだから、パンツなんていらないだろ。
「そうでもないぞ?」
俺が無駄なことに頭を使っているとシロの後から声が聞こえた。
黒髪ロングでこの世界にしては珍しく目も黒い。
そして、鼻筋の通った顔。
全体的にシュッとしていて可愛いと言うより綺麗、美しいと言った方が合っている印象だ。
それと、姉という立場の割には胸元が寂しい気がする。
妹であるイリスがでかいのかサキが小さいのかは分からないが...。
「よく眠れたか?」
「お陰様でな。あ、あと。そこのアンドロイドは1度バラした方がいいぞ?思考回路がおかしい。」
「シロは私の自身作でなそう簡単に壊す訳には行かんのだよ。」
「だったら、プログラムし直せ、朝の挨拶ついでに自分のパンツの色教えてくるやつなんていない。」
「考慮しておこう。」
あ、これ直さないやつだ。
ちなみに最初に言った「そうでもないぞ?」はシロはアンドロイドながら性行為ができる。
実際の子供は産めないが行為自体は出来るのでパンツを履かせたそうだ。
無駄に凝ってるなー。
「さて、本題に入ろう。」
サキが俺の横のソファに腰をかける。
「神に戦いを挑むって話だったよな?」
「あぁ、そうとも。私は復讐するのだ忌々しき神共にな。」
「姉上...じゃなくて、ベリアル。」
「イリスが良ければ姉上と呼んでくれて構わんよ。元よりこの体は姉のものだからな。」
「そうか。姉上。神と戦うにおいて他に戦力になる者はいるのか?」
たしかに、イリスの言う通り、今の戦力ではとてもじゃないが神には勝てない。
例え俺が本気を出したところで最高神との戦闘で絶対負ける。.........と思う。
「なくはない。」
「曖昧だな。」
「私達の同胞は今は各地に散っている。しかも、お互いに居場所は知らない。」
「候補の真名は?」
「1人は『カスピエル』2人目は『クザフォン』3人目は『ワーヤック』」
「主にこの3人が主力と言ったところか。」
「意外と少ないな。」
「世界に堕天使が5人もいることに問題があると思うが…。まぁ、この際仲間が増えると言うことにしよう。」
「けど、どこにいるか分からないんじゃ探しようがないわよ?」
たしかに、王国にも鳳国にもそんな奴はいなかった。
ということは、
「帝国に全員潜んでいる可能性が高いな。」
「ご主人様。未知の樹海という可能性は無いのですか?」
「もし、未知の樹海にいるとしたら、こっちが集まる前に神共に潰されて終わるだけだ。」
未知の樹海はこの世界の大陸の9割を占めるという文献がある。
そんな、広大な土地を探している暇は多分ない。
帝国にいることに掛けるしかない。
「なら、ほかの連中の捜索を頼めるか?」
「最初っからそのつもりだよ。」
俺1人ならともかく今回はミミも巻き込む形となってしまった。
ミミに手出しはさせない。
手を出すようであれば容赦なくその手を切断する。
俺達は、ゲートで帝国の繁華街に移動して探索を開始した。
観光しながら。
「そう言えば、シェリー達がここに来るのは初めてか。」
「そうよ。帝国に行くと思ったら幽霊屋敷の探索だなんて無茶振りを探しているさせられたからね。」
「ま、まぁ、探すって言っても何かしらの手がかりがないと進展しないからその間に観光を楽しめばいいだろ。」
俺達は捜索がてら観光もすることにした。
そして、シェリーとシアの手が埋まるくらいの食べ物が持たれている。
右手には、串焼きに焼き鳥、左手には、水飴に綿飴。
俺は見ているだけで胃がもたれそうだ。
何本目かの路地に差し掛かった時微かに声が聞こえた。
周りを常に警戒していないと聞こえないくらいの声。
当然、シェリー達の元には届いていない。
「ナイト様。先程の声は...。」
唯一、犬種のミミだけは声を聞き取ったらしい。
「取り敢えず行くか。」
「はい。」
俺とミミは、シェリー達に話して路地裏に入った。
最初は全員で行けばいいと、シェリーは言ったが食べ物を持った手でどうやって戦うつもりなのか…。
まぁ、相手も見ただけで胃もたれを起こすとは思うが。
路地裏を進んでいくと男に囲まれている女の子?がいた。
なぜ疑問形かというとフードを被っていて顔までは分からないから。
「なんだ、お前。」
ガラの悪い奴らの口にすることはいつも同じでつまらない。
「何者でもねぇよ。」
俺は無防備に構えている男に腹パンを一発。
割と強めにやったから、しばらくは動けないだろ。
実際、今は腹を抑えて地面にうずくまっている。
「大丈夫か?」
俺が手を差し伸べて立たせようとした時に相手のフードが脱げた。
俺は見覚えのある顔に顔を引き攣らせた。




