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50話 約束と転移

ミミにスキル俺には能力が引き継がれていた。


これが一体どういう意味を持つのかそれは、まだ分からない。


プラスに振れるかマイナスに振れるか。


まぁ、どちらにしろやることは変わらない。


今は幸せに生きるだけだ。


そして、俺は今アクセサリーショップに来ている。


ショーケースには金色のネックレスやブレスレット訳の分からない飾り物まで置いてあった。


「何かお探しですか?」

「魔法で動くブレスレットを探している。」


俺が店内を見て回っていると1人の女店員が話しかけてきた。


「それなら、こちらの『トラストリング』がオススメですよ。」

「それは?」

「着ける人の『信頼』によってパワーアップが出来る仕様となっております。お客様が誰かに着けた場合着けた人からの信頼によってお客様の身体能力を上げることができます。」


なるほどだから、『trust(信頼)』の腕輪と言うわけか。


「なら、それを2つ貰えるか?」

「はい。少々お待ちください。」


女店員は奥へ引っ込み戻ってきた時にはさっきと同じ腕輪を持って出てきた。


「こちらで宜しいでしょうか?」

「あぁ、問題ない。」


俺は金貨2枚を払って店を出た。


家に帰ってミミとシェリーを呼び出す。


俺からの呼び出しに2人とも「どうしたの?」という表情で俺を見る。



「2人に渡す物があってな。」


そう言って俺は袋から3つの腕輪を取り出した。


「それって『トラストリング』じゃない?」

「よく知ってるな。」

「...だってずっと欲しかったもん。」


シェリーがなんか言ってるが俺には聞こえなかった。


「あの時の約束だ。」


あの時2人にした約束。


『この仕事が片付いたら結婚する』


という約束。


まだ完全に組織が無くなった訳ではないがそれでも少し落ち着いたから踏み入った結果がこの『トラストリング』だ。


「「っっっっっっっっ!!!!!!!!!!」」


2人は顔を真っ赤にしてもじもじしている。


「2人とも腕を出してくれ。」


俺は差し出された2人の白くて細い腕にはめていく。



最初はぶかぶかで腕を下げれば落ちてしまう腕輪も魔力を込めれば装着者の腕の幅になる。


「2人ともきつくないか?」


「大丈夫です。」

「大丈夫よ。」


「まだ、完全に片付いたわけじゃないけどこれくらい早めるのは問題ないだろ?」



コクン。


2人は無言で頷いた。


「ありがとうございます。」

「ありがとう。」


俺は2人から頬にキスをもらった。



ちゃんとした式も挙げないとな。


その時にはララやメアも一緒だ。



閑話休題



「遺跡?」

「はい。冒険者の一人が樹海の中にある古い遺跡を見つけたのです。」

「なんで俺に?クエストとして冒険者に調べてもらえばいいんじゃないか?」


「それが。中には特に何もなく魔法石がはまった台座がある程度だったそうです。」

「なら調査はそれでお終いじゃないのか?」


「その台座を起動させて見て下さいませんか?」

「まぁ、依頼ならやるけどさ。」


ということでミミだけを連れて樹海に来ている。


ほんとはシェリー達も連れていこうとしたが帰ったらミミしかいなかった。

シェリー達はクエストに向かったそうだ。


相手が魔法吸収をもつ敵だからミミはお留守番していたらしい。



「さて、ここが問題の遺跡か。」

「意外としっかりした造りになっていますね。」

「まぁ、見つかるのは古代の遺産か怨念か。」

「ナイト様!あまり脅かさないで下さい。」


いや、ソンナツモリハナイヨ。


取り敢えず遺跡に入った。

この遺跡は四方に階段があってそれを上ると台座が見える。

台座からは外が丸見えだ。



中は言っていた通り台座以外何もない。


「この魔法石に魔力を吹き込むのでしょうか。」

「多分な。けど数が多いな。」

「赤、青、黄、緑、白、黒の魔法石が二つづつありますね。」


「これってもしかしたら転移陣ではありませんか?」

「転移陣?」


「はい。今は破棄された魔法の一つです。それぞれの魔法適正がないと起動出来ないので使われなくなりました。と聞きました。」

「そんなもん、今更起動するのか?」


そんな使わなくなって軽く100年は経っている魔法陣が正常に作動するとは考えにくい。


「どこに転移にするとかはわからないのか?」

「私ではそこまでは分からないです。」

「まぁ、大丈夫か。どこか危険な所でもゲートを使えば問題はない。」


ということで俺が転移陣に魔力を流した。


赤い魔石には赤魔法を、青い魔石には青魔法をと

それぞれの色に合わせて魔力を流しこんでいく。


すると、台座が輝き始めた。


「ナイト様。ホントに大丈夫何でしょうか?」

「大丈夫だ。何があってもミミを守るから。」

「頼りにしています。ナイト様。」


台座から放たれた光が俺達を包み込む。



次に見た景色はどこか分からない洞窟だった。


「『ほんとに暗い!』」


足元どころか部屋全体を照らし出して辺りの探索にでる。


「ミミ。無事か。」

「はい。ナイト様が防御壁を作ってくださったのでかすり傷ひとつありません。」


まぁ、俺の防御壁だとないも同然だがないよりは増しか。


俺は攻撃に全てを捧げるタイプで攻撃は攻撃で迎え撃つタイプの人間だからな。


「それにしてもここはどこでしょう?」

「さぁ、こっちにもあの遺跡と同じ転移陣があるってことは往復用の魔法陣ということがわかったわけだ。」


それしか分かっていない。

一応メアには連絡を入れておこうか。


『メア。遺跡は昔に使われていた転移陣だった。で、起動させたらどこかにとんだ。』

『わかりました。ナイトはそのまま周辺探査をしてください。』

『分かった。』


「このまま周りの探索をする。ミミはどうする?」

「私もついて行きます。」

「分かったけど、俺から離れるなよ。」

「あ、」


そう言って俺はミミの手を握った。

思ったより小さく俺の手の第二関節までしかなくそれくらいなら俺の手で包めてしまう。


「ありがとうございます。」


ミミがなんか言ったが声が小さすぎて俺には聞こえなかった。



遺跡を出るとそこには賑やかな街があった。


「ほんとにここどこだ?」

「ナイト様ここは帝国の繁華街と思われます。」

「帝国?」

「はい。見たところ王国にはない食材などが並んでいるのでおそらくそうかと。」


なるほど。

てか、食材でわかるんだな。


「じゃ、ついでに観光もするか。」

「あの、それは...。」

「?どうした?」

「帝国は獣人など人外な種族を毛嫌いする風習があります。」


「じゃあ、俺のコートを羽織っててくれフードもあるからそれを被ってればバレないだろ。まぁ、ミミが嫌だというなら無理にとは言わないが...。」

「それなら大丈夫だと思います。」


ということで2人きりで帝国の観光に行くこととなった。


まぁ、危なくなったらカトレアとかイリスを呼べば大丈夫だろ。


その時俺は喜ぶミミが可愛すぎて気づいていなかった。


――――――――俺達を監視する視線に。

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