短編、第二の仲間、シェリー
ミミの次は私ね。
私はシェリー。職業はアーチャー。今は恋する乙女よ!
で、何を話せばいいの?
そうねーあの時....ナイトと鉱山に行った時の話をするわ。
「いてて。おい。シェリー怪我はないか?」
「あ、うん。大丈夫。」
「にしても、鉱山に罠があるとはな。」
「あの、ごめん。私のせいで。」
「別にいいよ。あんなのかからないほうがおかしい。」
あれだけ悪態をついたのにナイトは許してくれた。
「でも、これからどうするの?」
「ん?出るに決まってるだろ?」
なにを言ってるの?ここは、25層。
モンスターレベルは平均40。
私のレベルが26
ナイトがどれだけ強いかまだ、分かってないけど。
私よりあとに冒険者になったんだから私と同じくらいかそれより、下のはず。
それなのに、ここを出る?
(あ〜あ。ナイトもそうなんだ。)
駆け出し冒険者によくあるのが『慢心』なの。
自分は強いと思い込んで調子にのって死んでいく。
私はそんな人達を結構な数見てきた。
ナイトもその1人なんだ。
「よし、行くか。」
「待って。なんか解決策があるはずよ。無闇に突っ込んで死ぬのは嫌よ。」
「そんなこと言ってる暇はないようだが?」
ナイトの目の前に幾つもの赤い点が現れたの。
「洞窟蟻!」
「洞窟蟻?」
「ナイト気をつけて!こいつらあと20匹はいるから!」
「分かった。」
ナイトがそういうと赤い点の1つが動いてナイトに襲いかかった。
私の体より大きい蟻はナイトを食べようとしていた。
洞窟蟻は肉食で食べられたら最後骨すら残らないほど綺麗に食べるの。
だから、私はナイトが食べられる姿を想像してしまった。
けど、私が見たのはナイトが食べられる姿じゃなくて蟻が一刀両断されている姿だったの。
「なんだ、数が多いだけじゃん。」
そんなことはない。
洞窟蟻は鋼鉄並の硬さを誇る初心者泣かせのモンスターなの。
それを、両断できるということは私より20はレベルが上ってことなの。
私より20はレベルが上ということはナイトは最低でも46ということになる。
それどころか、洞窟蟻の初撃を初見で躱したということは46レベルより上、50辺りのレベルじゃないとできないものだった。
そう、考え事をしていると背筋が凍る感触に襲われた。
敵だと思ったけど私の背後は砕けだ床で塞がっていて背後は空いていない。
けど、凍る感触の正体はすぐにわかった。
ナイトからものすごいオーラ的なものが見えている気がしたの。
私にはそんなオーラだとか霊だとかそういう不可視のものはみえたことは1度もない。
けど、その瞬間だけはみえた気がしたの。
その直後洞窟蟻が全体逃げるように洞窟の奥に行ってしまった。
「な、ナイト。あんた、何したの?」
「あぁ、ただ、威嚇しただけ。」
「いかく?」
「そう威嚇。ただ、殺すぞという意思。威圧感。それを、あいつらに浴びせただけだ。」
格が違うと思い知らされた瞬間だったわ。
洞窟蟻を威嚇だけで撤退させることが出来るのは2つ名持ちの『黄金』だけだと思う。
それを、ナイトはやってのけた。
わたしは、このとき確信した。
(ナイトについていけば安全だし面白そう。)
ってね。
ここまでが鉱山であった出来事ね。
これからは、私がナイトを好きだと自覚させられた事件について話すわ。
あれは、バジリの宿屋での出来事。
「は~。私はどうしたいの?」
私はナイトとの距離感が掴めずにいた。
ナイトには感謝してるし恩恵も感じられる。
けど、その感謝とかとは違う感情が私の中で芽生えていた。
そんなことが今までなかった私はかなり戸惑ったのを覚えているわ。
そうやって、1人で考えているとガラッと浴場の扉が開いた音が聞こえた。
今は私が入っているからナイトではないと確信していた。
けど、さっき扉に鍵を閉め忘れたのと札もかけてなかったのを思い出した。
ナイトはいつも起きるのは一番最後だから来ないと思ったの。
内心どこかでナイトだったらいいのにっていう感情を振り払いつつ扉の方を睨んだ。
私の願いが叶ってか神様の意地悪なのか浴室に入ってきたのはナイトだった。
しばらく話した後にナイトが出ていこうとしたから私は咄嗟に止めてしまった。
私は意を決してナイトに自分の心中を話した。
「ナイトは私のことどう思ってる?」
「可愛いとほ思ってるけど?」
「可愛いとはってなによ。」
ほんとに無神経なんだから。
「じゃあ、邪魔だとは思ってないのね。」
私的にはこれが1番気になった。
「?当たり前だろ?邪魔ならとっくに見捨ててる。」
言われてみればそうだった。
私はナイトとパーティを組んでいる時に何度か敵に殺されそうになった。
そんな時は大体ナイトが助けてくれた。
「そうね。その、色々ありがとう...。」
「ど、どういたしまして?」
自分が情けない。
自分の気持ちを素直に伝えられらない。
伝えなきゃ…。今言わなかったらもうチャンスはないかもしれない。
私は自分の気持ちを伝えようと口を開いた。
「ねぇ、今私がナイトを襲ったらどうする?」
あれ?私はなにを言っているのだろうか。
自分でも分からない。
咄嗟にでた願望をナイトにもちゃんと聞こえていてもう、後戻りできない状況にしてしまった。
けど、ここで引き下がるのはなんか負けた気分になって嫌だ。
私はやけくそで言った。
「依頼する。」
「私を楽にして。やり方は任せるわ。」
正直賭けだったと思う。
あの状況にしてもナイトが私を襲うとは限らなかった。
けど、そんな心配はすぐに吹き飛んだ。
ナイトの目が変わった。
少し鋭くなった気がしたの。
それから、ナイトは私の体を貪ったの。
とまぁ、私がナイトを好きだって自覚したのがこのとき。
ナイトには言葉では言ってもらってないけど態度で示してくれたんだと私は思っている。
...なんか恥ずかしくなってきた。
だから、これで、終わり!
次はシアちゃんよ!




