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39話 銃と義務

「さて、ナナの手助けをしたいんだがどうしようか。」


正直何にも考えてない。


「ナナさんの近くで守ると言うのはどうでしょう?」

「うーん。それだと、俺の身が危ない気がする。」


ナナはかなりの男嫌いで普通に攻撃してくる。

過去になにがあったか知らないけど男の存在がトラウマになっている。


守る対象が情緒不安定じゃ守るに守れない。


「ねぇ。1つ聞くけどナイトはなんでナナを助けようとしてるの?」

「え、そりゃ困ってるんだったら助けるし今回は命を狙われてると言うからな。助けても変じゃないだろ?」

「じゃあ、別にナナに惚れたとかではないのなね?」


「?当たり前だろ?」


ナナはツンデレとヤンデレを足したような性格をしている。


ツンデレは問題ないとして問題なのはヤンデレのほうだ。

ヤンデレも刃物さえ持たせなければ

自分に懐いている

でいいのだが刃物を持たせてしまうと途端に殺人鬼となる。


ナナの場合は刀という刃物を持っているためかなり危険だ。


まだ、死にたくないからな。ヤンデレはごめんだよ。



「なら、ナナに囮になって貰うのはどう?」

「相手が暗殺者だからな、俺の索敵でも引っかからないやつはいるかもしれない。そうなると、ナナが危ない。」

「それも、そうね。」


「ナナには部屋に閉じこもってもらうしかないな。」

「暗殺者なら、それくらい突破しそうだけどね。」

「俺相手に突破出来るものならやってみるといい。ぶっ潰してやるよ。」


「あ〜あ。ナイトのスイッチ入っちゃった。」

「ナイト様が本気を出して突破できたら誰が止められるのでしょうか?」


「そんな人この世にいませんよ。」

「ご主人つよーい。」

「まぁ、私達が1番主殿の近くにいて1番戦闘場面を見ているからな。恐らく、いないだろう。」


皆がなんか言ってるけど気にしない。



ということで俺達の作戦を伝えることにした。


「私は部屋にいればいいのか?」

「あぁ、誰が来ても開けないでくれ。あ、でも、ノックが『3回』したら、開けてくれ。」


「それが、俺が来たという合図だ。それ以外は明けるな。」

「分かった。ナイトの指示に従おう。ほんとに不本意だがな。」


俺は少し微苦笑した。


「といっても、相手はいつ来るの?それが分からないと守りようがないわよ?」


確かにシェリーの言う通りだ。


「それなら、多分今日だ。」

「また、急だな。でも、なぜ分かる?見せてもらった手紙には書いてなかったぞ?」

「奴らはある周期でここに来てるんだよ。」


「手紙を出してから5日間隔でこの屋敷に忍び混んでいる。もしかしたら、もう侵入しているかもしれない。」


しかし、そんな反応は俺の[索敵]スキルでは発見されなかった。


ということはまだ、来てはいないのだろう。


「なら、この辺りで潜んでいれば来たところを一網打尽に出来るな。」

「なら、私はナナと一緒にいますね。万が一に備えて。」

「わかった。まぁ、その万が一は起こさせないけどな。」


しかし、日没まで時間がある。


丁度いい。帝国に行くかもしれないから銃の手入れでもしとくか。


使わない方針だが念の為手入れぐらいはしておこう。


俺は「無限収納」から、「MP5」と「ベレッタ M84」を出した。


「MP5」は短機関銃で「M84」は自動銃(オートマチック)だ。


使い分けとしては集団なら、弾丸をばら撒ける「MP5」


一対一なら、単発射撃が可能な、「M84」だ。


勿論消音機(サプレッサー)付きだ。


消音機(サプレッサー)がないとかなりの銃声がして相手に自分の居場所を教えてしまうから、消音機(サプレッサー)付きだ。


ナナの庭で適当な木に一発づつ撃ってみた。


特に問題はなかった。


ただ、帝国の技術がどこまで進んでいるかが重要だ。


もし、帝国側がアサルト銃を持っていたら「M84」と「MP5」じゃ負ける。


元々の威力が違いすぎるのと一回の装弾数が違うため恐らく負ける。


まぁ、そしたら魔法で暴発させるまでだが。


銃の手入れをしていたら辺りはすっかり暗くなっていた。



「ナイト、こんなとこで何してんのよ。そろそろ時間でしょ?」

「あぁ、悪い。今行く。」


シェリーに呼ばれた。


俺が行くとナナ以外の全員そろっていた。


「よし、それじゃこれから警備に入る。各々持ち場についてくれ。」


ちなみに今回の警備は2人一組で行う。

そのメンツがこれ。


ミミと俺

シェリーとシア

ララとイリス

カトレアは単体。


最初ミミとカトレアを組ませようかと思ったがカトレアが

「ミミさんは魔法使いですのでご主人様といた方が安全だと思われます。」

と言ったためそれもそうかとカトレアは単体となった。


なんかミミはすごく喜んでいた。

よくわからん。



そして時刻は深夜。今日は月が綺麗だ。

[索敵]スキルを使えるメンバーは常に発動し屋敷に近づいた瞬間襲う。といった具合の計画だ。


「こうして、2人でいるのも久しぶりだな。」


俺はふと思ったことを口に出していた。


「そうですね。今はメイドさん達を含めるとかなりの人数がいますからね。」

「ミミ、こっちに来い。」


俺はミミを自分のすぐそばまで来させた。


「よし。」

「きゃあ!」


ミミが小声でそれでもしっかり聞こえる声で悲鳴をあげた。


「な、ナイト様!どうしたんですか?」

「いや、最近もふもふしてなかったなと思って。」

「今ですか!敵が攻めてきたらどうするんですか!」


「あぁ、大丈夫だよ。敵は攻めてこないから。」

「え?また、昨日お仕事をしてしまったんですか?」

「いや。今回は自分から来てくれたからな。今俺達は屋敷内の馬鹿を逃がさないように囲んでいるだけ。」


そう、昨日の時点でもう暗殺は者忍び込んでいた。


「それじゃ、ナナさんが危ないんじゃないですか?」

「そうならないようにシーラだ。シーラの防御壁は俺のやつよりだいぶ堅い、簡単には破られない」


「ナイト様はかなりの策士ですね。」

「いや、今回の作戦を考えたのはシーラだ。この包囲網は俺だけど。」

「そうだったんですか。」


「な、ナイト様。変なことを聞いてもよろしいでしょうか。」

「いきなり、どうした。」


ミミから発せられた言葉は完全に不意打ちで少しの間固まってしまった。


「ナイト様は私のことどう思ってますか?」


これほどまでに回答困る質問があっただろうか。いや、断じてない。

...真実を伝えれば一番簡単なのだがおそらく伝えると今後が気まずくなる。


しかし、そんな恋愛耐性がない俺は自分の気持ちを言ってしまった。



「ミミのことは大好きだ。可愛いし、ふわふわだし、優しいし、一緒にいて癒される。結婚したいとまで思ったこともある。それくらい好きだ。」

「え、あの、その、ううっぅぅ。」


「けど、俺はそんなことは望んじゃダメなんだよ。」

「な、何でですか?」


「俺が望むとそれが叶う代わりに相手には最大級の不幸が降りかかるんだ。実際に前の世界ではそうだった。」

「シーラさんと話していたことですね。」


「ミミには話しておく。」


「俺には前、と言っても100年以上前には恋人がいた。そん時はまだ、名もなき冒険者でな割と大変だった。それで、ある日俺とルージュがある村に訪れた時に敵国の襲撃にあった。俺はルージュを逃がして敵国兵と交戦。あらかた片付けてルージュを探すと血だまりに沈んだルージュを見つけたよ。今の魔力ならいざ知らず、当時は全然だったからな。回復が間に合わず死んでしまった。そん時思ったんだよ、

『俺は誰かと幸せになりたい』と望んではいけないんだ。』

って。」


俺はあの時...一通り暴れたあと考えたかなり考えた。

そして出した答えがこれだ。

全く情けない話だ。


「...ないです。」

「ミミ?」

「そんなこと、ないです!人は誰しも幸せになる権利があります。奴隷になった私が言えることではありませんが私は奴隷という身分でもナイト様と出会えて幸せです。ナイト様は人は幸せにしてしまうのに自分はダメだとか意味が分かりません!人を幸せにしてしまったら自分も幸せになって相手をもっと幸せにする義務があります。それなのにナイト様は...。私を幸せにした責任は取ってください。」


俺の言葉にミミは静かにそれでいてもの凄く怒っていた。


「そうか。義務か。」

「そうです。義務です。」


「わかった。約束だ。いつになるかわからないけど、今抱えている仕事が終わったら結婚しよう。俺にはそれくらいしか相手を幸せにする方法は知らない。それに、主人と奴隷が結婚しちゃダメっていうルールはなかったはずだ。まぁ、あったとしても破るがな。」


「け、けけけけけ。結婚ですか!」

「義務だからな。」


ミミが動揺しているときに俺は不敵ににっと笑ってやった。


それと同時に俺は誓った。



絶対にミミ達を幸せにすると。


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