3話 新しい生活─その2
3話投稿!
今回はかなりぐちゃぐちゃになってしまった気がします。
色んなものを詰め過ぎた、
反省はしている。しかし、後悔はしていない。
「どうした。そんなに騒いで。」
「この赤い毛はレッドウルフのものだろ!」
「まぁそうだが、それがどうした?」
狼だけでこんなに大騒ぎになるとは思わなかった。
ギルドには他にも多くの冒険者がいる。そのほとんどの視線はナイトへと向けられている。
「レッドウルフは国から特別注意令が出されている、危険種なんだよ。普通ならBランク以上の冒険者が狩るものなんだか…。」
そんなに強かったのか、瞬殺したけど。
「ま、運がよかっただけだな。これで慢心するなよ。」
そう結論づけてもらった方がこちらとしてもありがたい。無駄な詮索を受けずに済んだ。
「あぁ、肝に命じておく。」
「レッドウルフの素材は研究のためこちらで買い取っても構わないか?」
「他にもあるから構わないぞ。」
3体の素材を売って金貨2枚と銀貨20枚を貰った。
今日はそのまま帰ることにした。
この世界の通貨は以下の通り。
銅貨10枚=銀貨1枚
銀貨10枚=金貨1枚
その他にも銅貨より安い鉛貨や金貨より高いミスリル貨などがあるがこれを覚えて居れば問題ないという。ちなみに
鉛貨100枚=銅貨
金貨1000枚=ミスリル貨
だそうだ。
「おかえりなさいませ。ナイト様。」
宿屋に戻るとミミが笑顔で出迎えてくれた。
料理中だったのかエプロンを身につけている。
新鮮で可愛い。
家に帰ると誰かがいる。
この安心にも近い気持ちは初めてだった。
前の世界では出迎えてくれる人は居なかった。たまにフェルテンがいて「おかえり」と言う程度だ。
「ナイト様?どうされました?」
ちょっと深く考え過ぎたな。
「いや、何でもない。」
「そうですか。あ、そろそろ夕飯が出来上がりますよ。」
こうして一緒にご飯を食べる相手も居なかった。
この宿はご飯を作って貰うか自分で作るか選ぶ事ができる。
自分で作る場合宿代からご飯代を引いた値段になる。
別に作って貰っても良かったんだがミミが作りたいと言ったので自分達で作ることになった。
「今日の夕飯はなんだ?」
「今日はリヴァホークの唐揚げですよ。」
リヴァホーク──高度3000m以上を常に旋回している。たまにリヴァホーク同士の戦いに敗れた奴が落ちてくることがある。それを拾ったんだとか。
「ミミって魔力値が高いだけじゃないんだな。」
「魔力値ですか?ナイト様にはそういうのが見えるのですか?」
そういうのとは[ステータス]の事だろう。
ミミ
性別:女
種族:犬種
レベル23
スキル:[料理術]、[魔力増量]、[幸運]、[白魔法特化]
備考:ナイトの奴隷、獣人
といった具合に相手の情報を知ることができる。
やろうと思えば相手の3サイズまで調べることができる。やらないけど。
「ナイト様はなんでもできるのですね。羨ましいです。」
「そうか?」
「私は生まれてこのかた人から必要とされた事がないんです。だからなんでもできる人っていいなって思ったりするんです。」
ミミは悲しい顔をしていた。
「俺だって何でもできるわけじゃない。実際、料理は出来ないし。出来るのはそういう戦闘系のことだけなんだよ。そこから他のことができるようになっただけだ。だから、あんまり気にすんな。それに、ミミは自分は必要とされてないと言ったが俺はミミが必要だ。ミミを手放すつもりは無いから安心しろ。」
するとミミが近づいてきてナイトの胸に顔を埋めた。
「──たいですよ。」
「え?なんて言った?」
小さすぎて聞こえない。
「絶対ですよ。私を捨てないで下さいね。」
「勿論だ。ミミが出ていくと言っても離さない。」
しばらくミミはナイトの胸に顔を埋めたままだった。
それから夕飯を済ませてベットに潜る。
「あの、ナイト様。一緒に寝てもよろしいですか?」
一応、ベットは2つある。
「別に構わないぞ。」
そういえばもふもふしてない。
「ありがとうございます。では、失礼します。」
何にも知らないミミがベットに入る。
「きゃあ!」
ミミが小さな悲鳴を挙げた。
「な、ナイト様?どうされたのですか?」
「いや、もふもふしてないなと思って。」
「なんですかそれ!」
ミミがなんか言ってるが気にしない。
ミミはもう俺のものだ。
この後じっくりもふもふした。
朝
「おはようございます。ナイト様」
カーテンの隙間から漏れる朝日に照らされたミミはまるで女神様みたいだった。
「おはよう。」
挨拶を交わしミミは朝食の準備にかかった。
その間に今後のことを決めよう。
目標は特にない。暇さえしなければいい。
戦闘もいづれはミミも参戦させる予定だ。
その為には装備が必要だな。
ミミは魔力値が高いから魔法使いがいいだろう。
と言っても魔法使いに必要な装備がローブしか思いつかない。
この世界のことはこの世界の住人に聞くのが一番だ。
「ミミ。魔法使いの初期装備ってなんだ?」
「魔法使いは、魔導書か杖ですね。魔導書は魔法を使うのと同時に勉強できるので初心者にはオススメです。杖は詠唱者自身の魔力を高めてくれるので魔法を暗記して火力が欲しい時に使われます。」
「ナイト様は魔法使いにでも転職なさるのですか?」
この世界には明確な職業は決まっていない。
故に転職という行為自体ない。各個人が持ち武器を変えるだけで転職となる。
大体は何の武器を持っているかで判断する。
剣士は剣
騎士は槍や大楯
暗殺者はダガー
魔法使いは本か杖
弓使いは弓
といった具合に持ってる武器よって職業が変わることが多い。
「俺じゃなくてミミの話だ。」
「私ですか!私戦闘は苦手なんですけど...。」
ミミはこう言っているがナイトは洞窟内でミミとあの大男が戦っている所をバッチリ見ている。
「それは、ミミが慣れない武器を持ってたからだろ。ちゃんと自分にあった武器を持てば大丈夫。」
「確かにあの時は慣れてない武器を使っていましたが、見ていたのなら分かるはずです。私がいかに運動音痴かを!」
そう言ってミミは誇らしげに胸を張った。
いや、威張るとこじゃないしむしろしょんぼりするところだから。
「威張るな。魔法使いは後衛だからそんなに動かないから大丈夫。ま、もしどうしても動きたいならまた考えるが。」
自分から運動音痴と言ってるのだから動かない方を選ぶだろうけど。
「じゃ、明日ミミの装備を揃えに行くからそのつもりで。」
「分かりました。ありがとうございます。」
ということでミミの装備を整えることにした。
翌日。
ナイト達はギルドに行く途中の鍛冶屋に足を運んでいた。
「いらっしゃい。」
店主がぶっきらぼうに言った。
「魔法使いにあった防具を作れるか?」
「素材があればな。」
素材はそこそこ持っている。
「これで何か作れるか?」
ナイトはあるだけの素材を出した。
「この蜘蛛の糸と狼の毛で作れる。」
意外と必要数は少ないみたいだ。
「それで頼む。あ、あと着るのは俺じゃなくてこっちだから気をつけてな。」
「分かっている。お前さんのはその立派な魔剣があるだろ。」
なんとこの鍛冶屋の店主、ナイトの剣を1発で魔剣と見抜いた。
「よく分かったな。」
「この仕事をしてもう長いからな経験則というものだ。」
それにしたって凄い。
ナイトの剣は黒い刀身に赤い線が入った禍々しい剣だった。
確かに打ち合いになればベテランなら見抜くだろうが、鞘に入ったまま柄だけを見て当てたのだ。
「身の丈に合わないもの持ってるんだな。」
確かに駆け出し冒険者に魔剣は早すぎる。
持ってるのが不思議なくらいだ。
「これから身の丈にあっていくんだよ。」
「頑張れ。」
作業に集中したのか返しがかなり適当だった。
設計図を書き完成まで1日かかるという。
次に訪れたのは魔法系の道具が置いてある店だ。
「あら、いらっしゃい。なにかお探し?」
店に入ってすぐ何かの触媒だろうか花の香りがした。
店主もローブを着ていて露出度が高い。
「魔導書を探している。何かオススメは無いか?」
「どんな魔導書を探しているの?」
「どんなのがあるんた?」
どうやら回復と攻撃の2種類じゃないようだ。
魔法種類まとめ。
赤魔法──主に火での攻撃。攻撃力が高い。
青魔法──主に水での攻撃。斬撃系が多い。
緑魔法──主に風での補助。移動系が多い。
黄魔法──主に雷での攻撃。連射性が高い。
白魔法──主に光での補助。回復系が多い。
黒魔法──主に闇での攻撃。制御が不可能。
説明を受けた感じ黒は要らないな。
制御が難しい魔法をミミに使わせる訳にはいかない。
「白魔法を頼む。」
「分かったわ。」
女店主はなにかを唱えて飛んだ。
今のは緑魔法だろうか。
その内降りてきて、1冊の本をミミに渡した。
「あ、ありがとうございます。」
取り敢えずは揃ったかな。
あとは防具が出来ればいい。
ミミを宿に返してナイトはギルドに向かった。
その途中、めんどくさい者に待ち伏せされていた。
不定期更新に拍車がかかっています。
自分でもいつ投稿しようかその時に決めたりして未来予想が出来ないです!