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28話 探索と新能力

やっぱり鉱山のモンスターはシェリーと2人で探索した鉱山のモンスターより強かった。


しかし、前の世界のステータスをそのまま引き継いだ俺の敵ではない。



「それにしても君強いね。」

「そうですよね。正直意外でした。」


「碌な装備なしに盾なし片手剣だもの仕方ない事よ。」

「まぁ、僕の目に狂いはなかっただろ。」


好き勝手言ってるがそんなにか?

前の世界のステータスを引き継いでいるとはいえ、この2人も『二つ名』持ちである。


まだ、2人の能力を見たわけではない。


魔力の量と質の調整でほぼ無限に土人形(ゴーレム)を呼び出せるラート。

赤属性を帯びた片手剣による11連撃を放つマリ。


この2人に強いと言わせた俺は何者なのか自分でも不安になってくる。


「そうか?二人の方がつ強そうに見えるが?」

「それはちゃんと装備を付けているから。」

「それに比べて君は黒い外套しか着てないじゃないか。」


そんなに防具が大事かね。


前俺が関わっていた仕事はホントに人間の極致と呼ばれた人たちがやるような仕事だった。

俺の場合。戦闘が得意だったからモンスター狩りや戦争への参戦という仕事をしていた。


そんな時に防具なんていう移動の邪魔にしかならないようなものは付けている時間も必要もない。


お互いに一撃喰らえば瀕死になるのだから防具なんて着てないも同然だ。


異世界の価値観が違うと苦労するな。


さて、鉱山探索に戻ろう。



今俺たちがいるのが30程度。

この鉱山は全50層。

10層ごとに強めのボスがいる。これをフロアボスという。


フロアボスは各階層の1,5倍のレベルだった。


それもそこまでの強敵ではなかった。

(ほとんどのフロアボスはカトレアが倒した)


そして30層ボス。

こいつが今回の目的。


魔眼の悪魔(グリズリーアイ)

さっきちらっと見たが完全に熊だった。


冬でも暖かそうな毛に喰らえば一撃瀕死の鋭利な爪。


「あれが今回の敵か?なんか弱そうだな。」

「いや、そうでもないよ。奴の強さは固い皮膚にあの鋭利な爪だ。」

「あの毛ってそんなに硬いのか?」

「そりゃ硬いよ。団長かマリの攻撃でもかすり傷程度だもん。」


そんなに硬いのかこりゃアレを使うことになるかもな。

出来れば使いたくはないが。

あれやるとものすごく疲れるし。


ま、使うかもしれないだからあまり気にしないで置こう。



「こっちは俺とカトレアとシアとララで前衛イリスは中衛ミミとシェリーは後衛で攻撃と補助でやってくれ。」

「「「「「「了解」」」」」」」


さて、ボス戦だ。


俺たちが部屋に入ると周りに明かりがついて目的を照らし出す。


「グォォォォォォォォォ!」


俺たちを視界にとらえると咆哮と共に突撃してきた。


「全員退避!イリス受け止めろ。」


「はあぁ!」


熊の突撃をイリスが受け止めて反撃。


まず、シアが攻撃でスタンさせる。そして俺とカトレアの斬撃。

しかし、熊の堅い皮膚に阻まれて剣が通らなかった。


「ね。言ったとおりでしょ?」

「あぁ、確かに硬いな。これかなり長期戦になりそうだな。」

「そのための大人数でもある。」


そのあと俺たちは熊に攻撃し続けた。

いっく一向に減らない体力。


その時マリとアサが壁際に吹っ飛ばされた。

「マリ!アサ!」


そしてマリとアサに気を取られたラートも吹っ飛ばされた。


「何やってんだか。」

「サチ!あいつらの回復頼む。」

「わ、分かりました。」


サチが回復しに行こうとすると熊が前に立ちはだかった。

もし、サチがラートと同じ勢いで吹っ飛ばされれば受け身を取れずに死んでしまう可能性がたかい。



「させるか。」


俺はサチの前に立って爪を受け止める。


「調子に乗るなよ。ゴミが」


『顕現せよ。白き魔剣。白刃剣聖。名をエルシオン!』



俺は再び振り下ろされる爪を


()()()()で弾いて

()()()()で熊を吹っ飛ばした。


俺の秘技。二刀流。


片手剣を二本を片手づつに持ち高速かつ高火力の斬撃を与える。


右手には黒い剣。

左手には白い剣。


俺の二刀流を知っているのは極僅か。

それは、俺の二刀流をみた敵全員死んでいるから。

だから、敵には何度も見せているのに常に初見殺しになる。


このトリックも俺の強みの一つだ。



熊を部屋の中心に戻して俺は、『神殺し(キル)』を放つ。


神殺し(キル)

神をも殺す斬撃。その数実に20連撃。


マリの『赤煌の剣戟』の11連撃よりもはるかに多くそして強力だ。


「グォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」


次々と交差する黒白の魔剣。


俺の攻撃で熊の体力はゴリゴリ削れてあとミリ程度まできた。

しかし、火力があと一歩足りず削り切れない。


「くそ!硬すぎだろ!」


俺は反動で動けない。

俺は受けても流せば問題ないがその後ろにはサチがいる。


とその時熊の後ろから赤い剣星が見えた。


『グオァァァァァ」


熊は赤い炎に焼かれて消えた。


「大丈夫ですか。」

「ありがとう、助かった。」

「あ、ありがとうございます。」


俺が秘技を明かすことになったが取り敢えずはこれで一件落着だろう。



「ちょっとナイト!何あれあんなの初耳なんだけど!説明してよ。」

「しなきゃダメか?」


「当たり前でしょ。」


「あれは、オレの切り札の内の1枚だ。」

「二刀流ですか?しかし、片手剣では重すぎるのでは無いでしょうか。」

「だから、俺の能力なんだ。」

「他の誰にも出来ない二刀流。俺が強いと言われた所以でもあるな。」


「なんで今まで黙ってたのよ。」

「話しずらいからだ。俺の能力は話せない物もある。これは、そのうちの一つだ。」

「なんで、話せないんですか?」


「じゃあ、仮に敵国に強い戦士がいたとする。こちら側としては早めに潰して置きたいと思うのは当然の事だ。」

「?つまり、どういうこどだ?」


「敵に言い訳を作ることになるんだよ。

『強い奴がいるのだから戦争を仕掛ける気だろ』ってな。それが原因で他人が傷ついたり死んだりするのは見てられない。」


「おーい。話は終わったかな?」

重い空気が流れ初めていたところにそれを弾き飛ばすような脳天気な声が届いた。


「あぁ、悪い。大丈夫だ。」

『詳しい話は帰ったらする。』


詳しい話は帰ってからにするとしてまずはラート達と話す必要がある。


「全く君には驚かされてばかりだね。」

「凄かったよ!あのビュンビュンってやつ。」

「どうやったの?私にも出来る?」


知らないって幸せだな。


「あれは、訓練すれば普通に出来る。10年くらいな。」

「よし。頑張ろ。」


マジかー。めっちゃ撃ちたいんだろうな。


「それより、これからどうすんだよ。」

「ギルドに行って報告して打ち上げでもしないかい?」


俺のメンツを見た感じ否定的な表情を作る者は居なかった。


「いや、遠慮しとく。少し話さなきゃいけない事が出来たからな。」

「そうか。残念だ。じゃ打ち上げはまたクエストを達成してからということで。」


ラートは打ち上げを断った俺に深くは詮索してこなかった。

流石青銅。


とりあえず、俺達はギルドに向かった。

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