27話 『漆黒』と共闘
メリークリスマス!
と言ってもこれを書いている時点ではまだ何ですがねw
2017年もあと少し!
来年も頑張るぞー!
サソリを討伐して帰ろうとした時どこからか笛を吹いたような音がした。
俺は近くの木に登って音がした方向を見る。
赤い閃光弾みたいなやつが空高く上がっていた。
「なんか赤い閃光が上がってるぞ。」
「え!どこから!」
「俺が向いてる方向。」
「それ、救援弾だから、位置覚えておいて向かうわよ。」
「救援弾?」
「樹海とか森とか街から遠い場所に行く時に持ち歩く他人に助けを求める信号弾です。」
「赤が救援、黄色が食料補給、緑が回復。だったかな?」
「へー、そんなのがあるんだ。でも、俺達は持ってないぞ?」
「ナイトさんのゲートがあれば必要内ではありませんか。」
そういえばそうか。
俺達は信号があった場所に急いだ。
そこには、モンスターと戦う男女の姿があった。
「あれは、黒巨人!なぜ、こんな所に!」
「自然ポップじゃないのか?」
「ゴライアスは通常地下洞窟に現れる。こんな地上に出ることなどないと言っても過言ではないのだが。」
「ま、なんでもいいや。カトレア、イリス。行くぞ。」
「はっ!」
「了解しました。」
俺とカトレア、イリスはゴライアスに向かって突進した。
「カトレアは冒険者の救護。イリスはカトレアと冒険者を守れ。俺は突っ込む。」
ゴライアスは先の冒険者達を潰そうと腕を振り下ろす。
「させない!」
そのあいだにイリスが割り込み冒険者達を守る。
「くっ!重いな。」
「イリス!そのまま耐えろ。」
『アクセル』『ブースト』
二つのオリジナル魔法を唱えてゴライアスに突進した。
ゴライアスは俺を叩き落とそうと腕を振り回す。
『寝てろ』
これまた、オリジナル魔法を唱えてゴライアスを殴る。
『アクセル』
詠唱者のスピードを上げる。
『ブースト』
詠唱者の身体能力を強化。
『重力』=『寝てろ』
普通の打撃に重力をのせる。
のる重力は詠唱者の技術に依存。
俺の魔法をもろに受けてゴライアスは消えた。
「お疲れ様です。ご主人様。」
「主殿。ご苦労様。」
「あぁ、カトレアもイリスもご苦労様。」
さて、問題の冒険者達だが。
「いやーすごい強いね。君。」
脳天気な男が一人と。
「助けていただきありがとうございます。」
堅実そうな女の子と
「あの、ありがとうございます。」
気弱そうな女の子と
「いやー助かった助かった。」
脳天気そうな女の子
がいた。
ラート
性別:男
種族:人間
スキル[剣聖]、[体術]、[統率]、[指揮]、[召喚術]
能力《土人形錬成》
備考、青銅のゴーレムを召喚。『青銅』の二つ名持ち。
マリ
性別女
種族人間
スキル[剣聖]、[体術]、[赤魔法特化]、[緑魔法耐性]
能力《赤煌の剣戟》
備考、ローズクォーツにより11連撃の発動が可能
サチ
性別女
種族人間
スキル[全魔法適正]、[全魔法耐性]、[運動音痴]
備考、魔法耐性は凄いが運動は全然ダメ。
アサ
性別女
種族人間
スキル[槍術]、[弓術]、[料理術]、[緑魔法特化]
備考、中衛を担当。弓より槍がお気に入り。
死人は出てないみたいだな。」
「そりゃ、薔薇騎士がいるからね。」
「あまり、私を自慢しないで下さい。恥ずかしいです。」
赤髪青眼の子が抗議した。
「ホントのことだろ?それに、僕もこの前青銅の二つ名を女王陛下から頂いたからね。」
『こいつらはさっきからなにを言ってるんだ?』
『おそらく、メア様から頂いた二つ名のことではないでしょうか。』
『二つ名?』
『この世界には二つ名持ちがいて『真紅』、『青銅』、『金色』、『深緑』、『純白』、『漆黒』の計6名の王国の切り札と呼ばれる精鋭の事です。』
『その、『真紅』と『青銅』がいまこの場にいます。』
『その6名にはそれぞれの得意魔法も示してあって漆黒が一番強力とメア様から聞いています。』
『そんなすごい奴らがいるのか。』
『その、漆黒はナイト自身だけどね。』
『へ?』
『だって、黒魔法使えるのナイトだけだし。あんたの場合全ての魔法使えるから黒なんでしょ。』
そういえば、この前ザフトを暗殺する前に1回王城に呼び出されて、なんかの名前を貰ったけど眠過ぎて10割聞いて無かったんだった。
『まぁ、今はそれは、置いとこ。それよりこいつらだな。』
「おい。お前らこれからどうするんだ?」
「僕達はギルドに帰って失敗報告するよ。」
「?目的はさっきの黒いのじゃ無かったのか?」
「勿論そうだよ。けど、倒したのは君たちだ。その手柄を横取りするのは僕達のユニオンの名に傷がつくからね。」
『ユニオンは一定数のメンバーで組むパーティみたいなものです。』
俺がなんにも言わなくても説明してくれるカトレア流石だ。
「別にそれくらい気にするなよ。それに、違約金とかあるだろ。」
「確かにこの時期に違約金は痛いけど仕方ないね。」
「じゃあ、帰ったら俺達がユニオンを立ちあげるからそしたら共闘したということにすればいいんじゃないか?」
「確かにそれなら問題はないけど君たちは7人もいてユニオンを組んでないのかい?」
「そうだな。まだ、パーティ段階だ。それでも、丁度いい。ユニオンを立ち上げたいなと思ってたところだし。」
ということでギルド。
あ、帰りはラート達の馬車で帰りました。
「改めて僕はラート。でこっちがマリ、サチ、アサだよ。」
「あの時はありがとうございました。」
「別に礼を言われるようなことはしてないんだがな。」
普通救援弾を見たら助けに行かなければならないらしい。
まぁ、見ても気づかなかったと言えば責められないから大体は見捨てるんだとか。
「それで相談なんだけどこれから何件か一緒にクエストを受けないか?」
「それは、なぜ。」
「簡単さ。君たちの強さがあれば大抵のクエストはこなせる。あの『漆黒』にも引けを取らないと思うんだ。」
「あー。あの最近なって出てきた新人君か。」
「そうそう。別に恨んでる訳では無いけど女王陛下は正体を教えてはくれなかったからね。」
「ということでどうかな?」
『カトレア。どう思う。』
『特にデメリットもないようなので組んでも問題はないかと。』
『分かった。みんなも聞いてくれ。俺はこいつらの申し出を受けることにする。不満がある奴は言ってくれ。』
『この状況で反対出来る人なんていないわよ。』
『私も特には大丈夫ですよ。』
『問題なーし。』
『ナイト様にお任せします。』
『ご主人様にお任せします。』
『私も問題ない。』
ということで受けることにした。
「わかった、これから宜しく頼む。」
「その答えを待っていたよ。」
俺とラートは握手を交わして所で丁度ギルドに着いたためまた後日ということになった。
ユニオンは特に特筆すべき所はなかった。
強いて言えばモンスターを倒した際にユニオンメンバーにも経験値がいくことだがそのへんは同調でどうにでもなっている。
次の日。
ギルドに行くとラート達が待っていた。
「やぁ、待っていたよ。」
なんか、前の世界のフェルテンを彷彿とさせる印象だ。
「早速かよ。ま、良いけどこっちはあまり戦闘慣れしてい奴が少ないから実際に戦うのは俺とカトレアぐらいだ。そこんところよろしく。」
「わかった。じゃこのクエストでいいかな?」
ラートがとってきたのは魔眼の悪魔の討伐クエストだった。
「特に問題は無い。早速行こう。」
俺達はグリズリーアイがいる鉱山に向かった。
行き方はもちろん馬車。
馬車内ではミミとサチ、シェリーとアサ、イリスとマリ、という組み合わせで話が弾んでいた。
特にミミとサチは魔法関連で話が盛り上がっているようだった。
「よかった。僕達のパーティは人見知りが多いか心配だったけど杞憂だったみたいだね。」
「その分男の肩身が狭いけどな。」
「それは、言えてる。」
まぁ、でも楽しそうにしてるのをみると別に肩身が狭いことなどどうでもよくなってくる。
しばらくして鉱山に着いた。
なんかすげぇ既視感。
シェリーも同じようで目が合うと苦笑いしていた。
こんな大人数での探索は初めてだがかなりら楽しみだ。
詰まる展開に期待しよう。
俺達は鉱山に足を踏み入れた。




