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15話 縁談と恋

一つの話題だけでこれだけ書くのは初めてで大変です。

マンイーターを倒した俺達は一旦家に戻ってからギルドに行った。


クエストの終了確認を取った。

最後に自爆したせいで証拠がそんなに残ってなくて探すのが大変だった。


マンイーターよ。なにか残してから自爆してくれ。


そんなことはさておき。

俺達がギルドを出ていこうとすること1人の街娘の格好をした女性が話しかけてきた。

頭にはフードを被っている。


横にいるのはお友達かな?


その割にはガッチガッチに武装してるけど。


「貴方がナイトですか?」

いきなり名前を呼ばれて少し警戒した。


具体的どのくらいかと言うとこの場にいた全員がこちらに向くほど気配を出した。


「誰だあんた。」

憮然と答えた。すると。


「貴様!我が主に何たる口答えだ!」

横にいたおともだちが叫んだ。

あんまりうるさいと危ないぞ。


ほら、横でカトレアが剣に手かけてるよ。斬る気満々だな。危ないから殺気はしまっちゃおうね。


「良いのです。申し遅れました。」

「私はこの国を統治しております、エレノール・メアと申します。」


フードをとると年齢は17と言ったところか。

優しそうな顔をした女性がいた。


ブロンドの髪にぶるーの瞳。

鼻は高く、顔全体は細い。


何より目を引くのは、地味な格好からでも分かる圧倒的ボリューム。


「女王陛下だぞ!」

「なんでメア様がここに?」

「また、ナイトか。」

「話題に尽きないやつだな。」


最後のは俺はどうしようもないよ。

女王さまが勝手に来たんだもん。



「で、俺になんか用?」


ズドッ


シェリーに横っ腹を抉られた。かなり痛い。


「申し訳ございません。この者は遠くの地方からの出でございまして一般常識を知りません。何卒お慈悲を。」


庇ってくれたのは有難いが横っ腹抉るのは勘弁して欲しい。


「構いませんよ。今は女王としてではなく1人の街娘として尋ねたのですら。」


周りが騒がしくなりすぎたので俺の家で話すことにした。



「改めて自己紹介をします。」

「この国を統治しております、エレノール・メアと申します。」

「冒険者をしているナイトだ。」


「この度ナイトを尋ねたのはちょっとした依頼があったからです。」

「依頼?」

「はい。その依頼は私の恋人役をして欲しいと言うことです。」


は?恋人?ってあの?イチャイチャする?


「説明してもらってもいいか?」

「はい。実は1週間後に縁談を控えているのですがその縁談はあまり気が乗らない相手としなくてはいけなくてですね。相手には諦めてほしいのです。」


「理由はわかったがなんで俺?身近な人の方がいいんじゃないか?それこそみじか、そこにいる兵士でもいいんじゃ?」

「それは、身近な人が女性しかいないことと、兵士だと緊張してお話にならないと言うことです。恋人役には無頓着で欲望が薄い人が適任ですから。」


それは、褒めてる?それともタダの悪口?


どちらにしろアレだな。アレ。


「めんどくさそうだな。」


ズドッ

またしてもシェリーに横っ腹を抉られた。


「女王陛下の恋人役なんて早々に出来るものじゃないのよ。もっと常識を持ったら?」


異世界人の俺に何を言う。

それに、俺に常識は通じないよ?

常識無効(ルールブレイカー)』があるからな。


「そこを何とかお願い出来ませんか?」


女王が少しだけはにかんだ。

いつもはキリッとシャンとしている人がこういう可愛い1面を見せると少しドキッとくる。


「いいけど、恋人なんていたことないからあまり期待はしないでくれ。」

「ありがとうございます。演技は大丈夫です。自然体で構いませんよ。」



ということで俺達は女王の城がある王都へ向かった。


王都はアルベスタから馬車で2日の距離にある。

途中野宿しながらの旅だった。


予定通りに王都に着いた。

それも途中実現したモンスターは全て俺とカトレアで片付けたからだ。

王都の兵士が戦うより数倍早く倒した。


王城に用があるのは俺だけだからミミ達は城下町で遊んでくると言っていた。


俺は応接室的な場所に通された。



しばらくしてドレスを着た女王が現れた。

さっきの街娘の格好も質素で良かったがこちらのドレスも煌びやかさがあっていい。


「おまたせしました。早速ですがこれからの段取りについてお話します。」


「縁談自体は7日後に予定されていてそれまでに顔合わせが3日後にあります。ナイトには3日後に私の恋人役として出てもらって縁談を取りやめまで持っていきたいのです。」


「ですから、ナイトは私をメアと呼んで下さい。恋人が女王呼びではおかしいですから。」


それから、俺とメアが出会った経緯を示すシナリオまで用意してあった。


どんだけ縁談嫌なんだよ。


「それにしても用意がいいな。助かるけど。その縁談相手はどんな奴なんだ?」


そんなに性格が悪いのか?それとも顔?


「そういえばお話していなかったですね。今回の縁談相手は、フェルト・ノーツという街ではかなり評判のいい細剣の使い手です。容姿もそんなに悪くないと聞きます。」

「?今のどこに縁談を断る理由があるんだ?」


評判が良くて容姿も性格もいい。その上、細剣の使い手で強い。


悪いとこなしだと思うがな。


「縁談が成立してしまうと自動的にそのまま結婚することになります。結婚ですよ?結婚は好きな人としたいではありませんか。」


あ、意外と乙女チックな理由だった。

いや、普通に考えればそうだけどどうしても王族ということで考え方が偏っている。


「意外と乙女だな。まぁ、それなら少しはやる気出るかな。」


ただ、そんな完璧人間に勝てるかは分からないが。



それから、3日間。俺はメアと作戦を練った。


そして3日後。

俺は謁見の間と言う場所に呼ばれた。

呼んだのはメアではなくその父親。

エレノール・バルト


俺は謁見の間の扉を豪快に開けた。

と言うよりはそれくらいしないと開きそうに無かった。


中に入ると神官とかが着るようなゆったりとした服を着たオッサンがいた。


「君がナイトだね。メアから話は聞いているよ。」

「あぁ、そうだが?」

「君に1つ言いたいことがある。」


大体内容はわかる。


「メアと別れてほしい。」


やっぱりな。そんな事だろうと思った。


「なぜ?」

「なぜってそれはメアにはもう縁談相手がいるからだよ。」

「だから?そんなの俺達が別れる理由にはならないな。」

「それに、相手は王族。君は一介の冒険者に過ぎんもう少し立場を弁えてたらどうだ?」

「恋に立場もクソもないだろ。恋はしたい者がするものだ。誰かに言われてするものじゃない。」


17歳という若さで将来を決められるメアの身にもなってみろ。


「そ、それはそうだがしかしね。」


バルトがなにか言おうとしたその時。


「良いではありませんかあなた。メアが選んだ彼を信じられないのですか?」


謁見の間の奥の扉、バルトの後ろから出てきたのはメアを少し大人ぽくした感じの女性だった。

メア母、エレノール・リーネ。


「信じない訳ではないがメアには縁談が控えているんだぞ?」

「それがどうしたと言うのです。そんな縁談断ってしまえばいいのです。」

「そういう訳にもいかんだろう。こちらにも面子というものがあるからな。」


「先程も彼が言った通り。恋はしたい者がするものです。そこに面子だとか御家通しの関係とかは関係ありません。」


バルトを圧倒するリーネ。

これが当事者じゃなきゃ面白いんだけどな。


「ナイトと言いましたね。あなたはメアを幸せにする覚悟はありますか?王族と付き合うのは普通とは色々と勝手が違いますよ?」


急に話を振られて少し焦った。


「勿論だ。勝手が違うのはこちらが合わせればいい話だ。そこまで大きな問題じゃ無い。」

「もし、途中でメアを捨てる様な事があれば《色欲》の罪で指名手配ということも有り得ますよ?」

「そんなことは絶対に有り得ない。そんな中途半端な気持ちでメアに向き合うつもりは無い。《色欲》の罪で指名手配?余裕だよ。」


「その覚悟があれば結構です。」

メア母の了承は得られた。


あとはバルトだけなんだが。


「そうだ!ナイトをノーツ君と戦わせてみるのはどうだろうか。」


何を言っているのだろうかこのジジイは。


相手は細剣の使い手だぞ?普通勝てないぞ。

(普通ならな)


「それは、卑怯ではありませんか?彼が勝てないことを見越して言っていますよね。」

「しかし、これぐらいの強さがないとメアは任せられない。メアは将来この国を背負っていくんだ。近くにいるなら強くなければその資格はない。」


バルトはそう言い切った。

あーハイハイ。勝てばいいんだろ?


ということで王国兵士隊の訓練所。

そこで俺はフェルト·ノーツと向き合っていた。

あの能力を出したいのですがそういう場面にならない。

早くあの能力を出したい。

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