11話 水都と???
少し遅れてしまった。
これから頑張ります。
水都アルベスタはアルンの街から徒歩で3日かかる。
だから、今回は帆馬車を使うことにした。
運転はカトレア。
俺は帆馬車の上で盗賊に襲われないか警戒(寝ながら)している。
「あー。楽しみー。」
馬車内ではシェリーが意気揚々といった様子ではしゃいでいる。
「そんなに楽しみか。」
「そりゃそうでしょ。1度行ってみたかったのよね。」
水都アルベスタ。
海に面した土地を都市としていて魚などの魚介類が名物だ。
俺達が道なりに馬車を進めていると盗賊に襲われた馬車が往生していた。
「カトレア。」
「はい。」
俺とカトレアは盗賊に突撃して瞬殺した。
具体的には、俺が魔法で拘束、カトレアが意識を刈り取った。
というような感じ。
俺だとオーバーキルになっちゃうからな。
「爺や!爺や!しっかりするのじゃ!」
中から女の子の声が聞こえた。
声からして穏和な雰囲気ではない。
「どうした。」
「爺やが盗賊にやられてしまったのじゃ!」
見ると初老ぐらいのおじさんが腹から血を滲み出しながら苦しんでいた。
「カトレア。直ぐにミミを連れてきてくれ。」
「既に連れてきてあります。」
仕事が早くて助けるな。
ミミにヒールをかけさせた。
実際、俺の方が使える魔法は多いが白魔法は全くと言っていいほど使えなかった。
(リバイブは修復系だから、使える。)
「終わりました。」
「お疲れ様。」
俺はミミの頭を撫でた。
ミミの尻尾が引きちぎれんばかりに振られる。
「ありごとうございます。私はアルベール家に仕えておりますライムと申します。」
そう言ってライムは一礼した。
「妾の名はレムじゃ。礼を言うぞ冒険者の者よ。」
今気づいたがレムはかなりキャラが濃い。
ライム
性別:男
レベル25
スキル[教育]、[給仕]、[体術]
備考、アルベール家の執事。
レム
性別:女
レベル15
スキル[魔法適性]、[召喚術]
備考、アルベール家の次女。
「俺はナイト。見ての通り冒険者だ。」
ひと通り自己紹介を済ませ俺達はアルベスタに向かった。
「改めて先程はありがとうございます。」
「いや、ただ、通りかかっただけだから気にするな。」
今は運転のカトレアを残して全員レムの馬車に来ている。
「あの、どうしてあんなとこにいたんですか?」
「はい。レムお嬢様のご友人方との勉強会の帰りでした。」
「そうじゃ、そしたらあヤツらがいきなり襲ってきたのじゃ。そこにナイト達が助けてくれたのじゃ。そなたは妾の救世主じゃ。」
そう言ってレムは俺に抱きついた。
何がとは言わないがまだ小さいな。
その後何もなく馬車は進んで俺達はその日の内にアルベスタの街に入ることができた。
レム達と別れ俺達は宿屋へと向かう。
ゲートで家に帰ってもいいが宿に泊まるのもまた旅の醍醐味と言えるだろう。
翌日。
俺達はアルベール邸に呼ばれた。
レムを助けたお礼がしたいとか。
「よく来てくれた。私はアルベスタを統治している、アルベール・ギッシュだ。」
向かいに座るダンディーなオッサンがここの領主だ。
アルベール・ギッシュ
性別:男
レベル60
スキル[剣術]、[体術]、[闘気]、[加速]
備考、アルベスタの領主。2児の父。
[闘気]
発動時に覇気より強い威嚇作用がある。
[加速]
瞬間的な移動が可能になる。
「俺はナイト。冒険者だ。」
「ナイト様の奴隷。ミミです。」
「パーティーメンバーのシェリーです。」
「ご主人様の奴隷。シア。」
「同じくご主人様の奴隷。カトレアです。」
「ナイト君この度は娘のレムを救ってくれてありがとう。なにか、お礼がしたいのだか何がいいかな?」
「そーだな。家が欲しいな。」
何がいいかと聞かれれば家が一番欲しい。
「屋敷だね。直ぐに手配させよう。」
アルベスタに拠点を持てばポータルでメイド達をこっちに連れてこれるからもらっておいて損はないだろ。
勿論アルベスタでも冒険者は続ける。
この日俺達は5つのクエストをこなして宿に戻った。
領主から屋敷の手配ができたと言うので荷物を屋敷に運んだ。
真新しいベットだと中々寝付けなかった。
翌日。
「さて、これからどうする?」
「クエストやらないの?」
「それは昨日たっぷりやったろ?」
「じゃあ、食べ歩きしましょ!実は昨日のうちにいい店を探して置いたんだ!」
なんという準備のよさ。食い意地貼ってんな。
ということで俺達はシェリーが探してきた店に向かった。
店内はまだ昼時には早いのに沢山の客がいた。
「結構繁盛してんのな。」
「そりゃ、今、アルベスタで注目のお店よ!当たり前じゃない。」
あ、はい。
俺が頼んだのは海鮮のパエリア。
ミミは魚の定食。
シアとシェリーは沢山頼み過ぎて分からない。
カトレアはシーフードピザ。
運ばれてきた料理はかなりの絶品料理ばかりだった。
料理を食べていると違う席から会話が耳に入ってきた。
『双子山のドラゴンが目覚めたってホントか?』
『あぁ、今日帰ってきた奴がそう言っていた。』
『じゃあ、早くてギルドに報告に行った方がいいんじゃないのか?』
『ばか。俺達が行ってもまともに相手してくんないよ。だから、今日中にこの街を出るぞ。』
なにやら良くない会話が聞こえてきた。
しかし、この時は不確定の範疇だったこともあり無視した。
ドラゴンの1匹程度瞬殺できるから問題はない。
料理を食べ終えて街の散策に出かけた。
翌日。アルベール邸から鳴る鐘の音で起こされた。
「何の騒ぎだ。」
「はい。ギルドの方で騒ぎが起きているようです。」
いつもの戦闘服に着替えたカトレアが説明した。
ギルドに向かうと冒険者がかなりの量集められていた。
と、そこにアルンのエルボより髭面なオッサンがみんなの前に立った。
「みんな聞いてくれ!今、この街にドラゴンが向かっている!」
その言葉に周りが騒然とする。
「落ち着いて聞いてくれ!今から避難すればまだ間に合う。馬車を持っている冒険者は老人や女子供を連れて避難してくれ。以上。解散!」
その言葉を受け多くの冒険者が避難の準備を始めるために宿屋に走っていった。
残ったのは俺達ともう1組だけだった。
「ドラゴンってそんなに怖いのか?」
「そうですね。ドラゴンは100年に1度目を覚ますと言われていて目を覚ますと近くの街に甚大な被害が出ると言われています。」
俺とミミ達とでドラゴンの認識がちょっと違うみたいだ。
俺からすればドラゴンなんてただのデカい的でしかない。1回の攻撃は強力かつ広範囲だがその範囲から逃げれば当たることはないし当たらなければ高火力も意味を持たない。
そんなドラゴンが怖いというのは理解しがたい。
「あの、少し宜しいでしょうか。」
話しかけてきたのは残ったもう1組の女性だった。
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ナイト・コア
レベル100
スキル[剣聖]、[体術]、[覇気]、[魔法適性]、[根性]、[神眼]、[関節攻撃無効]
能力『常識無効』『???』
ミミ
レベル30
スキル[魔法適性]、[料理]、[幸運]、[魔力増量]、[白魔法特化]
シェリー
レベル32
スキル[弓術]、[逃走]、[大食い]
シア
レベル45
スキル[隠密]、[魅了]、[体術]、[拷問耐性]
カトレア
レベル50
スキル[剣術]、[体術]、[覇気]、[魔法耐性]、[魔法適性]
はい、ドラゴン出てきました。
どうやって倒そうか考えています。
あ!アレ使お!