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短編、第六の仲間、イリス

私の名前はイリス。

今は主の護衛を主にしている。


と言っても、主は私が守る必要がなおほど強いよだが...。


元は盗賊の頭だったのだ。

それは、一瞬の気の迷いだ。


両親に家を追い出され途方に暮れた私が取った行動は盗み。

初めは1回だけのつもりだった。

けど、やめられなかった。


気づいた時には盗賊団なんてものを立ち上げていてその頭になっていた。

私は特別強いというわけではなかったが戦いになると力が湧いて少しの間だけ戦うことが出来た。


転機が訪れたのは一つの村を襲撃したとき。

その村には米という食材が名産で頻繁に貿易が行われている。

収穫時期になってから私達は襲撃した。


これが後の仇となることも知らずに。


やはり村の住人はその辺の村より数段いい生活をしていた。

私も元はこれよりいい生活をしていた。

しかし、今は盗賊などという悪事に手を染めている。


それを考えると急に腹立たしくなった。

だから、村の金品を全て奪い人質をとった。

その頃には米のことなどどうでも良くなっていた。


村を襲撃して数日。

冒険者の馬車が村に入っていったとの報告があった。

人数は6人と大分多いがその殆どが女だという。

唯一男なのが黒ずくめの男。


剣を腰に指し黒い外套を来ている。

冒険者という割には防具などは付けていなかった。

しかし、こうして外に出て冒険者をしているということはBランク以上であることは確実。


たかがBランクとこの時私は侮っていた。

報告されてまもなくして男がやってきた。


外で部下達が騒いでいる。

「人質と資源を置いていけば殺しはしない。」


私はほくそ笑んだ。

ここにいるのはざっと100人。

気配からして相手は1人。


実に滑稽だと思った。

冒険者になりたての初心者が自分は強いと思い込んで1人で乗り込んできたと考えた。


なら好都合。

徹底的に叩きのめしてホントの冒険者というものを示してやろう。


この時の私は正直調子に乗っていた。

だから、一人で挑んだりした。


その結果、惨敗だった。

私の能力を暴かれ長期戦に持ち込まれた。

短期戦を得意とする私からすれば卑怯とも思った。


戦う前に約束したから私は男の言いなりになることになった。

調子に乗った罰だったんだ。

自分は強いと優越感に浸っていたのは私のほうだった。


しかし、男はただ、『仲間になれ。』とそういった。

意外だった。

自慢じゃないが私はそれなりのプロポーションを持っていると思っていた。

しかし、男は私の体には目もくれなかった。

今となってはその理由も理解できるが...。


それでもまぁ、変なことをされるよりずっといい。


私は主の配下になることを誓った。

部下たちは私が倒されたことにより降伏。

憲兵所に行くといってた。


申し訳ないな。

元はと言えば私がやりだしたことなのに私だけが助かってしまった。


「あまり、気にするなよ。あいつらはイリスだけは助けてくれと言ってきたんだ。あいつらの意をくみ取ったまでだ。」

「貴殿はそうして彼らは私を助けようとしたんだと思う?」

「さぁ、俺には分からないが、これだけは言える。楽しかったんだろうな、お前と一緒にやるのが。」

「なら、よかったのか...。」


主からの返答はなかったが私じしんそれでいいと判断した。



ある日、ふと疑問に思ったことがあったので聞いた。


「主は、ミミ殿のことをどう思っているのだ?」

「いきなりなんだよ。」

「いや、少し気になったのだよ。話を聞くに主とミミ殿はシェリー殿が加わる前から一緒にいると聞いたが?」

「...誰から?」

「それは言えない。言ったら主は殴りに行ってしまうから。」

「まぁ、いいや。ミミは正直かわいいと思う。」

「それだけ?」

「ほかになにを望んでる?」

「いや、好きなのか嫌いなのか聞きたかったのだ。」


すると、

「.........」

主は黙り込んでしまった。


「どうかしたのか?答えずらい?」

「好きか嫌いかで答えれば好きだ。けど、俺じゃミミを幸せにはできない。」

「なぜ?」


「前に言っただろ。俺の過去はそんな簡単に覆せるものでも忘れていもんじゃない。純粋なミミと恋人どうしになるには手が汚れすぎてる。」


そう。主はいつも気にしている。

自分の過去は決して明るいものではないと常に言っている。

しかし、私はそんなの関係ないと思う。

なぜなら、人を幸せに出来るかどうかはその人の頑張り次第だと思うからだ。


例え主の過去が真っ暗でも幸せにしたいと思えば幸せに出来ると思う。


「関係ないと私は思うが?」

「イリス達に関係なくても俺が嫌なんだ。」


私の主はこういう人だ。


男というのは下半身だけで動く生き物だと思っていたが主と過ごしてその認識は変わった。

いや、主が優しすぎなだけかもしれないが私は男の中でも主は特に優しいということにしている。


世の中の男全てが主のように紳士なわけはないのだから。

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