86話 最終準備
鳳国の避難も終わり 、準備は最終段階まで来た。
「そろそろか。」
数多くの気配がこちらに向かって走り出している。
「いいか!これから神々の眷属と衝突する!眷属とは1対5以上で迎え撃つこと!絶対に単騎で動くな!」
俺はすぐ後ろにいる帝国、王国の王族軍とそれぞれの私兵に向かって言い放つ。
さっきも言ったがこれは準備段階。
本番は神との直接対決。
サーヤを裏切ったザラキの行方も気になる。
ま、アイツが味方になることはないから警戒だけしとけば十分か。
俺以外のシェリーやカトレアはもう自分の配置についている。
後は眷属達が見えて開戦の合図をするだけ。
(まさか、こっちでも神と殺り合うことになるとはな。)
正直苦笑するしかない。
前世、まだルシファーとしてやっていた頃、宿命として全能神と戦った俺は見事敗れた。
そん時は力不足だと自分を納得させ引いた。
けど、今回は引けない理由がある。
負けられない理由がある。
勝たなければいけない。
「ナイトさま。あと30秒で視覚距離まで来ます。」
いつの間に後ろにいたシロが言う。
「行くぞ!」
俺は開戦の合図として空に一発の花火大の赤魔法を放った。




