表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/119

番外編、とある村での出来事─2

辺境の村で少し生活することになった俺は近くの森にいた。


「おー!モンスターの種類は豊富だな。」

通常、森と言うのはある一つのモンスターの巣だったりする。

だから、一種類しかいないことが多いがこの森は、モンスター全体が協力し侵入者を排除しようとしている。


俺からしてみれば新鮮な光景だ。

モンスターが別のモンスターに餌をやり、世話をする。

普段なら見られない光景だ。


他のモンスターの世話をするということは戦闘も共闘するということだ。


俺の目の前にいるのは昨日のバーンウルフとホーンラビット、タルラというゴリラに似たモンスターだ。


バーンウルフは火力担当、

ホーンラビットは素早さ担当、

タルラは防御担当。

というようにそれぞれの得意分野を活かして戦闘に望んでいた。


これらのコンボは歴戦の兵士でも負ける危険性があるコンボだ。


実際、俺だって一応苦労はした。

バーンウルフは一撃で倒さなきゃいけないしそれにはまずタルラを倒さなきゃいけないしそのあいだもホーンラビットが心臓目掛けて突進してくるし…と面倒臭かった。


他にも、タルラ+シェルタートル

バーンウルフ+ガードゴブリン


とかとにかく面倒臭い組み合わせのオンパレードだった。


全部狩り終わる頃には普段の数倍は疲れた。


「ナイトさんお帰りなさい。」

「ただいま、これが今日の成果かな。」


モンスターの素材を全て並べる。

「こんなに狩って来たんですか!しかも、この短時間で?」

「短時間っても1時間くらいはかかったぞ?」


それぞれのモンスター単体ならそんなにかからないんだけど。


「私はこのタルラとかシェルタートルとかを見かけたら全速力で逃げますね。私だとかすり傷一つ付けられないですから。」


まぁ、アナのステータスを見ればそうなるのはしょうがない気がするけど。


アナ

性別:女

レベル:32

スキル[採集]、[幸運]、[逃げ足]、[料理術]

能力《生物保護(プロテクション)

備考、能力により生物への攻撃力-50%


という生物に優しいステータスとなっている。

アナの能力は生物を傷つけないようにするための能力だ。

これではホーンラビットすら倒すことは出来ないだろう。


俺くらいの攻撃力、スピードがあればゴリ押しで倒せるかもだけど。

アナは普通の人間の女の子だからそんな超人じみた力は持ってない。


「俺がいる間はこういう風になると思うぞ。」

「あ、でもあまり乱獲はしないでくださいね。森が寂しくなるのは嫌なので。」

「了解。」


こういうところが《生物保護(プロテクション)》なんだろうな。


夜になり民家からランプの明かりが漏れ出す。

「いつもランプを?」

「はい。この村には魔法適性を持つ人がいないんです。だから、こうして従来の油のランプで明かりを確保してるんです。」


油ランプはランプのそばですらまともに文字なんかが見えないほどの明かりだ。

この暗さの中で生活するのは危険すぎる気がする。

馴れればそんなことないのかもしれないが足元もまともに照らせてないのだから危ないとかのベクトルではないのかもしれない。


それにしても、魔法適性がないとここまで大変なのか。


『暗い』

その一声で部屋中が明るくなる。


「これが白魔法、『ライト』だ。」

「明るいですね。初めてライトの魔法を見ました…。」


「俺がいる間は全ての民家にこの位の光を置く。俺が居なくなったあとは魔石を触媒として機能するランプを置いておく。それでも構わないか?」

「はい!至れり尽くせりです。ありがとうございます。」


不便な生活を改善するのも大事だ。

安定1番でゆっくり発展というのもいいがそれまでに危険なことが沢山だったら発展どころではない。


「もう。寝ましょうか。」

「分かった。」


俺とアナはそれぞれの部屋に向かう。

俺の部屋の向かいがアナの部屋だ。


「それじゃおやすみ。」

「おやすみなさい。」


おやすみと言ったが俺は少し気になることがあった。


この村についてだ。

昼間、この村の周辺を探索してみたがどこまで行っても森が続いただけだった。

[反響]スキルを魔力限界まで使って調べたが少なくとも、半径50キロ以内に他の街などは見当たらなかった。


ゲートを開こうにも開かない。

ゲートだけ機能しなかった。

他の魔法、能力、スキルはちゃんと機能したのにゲートだけ機能しなかった。


まるで、俺をこの村に閉じ込めようとしているかのように。

仮に俺をこの村に閉じ込めて何をするつもりなのか…。

周りに俺的に危険なモンスターはいないし、この村も別に飢饉だとか、疫病が流行っている訳ではない。


至って普通の村。

そもそも、俺の魔力を抑え込める力があれば正式にどっかの国の宮廷魔導師くらいにはなれる。


そうすればこんな無駄なことをしなくてもエリート道まっしぐらだ。


「ほんとにわけわからん。」

そのまま俺は目を瞑って寝た。


どれくらい経っただろうか。

ふと、背後から気配がして目が覚めた。

しかし、その気配は何をするでもなく俺のそばにいるだけ。


[反響]スキルで探ってみても寝巻きに枕を抱いているだけの格好。

刃物など俺を殺せるような武器ほ持っていない。


「?アナ?どうした。」

そばに立っていたのはアナだった。


「あ、すいません。起こしてしまいましたか?」

いやまぁ、そんなそばで気配漂わせられたらそりゃ起きるわ。


「あの、ナイトさんにお願いがあります。」

アナは急に改まった声で言った。

「あの、その、えっと、」


恥ずかしいのか躊躇っているのかなかなか言い出せない。

そのうち意を決したように言った。


「私と一緒に寝ていただけませんか!」

決して大きな声ではなかったがしっかりと聞こえた声。


「あ、でも、ナイトさんが嫌ならいいです。」

「別に構わないけどなんで?」


さっきまでそんなことを漂わせていた訳でもなくてほんとにいきなりの出来事だった。


「ナイトさんが来る数日前まで私は祖母、祖父とこの家に住んでいました。けど、祖父母が歳で亡くなって私1人になってしまいました。それで...人肌が恋しくなったと言いますか…寂しいと言いますか…。」


なるほど。そういうことか。


「アナがいいなら構わないぞ。あーけど、このベットじゃ狭いからアナはこのベットで寝てくれ。」

「ナイトさんは?」

「床」


「いえいえ!そんなの悪いです!ナイトさんは私だけじゃなくこの村のお客さんなんですから!狭くてもいいのでベットで寝てください!」


そこまで言われて床で寝るのもアレだ。

出ようとしていたベットに再び戻ってアナが入ってくる。


アナとの距離が近い。

アナの髪が目の前にある。


アナはお世辞にも高身長とは言えない、どっちかと言うと小さい。


俺を175とした時、アナは多分155前後だと思う。

しかも、向き合っているためお腹辺りにアナの女の子の部分が当たる。


ここでアナを襲わなかったのは男として褒めて欲しい。


「ナイトさん?起きてますか?」

「起きてる。」

「私の独り言なので聴き逃してください。」


アナは昔話を語った。


「私はある村に産まれました。母と父の顔は今でも覚えています。何不自由ない生活でした。幸せに暮らしていた私を襲ったのは突然の両親の死でした。」

「モンスターに襲われたんです。普段の2人なら勝てた相手のはずなのに両親はやられた。先程もお話したようにこの村には魔法適性を持つ人がいません。ので、結界なども張ることが出来ません。モンスターと密接な関係にあるこの村はいつモンスターに襲われるか分からないんです。」


「なにが言いたいのかと言いますと…ナイトさんは急にいなくならないですよね。」


アナと目が合う。

その目には涙が浮かんでいた。


「ナイトは父にそっくりなんです。喋り方も一つ一つの行動も、初対面の人に対する優しさも。全て父にそっくりです。」


俺と父親を重ねたわけか。

通りで違和感があると思った。アナの目が客人を見る目ではなかった。

その目は、古くからあるの友人またはそれに準ずる人を見る目だ。


「多分アナの両親が殺られたのは、スネークだろ。」

「!どうして分かったんです!」

「あの森で慣れ者が死ぬ可能性があるとしたらスネークだけだ。スネークは暗殺を得意とするモンスターだ。相当な気配察知がないと熟練の兵士でも死ねる。」


スネークは暗器を持った人形モンスターだ。

その隠密スキル、暗殺スキルは本職の暗殺者を優に超える者もいる。


あの森にはそんなモンスターが沢山いた。

今までアナがよく襲われなかっと思う。

スネークは漁夫の利が得意だ。


モンスター同士が戦って勝って瀕死の所を狙う。

だから、不思議だったんだ。


「俺は普通より気配察知は強いしそういう暗殺者に対応出来る程度の実力はある。今日渡した素材の中にスネークの暗器とローブなんかが入ってたと思うが?」

「すいません、暗器が分からなかったです。」


まぁ、スネークの暗器が見えるのは実際スネークの暗殺を防ぎスネークに勝った時だけだから目にしないのも当然か。


「まぁ、そのなんだ、俺は急に居なくなったりしないから安心しろ。帰る時は帰るって言うから。」

「絶対ですよ?」

「あぁ。」

それを最後にアナは俺に抱きついたまま寝た。


しかし、アナとの約束は果たすことは出来なかった。

理由は起きたら目の前に白い耳が見えたから。

アナの髪は茶髪だ。白くない。


少し下に目をやるとミミが俺に抱きついて寝ていた。

俺が寝ている場所も庭の木陰だ。


「?あれは夢だったのか?」

にしてはやけにリアルな夢だった。


現在の時刻は昼。

どうやら俺は昼寝の途中?だったらしい。

屋敷の玄関近くの木陰。


玄関からも見えるし門からも見えるプライバシーもへったくりもない場所。

昼寝にはぴったりなんだけど。


俺がそんなことを考えていると門の前に人影が見えた。


ミミを起こさないようにそっと門まで行く。


「あの、ナイト様の屋敷で間違いないですか?」

その少女を、見て驚いた。


茶髪を後ろで2つに三つ編みして麦わら帽子を深く被ったその姿には見覚えがあった。


「あぁ、間違いない。俺がナイトだ」

「初めてまして。私はアナ。辺境の村から個人依頼をしにきました。」

祝100部!


これまで『最強は異世界でも最強ですか?』をご愛読して下さっている読者様にこれまでにない程の感謝を。


2017年11月12日から初めてもう100部を書き上げることが出来たのは偏に応援して下さっている読者様のお陰です。


ありがとうございます。

そして、これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ