10話 開花とランクアップ
最近寒い日が続いて毛布から出たくなくなります。
外に出たくないでござる。
ゲートでギルドに戻った。
「ナイト様!おかえりなさいませ。」
1番最初にミミが飛び込んできた。
余程心配したんだろ。
半泣きである。
「おかえりなさい。意外と早かったわね。」
「あぁ、モンスターフェスの元凶を潰したら遅くなった。」
「どんな奴だった?」
「ウル・キマイラだった。でも、攻撃速度は遅いからシアでも倒せたと思う。」
まぁ、その分攻撃力が高いんだけどな。
「ナイト。よく帰った!それと、まだ、モンスターフェスを警戒する必要はあるか?」
「いや、ない。元凶を潰したから収まると思うぞ。」
「そうか。本当にありごとう。街の皆に知らせてくる。」
そう言ってエルボは今も警戒している冒険者達の所に向かった。
それから数分後警戒は解かれ街中に安堵の空気が流れた。
俺たちは救世主として宴会に呼ばれた。
俺は数分だけ一緒に飲んで直ぐに家に戻った。
仲間との時間も大切だよね。
「あ、ナイト。おかえり。」
「全く毎度騒がしい連中だよ。」
「それが冒険者っていうものよ。」
今更ながらこの世界は凄いと思う。
この世界は冒険者を軸に色々な職業がある。
つまり、冒険しているだけで生活できるということだ。
しかも、冒険しているだけで消耗してくるものは絶対にある。
それを作る、揃えることで生計を立てている人もいる。
無意識に自分のしたいことをしているだけで人に職ができ、お互いに生活出来ている。
『無意識な人助け』が出来る世界とは素晴らしいものだ。
前の世界では、冒険というのは団体又は、国からの要請があった場合のみ行っていた。
それは、わざわざ命を落とす様な行為をする必要性がない。
という所から来ているのだと思う。
前の世界はここより数段文明が進んでいる。
だから、冒険者はあまり居なかった。
俺の場合、国からの正式な依頼があったからしていた。
それも一応は人助けだが無意識ではない。
まぁ、今はこの世界を楽しもう。
前の世界のような詰まらない日常とはおさらばしたいな。
「そういえばカトレアは?」
てっきり出迎えてくれると思ったんだかな。
「カトレアなら部屋に引き篭もっちゃったわよ?なんか変なものが見えるとか。」
幽霊でも見えたか?
いや、それなら幽霊嫌いのシェリーがこんな冷静でいるわけない。
とりあえずカトレアの部屋に行ってみよう。
「カトレア。俺だ。入るぞ。」
俺は返事を待たずに部屋の中にはいった。
「ご主人様。」
そこには涙目でこちらを見つめるカトレアがいた。
「私。ご主人様と宴会場で別れてから変なものが見えるようになってしまったんです。」
「具体的に何がみえる。」
「なにかの数字と文字です。『すきる』とかいてあります。」
カトレア
性別:女
レベル:35
スキル[剣術]、[体術]、[根性]、[覇気]、[魔法耐性]、[魔法適性]、[神眼]
備考、神眼スキルにより相手のステータスを見ることが出来る。
なんと。カトレアがステータスを見ることが出来るようになっていた。
[神眼]は神族じゃないと発現しないスキルのはずなんだがな。
カトレアのスキルを見てもそれらしき表示はない。
けどまぁ、悪いことではないから今回は無視でいいか。
「大丈夫だ。それはステータスだ。試しに俺を見て数字と文字を読んでみろ。」
「はい。分かりました。」
ナイト・コア
種族:???
性別:男
レベル100
スキル:[剣聖]、[体術]、[覇気]、[魔法適性]、[索敵]、[神眼]、[根性]、[間接攻撃無効]
能力:『常識無効』『???』
備考、関節攻撃無効により魔法、弓矢などの攻撃は無効化される。ただし、人間が放ったもののみ無効化される。
[剣聖]
剣術の上位互換。
[神眼]
相手のステータスを見ることが出来る。
[間接技無効]
自分に向かって放たれた間接技を無効化する。
「それが俺の強さの要因だ。」
「こんなにスキルをお持ちだったんですね。あ、でも能力欄に『???』とありますがこれは?」
「それは、まだ秘密だ。いずれわかる。」
「では、私がすてーたすを見れるようになったのは何故でしょう。」
「それは、神眼スキルによるものだ俺にもあるだろ?」
「ご主人様と一緒...。」
カトレアは顔を真っ赤にして動かなくなった。
気にしなくなったぽいからそっとしておこ。
モンスターフェスから4日後。
街は未だにお祭り騒ぎだ。
いつも賑やかな中央通りは屋台が並びいつも以上に騒がしい。
人混みをくぐり抜けギルドにむかう。
「お!ナイト。来たな。ほれ、Bランク証明書だ。」
そう。今日はBランクになるために証明書を受け取りに来た。
モンスターフェスを止め被害を最小限に抑えたことが賞賛され今回Bランクに上がることとなった。
モンスターフェスを止めた時一緒にいたカトレアは俺の奴隷なので主人が上がれば奴隷も自動的に上がるそうだ。
「Bランクになったから他の街でもクエストを受けることが出来るぞ。」
これが一番の目的。
Cランクまでは初めてクエストを受けたギルドでしかクエストを受けることが出来なかったがBランクからは始めていく街でもクエストを受けることができるようになる。
「気をつけろよ。あと、たまに戻ってこい!お前はアルンの救世主なんだからな。」
「分かった。そうする。」
ここはアルンて言うのか。初めて知った。
俺は旅支度をするために家に戻った。
「ご主人様。次はどこ行くの?」
旅支度を終えたシアが話しかけてきた。
というかシアの場合元暗殺者なので手持ちの荷物が少ない。
「そーだな。どこか行きたいとこは、あるか?」
思い浮かばなかったら聞く。これ便利。
「特にない。」
あ、はい。
シアはそういう欲があまりないようだから期待はしていなかった。
「あ!アルベスタに行きたい!」
今度はシェリーが寄ってきた。
「いいですね。私もいきたいです。」
「アルベスタってどんなとこだよ。」
「水都と呼ばれ水産業が盛んな街です。」
「そこでしか食べられない料理があるしね。」
多分シェリーの目的はこっちだろ。
いつの間に俺の後ろにカトレアが立っていた。
別に気配を消す必要は無いよ。
「んじゃ、そこにするか。」
ということで次の目的地はアルベスタに決まった。
「出発は明日。それまでに支度を済ませるように。」
「わかりました。」
「はーい。」
「もう出来た。」
「私もいつでも出発出来ます。」
それぞれの返事を聞いて俺は自分の支度に取り掛かった。
今回は今作の主人公のステータスを初お披露目しました。
ステータスから分かる通りかなりのチートですね。
なんてったって『常識無効』ですからね。
あとひとつの能力はまた後々わかるかと思います。(多分)