ゲームを始めよう
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地の文の一部の「私」を「零」もしくは「レイ」に変更しました
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土曜日。サービス開始当日。
サービス開始は正午。
自分の部屋に戻り、義父から貰った小さな箱を開ける。
箱の中には、白い小さな小さなカードのような物が入っていた。これがゲームのダウンロード用カセットらしい。
義父の説明によると、本来はヘッドホン型の本体に、
カードを挿してダウンロードするらしい。本体は、結構高めでまだ五万はくだらない。
だが、零の場合は特別だった。
『零はそのヘッドホンに挿し込めばいい』
『AR用でも大丈夫なの?』
『問題無いよ』
生まれつきの弱視だった零は、AR用のヘッドホンを付けないと、黒板も見えない。そのため、ヘッドホンを義父に頼んだら、RIKUが全力を挙げて製作した物を貰った。
そのヘッドホンは買った扱いらしいのだが、領収書を見た義父の顔の引きつりは今でも覚えている。
義父いわく、
『RIKUの全力の悪ふざけの結晶だ』
とのこと。
結果的に超多機能になったヘッドホンは、VRも対応しているらしい。そのため、零は自分のヘッドホンでゲームをすることができるのだ。
ヘッドホンの耳の部分を開き、カードを入れる。
ヘッドホンを起動し、頭に被ってベットに横たわる。
ゲームをやるのはかなり久しぶりだし、VRはやったことがない。零はワクワクしていた。
はやる気持ちを抑えて、チラリと時計に目をやる。
11時59分。サービス開始まで後1分。3、2、1———
「———VRモード、起動」
意識が落ちていく————
ちなみに、本体を使う場合は
「スタート アップ」
です。