プレゼント
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地の文の一部の「私」を「零」もしくは「レイ」に変更しました。
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「なあ、零。ゲームをやらないか?」
食事中に突然義父から告げられた。ゲームかぁ。ほとんどやったことないなぁ。
「零もやらせてもらえるの?」
義姉の美代が嬉しそうに聞く。
「ああ。頼み込んだら許可が下りた」
「やった!」
「これで3人でできるね」
義妹の莉子も嬉しそう。三人で?何を?
「ゲームって何するの?」
「VRMMOだよ」
「え、まさか、あの?」
「そう、お父さんの会社のやつさ」
義父はゲーム開発者でRIKUに勤めている。そして、そこのVRMMOってことは——
「——Walk My Way Onlineのこと?」
「ザッツライト!」
Walk My Way Online——それは少し前に発売されたばかりのVRMMOでとんでもない人気を誇るらしい。前に義父が自慢げに話していた。
実際にすごく売れているらしく、今日の学校からの帰り道にも、電気屋さんの前に大行列ができていた。
「でも、どうやって手に入れるの?在庫全然ないんでしょ?」
「もともと社員には一個ずつ配られるんだ。だけど、手違いで一個余ったらしくて、頼み込んでもらって来たんだ」
「でもそれだと二個しかないよ?」
「莉子がβテスターで貢献度が高かったから一個もらってるんだ」
へえ。莉子テスターだったんだ。そういえば前そんな話ししてたなぁ。
「つまり、これで3人でできるってことよ!」
美代が興奮してる。そんなにやりたかったのだろうか。
「分かった。私もやるよ」
「「やったー!!」」
「ただ、私ネトゲ全然やったことないから、教えてね」
「お安い御用、なんだよ!」
こうして零はゲームをすることになった。