終章-3
「次は、栃川小学校入口、栃川小学校入口」
8時51分。
予想通り私たちは、3本目のバスに乗ることができた。
栃60系統、さくら高校前経由立花台行き。さくら高校生御用達のバスの車内には、文化祭2日目のお祭りモードが漂っている。
運転席のすぐ後ろに、井上さん発見。
他のクラスの子と何か話してるみたい。
「改めて言うけどさ、井上さん、結構コミュ力高いよね」
試作会にも付き合ってもらったし、昨日も調理担当に付きっきりで指導してもらったし。
後で聞いたけど、井上さんの指導は結構上手だったらしい。焦がした本数はなんと0本。
しかし、香織は少し悩んでから、こう言った。
「うーん……井上さんもコミュ力高いけど、販売担当だった私から言わせてもらうと、すみれちゃんも結構コミュ力高いよ?」
え?今何て言った?
私のことをコミュ障って言ってた香織が、コミュ力高いって?
「だってさ、みんなの意見聞いてまとめたり、シフト表作って配ったり、色々やってくれたじゃん。当日も色々教えてくれたし。クラッカーやろうって言い出したのもすみれちゃんだし」
そう言われれば、確かにそうだった。
中学時代の私だったら、こんな活発に動いたりできなかった気がする。
3年D組、文化祭代表生徒。
この役職が、私を一歩成長させてくれたんだ。
ありがとう、3年D組。




