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サンデー・ブルース 3年D組の団結力  作者: 中村千歳
序章 1番乗り場に、高校生の姿はない
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序章-2

【6月11日 月曜日 高木(たかぎ)すみれ】


 愛岡(あいおか)から地下鉄に乗って、1つ目の栃川で降りる。階段を上って西口へ。駅ビルを抜けると、バスターミナルへ続く通路がある。

「あっ、香織」

「おはようすみれちゃん」

 栃川駅西口バスターミナルの下の通路で、同級生の寺崎(てらさき)香織(かおり)と待ち合わせ。

 今日は8時30分に着いた。間に合うかな?


「それにしても混んでるね」

「そう?もう慣れたけど」

「3年目だもんね」

 他愛のない会話をして、時間をつぶす。

 やがて、列が動き出した。階段の下からではよく見えないが、どうやらバスが到着したらしい。

「今日は何本目で乗れるかな?」

「3本目くらいじゃない?」

「えー。2本目で乗れないと遅刻しちゃうよー」

「そんなこと言っても乗れませんよー」

 階段に差し掛かったあたりで、動きが止まる。

 今日はもしかしたら、遅刻を覚悟した方がいいかもしれない。


 栃川駅西口の4番乗り場。

 他のバスターミナルは知らないけど、このあたりではかなり混んでるほうだと思う。少なくとも、栃川駅西口のターミナルの中では、4番乗り場が一番混んでる。

 さくら高校の近くには、電車が全然通っていない。歩いて行こうとすれば、一番近い栃川駅からでも30分はかかる。

 だから、さくら高校の生徒は、みんなバスに乗る。JRと地下鉄が通っている栃川駅からバスに乗れば、さくら高校前まで10分。バスを降りて、坂を2分くらい登れば、正門に着く。

 よほどの体力バカでない限り、あとよほど家が近くない限り、必ずこのバスに乗る。

 だから4番は、こんなに混んでるんだ。さくら高校生なら常識。


 まさか、1番乗り場から変な方に行くバスに乗って、栃川警察署下で降りて、上り坂をわざわざ10分歩く、なんてバカはいないよね?

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