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君はあの日この世界から消えていった

作者: お茶

ミーンミーンミーン……


8月2日私達の団地でお祭りがある


団地には昔からお狐様が守っているらしい


8月2日…言い伝えではお狐様が死者達を大切な人達に1日だけ会わせてくれるらしい


そのことがきっかけでお祭りがある


私はその言い伝えを正直信じてはいない………



ー家ー


8月2日はどこの部活もお休みになる。なぜならお祭りの日だから………

「お狐様……居るなら……」

あの日あの時私は………


***

*一年前*天狐神社*

8月1日私はお祭りの準備をしていた、私は毎年お手伝いをしていた。

「アヤ!こっちは終わったよ」

後ろからダンボールを持った光君が来た。

「コウ君早いね、私はまだまだなんだ…」

半分くらい残っている飾り……

「僕も手伝うよ」

ニコッと笑って光君は私と一緒に作業をし始めた。

二人で作業をしていたため、数分で終わった。

「ありがとう、あの、明日一緒に回らない?」

私は思い切ってお誘いしてみた、光君は嬉しそうに

「うん、僕も言いたかった!」

ニコニコと笑いかけてくれる光君、私は今少し赤面になってるはずだ。

「あ!そうだお参りしてから帰ろ?」

「いいね」

ダンボール箱などを片付けて私達はお参りした。

「明日、楽しみだね」

「そうだね、僕も楽しみだよ」

鳥居を出たあと私達は笑いあって分かれ道まで一緒に帰った。


あの時、遠くの方で“お狐様”がいたようなきがした。



***


*家*


その夜電話がかかってきた…


“光が帰ってこないから何か知ってない?”


光君のお母さんからかかってきた電話だ、私は二人で途中まで帰ったことを教えた。光君のお母さんはありがとう、と言って切った。

「どうしたのかな?」

私は疑問に思いながら寝た。


次の朝衝撃的なことを母親から伝えられた……


“光君が死んでしまった”


原因は溺死

死亡推定時刻は深夜1:49…つまり8月2日



理由はわかっていないらしい……発見場所は神社の隣に流れている川……

私は泣いた…本当はお祭りの最後に“告白”する予定だったのに……

私はお祭りに行かなかった…悲しくて悔しくて…

あの時、私は家まで行ったら死んでなかったのに……

お祭りは少し静かだったことを友達から聞いた…

***


今日は光君が死んでから一年経つ……

「手紙届いてるわよ?」

お母さんから白い封筒を受け取る。

私の名前しか書かれてなかった、差出人は……


“前川 光より”


死んだはずの光君からだった……

「嘘…で…しょ?」

私は急いで手紙を開封した、黄色の紙に綺麗な字で


“今日の9時に神社の裏山の秘密の場所で待ってるね”


間違いなく光君だ、秘密の場所……つまり私達しか知らない特別な場所…神社の裏山を少し登ったところに街を見渡せる崖が私達の秘密の場所……

「嘘…だよ…ね?」

声がだんだん涙声になる、次第に涙も出てきた…

もういない人が私に手紙を出してくれた…

今の時刻は夕方5時56分……私は急いで準備をした、久々に浴衣も着てみた。

「光君と行くために買った浴衣…ずっとタンスに入れてたけど大丈夫見たいね…」

光君が死んじゃってから髪の手入れも服装も適当になったから髪は少しくせ毛になっていた。

「よし、これでいいかな」

髪を綺麗にして、巾着袋に財布とハンカチ念のため手紙も入れて家を出た。

家から神社までは歩いて10分程度かかる。

神社についた時間は夜8時くらいだった。

「いろいろと賑やかだな……」

まるで私と違う世界にいる見たい、私はあの日から何もかもが止まっている。

「あ!アヤちゃん!部活のみんなも来てるよ?どうしたの?」

部活仲間に声をかけられた……最悪だ……

最近は部活には行っていない、無断に帰ったり、休んだりしている。

「そう…あ、じゃあね」

私はその場からすぐに去って神社裏に来た。

「人気がないね…」


“とおりゃんせとおりゃんせここはどこのほそみちじゃ?”


突然童歌の“とおりゃんせ”が聞こえてきた……

「え?」

後ろを振り向くと狐のお面をした私と同じくらいの子がたっていた。


“天神様のほそみちじゃ”


その人はそれだけ言うと霧のように消えていった。

「だ…れ?」

私は怖くなったが手紙の事があるため山を登った。

浴衣を着ていても登りやすい道、周りから見れば獣道だけど、私にとってはちゃんとした道。

10分くらい登ると約束の場所についた。

私は早く来すぎたのでしばらく眺めて待っていた。


ドーンッパラパラパラッ!ドーンッパラパラパラッ!


九時の合図だ…花火はかならず9時に打ち上げられる私は手紙を出して待った。

「来ない…」

30分…1時間…2時間…3時間…

ずっと待っていたが誰も来なかった。


「まぁだだよ」


後から声がしたと思い振り向いた……が……


私はそこで意識が途切れてしまった。





***


ー家ー


バサッ!

私はベッドから勢いよく起きた。

「あれ?私崖に?なんで?」

時計を見てみると……


時刻は 夕方の5時

カレンダーは 8月2日


「嘘でしょ!?」

普通なら3日のはずなのに2日に戻っていた……私はしばらく考えた。


あの時私は秘密の場所にいたはず……

見えたのは狐のお面をした人……


「手紙届いてるわよ?」

母親が私が持っている手紙を渡す……

宛先も内容も同じだった、ドッキリでしょ?と思ったがそんな考えはやめた。

「行けばいいんでしょ?」

私は浴衣ではなく、普段着でお祭りに行くことにした。自転車で行けばすぐつくので九時ぎりぎりまで私は家で待機した。



***


「アヤー学校の補修行こうよー!」

気づくと私は教室に立っていた、教室は小学校の時と同じで制服じゃなかった。

「うん、行く!」

もう一人の自分が答えていた。

「じゃあ8月1日午前中でいいよね!」

光は紙に希望日時を書いて提出しに行った。

「うん」

私は取り残された教室で一人でたっていたが急に場所が変わった。

ミーンミーン…ミーンミーンミーン……ミーンミーンミーン

「暑いね、神社の屋台の準備をこの暑さでやるのかー……大変だよね」

光君はため息をついてノートに書かれてある問題を解いていった。

「そうだね、でもお狐様を祀らないとね」

過去の自分が微笑んで苦手問題を解いていた、今となれば簡単な問題だらけ……

キーンコーンカーンコーン

「あ、終わった、じゃあ行こうか」

光は勉強道具を片付けて過去の自分に言った。

「あ!待ってよ!私も行くから」

その後を過去の自分が追って行く……懐かしい昔の記憶…

また場所が変わって神社になった…

「おーい!こっちを手伝ってくれえ!」

「飾り付けもお願い!」

大人達がせっせと作業をして準備をしている。

「じゃ僕はあっちの方を手伝いに行くね」

「じゃ私は飾り付けしてくる!」

ふたりが去った後静かに見ていたら急に倒れてしまった。


***


「アヤ!もう行くんでしょ?寝てどうするの!?」

お母さんの声で飛び起きた、時間は夜8時45分。

「やばい!行ってきます!」

私は自転車を全速力で走らせ神社に数分でついた。

「はぁ…はぁ…よし、あと一息」

山を一気に登り約束の場所についた。


ドーンッパラパラパラッ!ドーンッパラパラパラッ!


ちょうど九時になったらしい…けどいくら待っても来なかった…

「そうだ!事故の原因とか、どこにいたかを調べてみよう!」

とっさに思いついたこと。

「家に行ってみよう」

私は光君の家に行った……

ピーンポーン……ガチャッ

「はーい…アヤちゃん?どうぞ入って入って」

家の中に通され私は椅子に座った。

「あの日のことを聞かせてもらってもいいですか?」

「いいわよ……あの日はね、コウはアヤちゃんと手伝いに行ってくるって言っててね……他に何も知らないのよ」

光君のお母さんは今にも泣きそうだった。

「ありがとうございます」

「部屋はそのままにしてあるからよかったら見てってね」

私は光君の部屋に入った。

「何か手がかりになるものは……」

ガサガサと探していると1冊のノートが隠されているようにあった。

「んっ?」

私はノートを開いた。


***


恋月花・・8月の1日から2日にだけ咲くと言われる伝説の花。本当にあるかはわからない…その花は願い事を1回だけ叶えることができ、好きな人に渡すとその人と永遠に愛し合える。

天狐神社の森の奥深くにあるらしい、手がかりになるのは月の光が水に照らされている洞窟の中。

ピンクの色の花で人によって匂いを変えると言われる。


***


「これを取りに行ったの?」

そのページには写真も貼られてあったし、赤い丸が書かれてあった。私はノートを持ち光君のお母さんに言ってから家を出た。

「あ…れっ?」

私は家に出た途端に意識が途絶えてしまった。




“アヤちゃんきちゃダメ!!”



***

私はまたベッドから勢いよく起きた、時計は相変わらず同じ5時日付も2日…

「さっきコウ君が……」

私は母親が来る前に即座に家を出た、天狐神社の裏山に急いで行った。

数十分後森の奥深くの洞窟についた、だがあたりは何故か真っ暗になっていた。

「嘘でしょ!?一時間もたってないのに!」

家を出た時間とここまでつく時間合わせて45分ぐらい

夏場の日の入り時刻は7時ぐらいだ……

「入ってみよう」

私は迷いなく洞窟へ入った。

ポタっ……ポタっ……ポタっ……

水の音が洞窟に響く、月の明かりが照らして中はかろうじて見える。

「あれは?」

私は足を止めてそれを見た…それは…光君が探していたものによく似ていた。

「危なっ!」

私は近づこうとして一歩だそうとしたが、ちょうど足場がなかった。

「2mぐらい離れてるのね…それに、あの祠…お狐様の祠?」

私はジャンプして行こうと思ったがやっぱりやめた。

「危ないよね…」

花の匂いが少し匂う、ほのかに甘い匂いだ…

月の光がちょうど花にあたってとても綺麗……

「あれは?」

私が目をやったところは向こう側の鳥居の下にある光君のお守り…私が誕生日の時上げたものだ…

「ここから落ちたの?」

下は10mぐらい高さがあるし、したには水が溜まっている、見た感じとても深そう。



チリン……チリン……


「だれ!?」

私は後ろを向いたが誰もいなく鈴が落ちてあった。

「どういうこと?」

私は拾ってポケットに入れた、すると


ドーンッパラパラパラッ!!ドーンッパラパラパラッ


「もう9時!?嘘でしょ!?早すぎない!?」

私は次第に混乱してきた、30分くらいしかたってないのにもう9時になっている。

「あっ!」

私はうっかり足を滑らせてしまった。



“アヤちゃん!”


とっさに誰かに手をつかまれたようなきがした、私は無事に落ちなくてすんだ、だけどつかまれた手はとても“冷たい”手だった。

「どうなってるのよ!私はどうしたらいいの!」

2日にループしてしまう、一向に明日にならない、不思議なことは起こる……


“大丈夫”


優しい声が聞こえて振り向いてみたら……私はそこで意識が途絶えてしまった……


***

バサッ!

「はぁっはぁっ!」

私は汗だくで目が覚めた。

「絶対コウ君だ…あの声は絶対!」


チリン……チリン……


「最初の日と同じにして洞窟に行ってみよう!そうすればなにか分かるかも!」

最初の日と同じように浴衣を着て同じ時間に神社に歩いていった。

「誰にも会いたく…ないな」

私は人気のない道を通り神社裏に行った、最初の日は知り合いに会ってしまったからだ…



“ちぃと通してくだしゃんせ”


「来たっ!コウ君でしょ!?ねぇ!!」

私は狐のお面をした人に言った、だけどその人は後ろを振り返り消えていった。

「次は洞窟!気を取り直してレッツゴー!」

40分歩いて洞窟についた、私は浴衣が汚れないようにしながら洞窟の中へと入った。

ポチャンッ……ポチャンッ……

「コウ君?」

祠の横に後ろを向いてたっている狐のお面をした人がいた、私が声をかけると下へと落ちていった。

「コウ君!!」

私は叫んだが水の音は聞こえずシーンとしていた。


チリン……チリン……チリン……


「え?」

私は目を疑った、そこにはあの日いなくなった光君が後から入ってきた。

「あ!まって!」

私は手をつかもうとしたがすり抜け何も気づいてないように祠へ近づいていっていた。


「高いなぁ……でも恋月花は確かにあれだよね……明日のために取りに行くか」

光君が独り言を言ってジャンプして祠の方へと移動した。

パラパラッ

「危ない危ない、これで取れる!やったぁ!」

光君はニコニコしながら花を綺麗にとってカバンにしおれないように入れた。

ミャー……ミャー

落ちそうなところに何故か猫がいた…

「あの猫は!」

確かお狐様の祠を見守っている猫がいるらしく、住み着いているらしい。

「おいで、可愛い猫だね…」

光君は猫をなでなでしてしばらく遊んでいた。

ミャーミャー

「うん、そろそろ帰らないといけないからバイバイ」

そう言って帰ろうとした光君だったけど、好かれたらしく猫はかまってもらいたくて足場のギリギリのところで鳴いた。

ミャーミャーミャッ!

猫は崖から落ちそうになった、とっさに光君は助けに行ったが、猫をキャッチして足場に投げそのまま落ちてしまった。

「うわっ!」

光君の声がした、猫は無事だったが猫が足をついたと同時に

バシャァンッ!

大きい水の音が洞窟に響いた。

「コウくん!」

私は足場の下をのぞき込んだ、光君はどこにも見あたらず水がゆらゆらと揺れていた。


チリン……チリン


「これが原因……なの…ね」

バッグは光君のお母さんが持ってるのかな?


ドーンッパラパラパラッ!ドーンッパラパラパラッ!

ちょうど9時の花火が上がった。

「来いっ!」

私は目をつぶった、すると意識が切れた。


***


「よし!決まり!行くぞっ!」

私は目を開け急いで光君の家に行った。

「すみませんコウくんの話聞いてもいいですか?」

光君のお母さんは私を入れてくれて話し始めた。

話が終わると私は光君のお母さんに

「バッグってありますか?」

「あるよそのままにしてあるわ…クローゼットの中にあるわ、部屋も見ていってあげて」

涙声でお母さんは教えてくれた、私は頷いて部屋に行った。

「ここかな?」

ガラッ

そこにはさっき見たバッグが置いてあった。

「よし、開けよう」

私は開けて中身を見ると、その中には“恋月花”が入ってあった。

「しおれてない?」

私は許可をもらい持って帰り水に生けた。

すると、

「あれ!」

水につけた瞬間花は“消えて”しまった。

時間を見たらまだ7時半、私はまた次があると思いお祭りに向かった。


“ごようのないものとおしゃせん”


「え?」

私は一旦立ち止まったがすぐに走った。

お祭りは人で賑わい悲しい事件があったことなんて思えなかった。

「すぐに忘れちゃうもんね」

去年のお祭りは少し静かだったと聞いた。私は神社裏に行っ秘密の場所へと向かった。

「はぁっ!はぁっ!一日目と同じに!」


バーンッパラパラパラッ!バーンッパラパラパラッ!


チリン……チリン……


“このこのななつのおいわいにおふだをおさめにまいります”


「コウくん!真相つかんだからね!恋月花を使って頑張るから!」

私は目をつぶった、すると、


“次で最後だからね”


と声が聞こえた。顔を上げたがその時には遅く意識が切れた。


***


バサッ!

「今回で最後?なら早くやらなきゃ!」

私はやることが決まった。それは


「約束の場所に早く行ってお面を無理矢理でもはずしてやる!」


という考えだった、私はすぐに準備をして行った。

1時間後約束の場所についた、あたりはまだちょっと明るく夕焼けが綺麗だ。


チリン……


“いきはよいよいかえりはこわいこわいながらもとおりゃんせ”


「きったぁ!おりゃぁっ!」

私は走って狐のお面を外した。地面についた時私は馬乗り状態で左手にはお面を握っていた。


チリン……

“1日だけ合わせてあげるよ?コウ?アヤ?”


若い女の人の声が頭に響いた、私はすぐに“お狐様”と思った。

「コウくんだよね!絶対そうだよね!」

私は涙目で言った、狐のお面をした人の正体は私が思ってたとおり“光君”だった。

「あはは…バレちゃった?」

のんきに笑うコウ君…

「なんでひとりであんな場所に!私、私すごく…!」

「ごめんね、僕どうしてもプレゼントしたくて…」

私の目から涙がたくさん出てくる、コウ君は慌てた。

「ごめん…でもこれ!」

光君の手にはいつの間にか“恋月花”があった。

「え?なんで?」

「それはね、お狐様がくれたんだ、これプレゼント!」

ニコニコして光君は笑う、私は光君に抱きついた。

「わわ!アヤちゃん…ごめんね…今日1日だから回ろ?」

「うんっ!」

私は涙を拭いて立ち上がった。

「あ!私浴衣じゃない……」

「嘘?僕には浴衣を着ているようにしか見えないな」

私は服を見ると綺麗な浴衣になっていた、左手にはお面ではなく巾着袋が入ってあった。

「回ろっか」

私の手を引いてお祭り会場に行く、お祭りはとても色づいて見えた。

「あれ食べよ!」

「金魚すくいやろ!」

「射的もやろ!」

「美味しそー!」

私たちふたりは花火が上がる前にしたいことを終わらせた。

「楽しかったね!」

「うん!」

今は秘密の場所に戻り花火の打上げを待っている。

光君の身体はとても冷たい…氷よりもはるかに冷たい。


バーンッパラパラパラッ!バーンッパラパラパラッ!


9時になったので花火が上がった、私は光君と一緒に居れる時間が少なくなってきたことを実感した。

「コウ…くん!…わた…し…」

涙でいっぱいになってきて言葉がうまく言えない。

「まって!僕が言っていい?」

光君はニコッと笑って言った。

「う…ん!」

涙を拭いて私はニコッと笑った。

「ずっと前から好きでした、僕と、付き合って下さい!」

光君は私の口にそっとキスを落とした。

「はい、喜んで」

私は光君にぎゅっと抱きついた。

「もう…時間…か…」

光君の体がどんどん薄くなっていった。

「そんな!まってよ!私まだ!」

「ごめんね…また…いつか…ね…待ってるよ…」

私は泣きながら消えていくまで抱きついた。完全にひとりになってしまった私はその場で泣きじゃくった。

「コウくん!コウくん!」

私は泣きながら家に帰った、家では親に心配されたが無視して部屋でまた泣いた。









***


次の日私はあることを思いついた。

「そうだっ!あのコウ君から貰った花で!」

巾着袋から花を取り出した、すると頭の中に声が聞こえた。


“あなたはなにをのぞむ?”


私は迷いなく答えた。


「コウ君が死んでしまった前の日に戻して!」

私は前の日に戻ってちゃんと告白できるようする!


“わかった”


次の瞬間私は意識が切れた。


***


「おーいアヤちゃん?寝ちゃダメだよ?」

私は目を開けるとそこは教室だった。

「あ、ごめんね、」

「これ終わったらお手伝い行こ?」

6年生のプリントだった、だけど記憶は残っていて私は簡単に解いた。

「えぇ!?さっきまでうなってたのにすごいね!」

光君はさらさらと解いて終わらせた。

キーンコーンカーンコーン

よし、ここから頑張ったら変わるはず…私は始めた。

「コウくん!早く行こ!」

手をつないで私たちは教室を出た。

神社につくと大人の人たちが準備をしていた、

「一緒にやろ?」

「うん!僕も思ってた!」

私たちは飾り付けをやることになり二人で終わらせた。

帰り道……ここからが本番

「ねぇ?コウくん、危ないところ行かないよね?」

「へ!?な、なにが?」

光君は驚いて声が裏返っている。

「今日はどこにも行かないで!お願い!明日のお祭りの時間になるまでお願い!!何でも聞くからお願い!」

私は必死に説得した、この先の未来のために…

「わかったわかっから、明日のお祭りの時間まででしょ?でないからお願い聞いてね」

光君はニコと笑ってお願いを聞いてくれた。

「今日は送るからね!」

「はいはいわかったよアヤちゃん」

二人で仲良く帰った、無意識に手を繋いでいた。


つぎの日の夕方……


ピーンポーン

「はーい!あら!アヤちゃん!コウー!来たわよ!」

「いまいくー」

家から出てきたのは着流しを着た光君だった。

「良かった、かっこいいね」

光君はちゃんとお願いを聞いてくれた。私は嬉し涙が出そうだったが涙がでないようにした。

「行こうかアヤちゃん」

「うん!コウくん!」

二人で手を繋ぎ神社へと向かった、クラスの人達にあった時ニヤニヤしながら馬鹿にされた。

「そろそろ行こっか」

「うん!」

私達は秘密の場所へと向かった。ちょうど着いた時は花火が上がる5分前、

「座ろ?」

「そうだね」

あらかじめ持ってきたレジャーシートを敷いて座った

「そろそろだね」

「うん!私楽しみ!」

こうして私は未来を変えることが出来た。

「ねぇ?何でも聞いてくれるんでしょ?」

「え、あ、うん」

忘れてた、光君はニヤと笑って空を見上げた。


ドーンッパラパラパラッ!ドーンッパラパラパラッ!


ちょうど花火が上がり始めた。

「じゃあ僕と一生離れないで僕のものになって」

光君はニコッと笑って口にキスを落とす、私はその瞬間、光君に抱きついた。

「わわ!」

「大好きだよ!“コウ”!」

私は嬉し涙でいっぱいになった。

「僕も大好き“アヤ”」

二人で花火が終わるまで一緒に眺めた。帰り道恋人つなぎで仲良く帰った。


“良かったね、貴方たちの愛は一生崩れないわ”



どこかでお狐様の声が聞こえた

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤字が目立ちます……。 [一言] はじめまして。堀名ともうします。 タイトルにひかれて読みました! コウのために頑張るアヤの想いがとても伝わってきました。最後はハッピーエンドでよかっ…
2016/04/02 22:18 退会済み
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