狭間にて
裏話的な話。
途中から鏡夜視点。
鏡夜と幻夜は双子。通り名は【鏡の双子】。
ー*ー 時は少し遡り、世界や境界、夢などといったモノの狭間にて ー*-
「おーーーい、鏡兄ぃーーー、菓子とジュース買ってきたから仕事休憩しよぉ~よ~。」
「そうだな、幻夜。丁度今日の分の仕事は終わりだと知らせが来ましたし、帰ってゆっくり食べようか。」
「わーい、やったぁ!それなら早く帰ろー!」
オー!と腕をあげて、無邪気に走っていく幻夜。
それを見て、鏡夜は「フッ」と笑ってついていく。
「鏡兄ぃ~、早く~」
「ああ、今いくよ。」
鏡夜は幻夜に追いつきそのまま、他愛のない事を話しながら少しの間歩いていった。
「でね、かくかくしかじかだったんだよ~。可笑しいよね~!」
「ふふっ、そうだな。」
「それでさっ、それでさっ、ん?・・・ええっ?」
「ん?どうした幻夜、なにかあるn・・・あっ」
「鏡兄―、人だ。人が倒れてる~。」
「ああ、そうだな。人だな。そして叫ばなくても聞こえるし、見ればわかる。」
「珍しいね~」
「本当に・・・」
「「こんなところに人が来られる(来る)なんて・・・」」
ー*-*-*-*-*-
「つついてみても揺すってみても目ぇ覚めないね~。」
「ああ。困ったものだ。」
「とりあえず・・・此処にずっと置いておくわけにもいかないし・・・・・、どうする~?」
「そうだな、いっその事どっか適当な世界にでも落とすか。面倒くさいし。ハァ~」
「う~ん、確かに此処で目覚められるとメンドクサイしね~。うん。そうしよう~!」
「よしっ。決まりだな。なら問題は何処に落とすかだが・・・」
「う~ん、やっぱりそれだよね~。ん~~~~~~~・・・・・」
?『ヒマだぁーーーーー!つまんないーーーーー!!なんか面白いことないかな~~~。はぁ~~~~~~~』
「あっ、主だ~。」
「丁度良い処に・・・」
『んんっ?鏡夜と幻夜じゃん。どったの~、っていうか、なんか面白いことない?・・・って誰それ?』
「丁度良い処にいらっしゃいました、主。」(ニヤッ。)
「面白そうなことならあるよ。」(ニッコリ。)
『えっ、なになに?ソレに関わること?』(わくわくっ。)
ー*-*-*-*-*-
~鏡夜Side.~
『ふ~ん?歩いてたら落ちてた、というか倒れてて、面倒だから更にどっかに落とそうと思うんだけども、何処の(こ)世界に落とそうか、迷ってた、と。』
「はい。」
「そうなんだ~」
主は話しを聞き終えて、私達に確認をとる。
それにしても本当にこの子供、何処に落とそうか。目覚められる前に別の所に移さなければ。
この狭間で目覚められると説明が面倒臭い。更にこの子が目を覚ました場合、下手に歩き回られて、間違って魔界に落ちてしまい、魔物に食べられたりして死んだり、(なんとなく寝覚めが悪い。まぁ、関係ないのだが。)時空の歪みにまき込まれたり(私達双子の仕事の妨げになるかもしれないので面倒だ)、最悪、存在そのものが消える。(それこそ本当に寝覚めが悪い。他の奴らはそいつの存在を、記憶を、なにもかもを忘れるのに、私達は覚えているからだ。)ああ、本当に面倒だ。
『ふ~ん。成る程ね。ついでに言うと僕がみたところ、この子の祖先に、僕が創り続けている世界にある、月夜国の月猫と夜兎のハーフの、『外』にいってそのまま居ついた中級くらいの奴がいて、この子はその先祖返りみたいなモノのようだよ』
『外』とは、異世界、そのものが属している世界以外を指しているようだ。
そういえば、今は将軍になっている月夜国の空さんが、幻夜に「蒼い王様」と呼ばれていた御世、私達の千歳の誕生日の記念に開いた大型イベントの『異世界ツアー』で、この子に似たような青年を送り出しましたっけ。この子も大概ですが、あの人も若干女顔でしたねぇ。女装が似合いそうな、それなりに美人な青年でした。妖し物の族長であらせられる【妖姫】様には確実に負けますが。
「えっ、そうなの?」
『うん。小さいっていうか変な形だけど、月夜国人の証であり、命とか魂とかの源である“命の石”もペンダントの形で首から下げて持ってるし。力は・・・夜兎というよりはこの子自身は時兎の力の方が強いみたいだね。珍しいね。本当に。月猫の方の力は中の上?くらいかな。』
「へ~!!そんな事まで解るんだ~!?」
ほんとう、何でもアリですね。主。
命の石とは、主の言うとおりのモノで、人間の心臓や急所にあたる物です。
これを盗られると、一時間以内に取り戻さなければ、発狂するか、暴走するか、消え去るか、長期間眠りにつくか、死ぬか、鬼になるか、いずれにしろ、その殆どが周りをまき込んで甚大な被害を出し、碌なことにはなりません。持ち主が居る状態で破損すれば、そのものの命魂が欠けて散らばります。そしてちょっとした厄介事を起こしたり、拾い主にちょっとした力を授けたりします。他にもありますが・・・全く、碌な物じゃありませんね。
余談ですが、命の石は空さんの館の傍にある命の泉で取れます。
普通は丸型か、雫型、または勾玉の形になっています。そして、この子の石は棒状の結晶型です。
よく見ると石が欠けているみたいですねぇ。この子、大丈夫なんでしょうか?心体に影響がないといいですねぇ。ああ、夜兎と月猫は種族名です。詳しくは設定集へ。
あれ?私は誰に説明しているんでしょうか。そんなことよりも話の続き、続き。
『まぁね~。それにしても・・・、この子、男なのに女の子と言われても違和感ない程の綺麗で美人な女顔と細い体してんね。どうでもいいけど・・・。」
「えっ、この子、男なの!?」
気づいてなかったのか、幻夜!?
『うん。男だよ~。・・・・・・・・・可哀想に。この容姿のせいで年上のお姉さま方に幼い頃からオモチャ、もとい、着せ替え人形のようにされて・・・・・。プックククク』
「主、笑うなんて失礼ですよ!それに勝手に人の頭の中を覗いて、駄目じゃないですかっ!!この子が起きてたら怒られるかどうかしますよ?・・・確かにばれないように見て(のぞいて)みたら(みてみたら)面白そうな気が私もしますけれども・・・・・」
『どうでもいいけど、鏡夜も十分失礼だよね。それに身元確認は必要でしょ。』
ですが、言わせて貰えるならば、あなたの方が十分失礼です。それに私は思っていても、実行しないから良いんです。というか、出来ません。
『まぁ今、この子は意識ないし、頭の中とかを覗いてみてみたところ、自分でも女装とか、かなり楽しんでやっているみたい。それに周りの反応も面白いから別にいいんだろうけどね。でも、覗いてみて思ったんだけど、記憶の最初の方のお姉様方は怖いねぇ~。本当に。狂気じみてる。』
主が子供の傍らに膝を抱え込んでしゃがみ、全然起きる気配を見せない、子供の頭辺りに手をかざして記憶を覗き見しながら、どことなく可笑しそうに、不思議そうに、それで何かを怖がるように言う。
「え~、そんなに~?というか主はそれ、経験したことある~?」
幻夜が無邪気に、微かに笑いながら主に尋ねる。
『無い!だがな、幻夜。それ自体は本で読んだことがあるし、経験がなくとも想像することは出来る!何かをやらせようとしてくる女性たちから、逃げようとして逃げられなかったことは、私自身、何度もある。女性たちが手を組んだときは本当に恐ろしい。特に年配の女性方が組んだ時のあの妙な、あの、何ともいえない感じの迫力といったら・・・・・・・(ブルブルッ)』
「妙~~~に実感篭ってますが、前に何かあったんですか?」
『・・・うん。・・・・・・・・あれはいつかの新年のことだった。』
・・・・・俺はどうやら主、ノアの、変なスイッチを押してしまったようだ。
『私の家は毎年、新年の初めは寺に近所の人たちと集まって、経を読み、そしてその後、皆で昼飯を食べるのだが―――』
「(どうする~?鏡兄ぃ。止める?)」
「(いや、とりあえず、大人しく聞こう。)」
「(わかった。)」
そうしている間にも主の話は続く。が、多少割愛させていただく。
『――――――――私なんてマジ泣き寸前だったぞ!箸の持ち方を正すだけなのに、老婦人2,3人がかりで、新年なのに!新年だったのにぃ!冷静に考えれば、俺が悪いんだけどさぁ!しかも、父も箸の持ち方が間違っていたらしく、父と一緒に、おばちゃんたちや、おっちゃん達にからかわれながら箸の持ち方を正させられた。』
しょーもな!!言っちゃ悪いですが、しょうもなく下らない話でした。笑い話にはなりますが。ってあれ?主?顔が青ざめて・・・・・ちょ、やばくないですか!?
『あれは本当に恐かった。何か妙~な迫力があって・・・・・・・、脅されてる感じで・・・・・。いつも優しいおばちゃんたちが、何かわけがわからん程堪らなく怖かった。気のきつい人はこっちの鬼門やよ。特に年配の人は。他にも泉ピ○コみたいなかんじの、年配の先生とか、同種的な臭いのする女子のクラスメートとか居たけれど、正論で説教されるとホンマ、マジ怖い。「うわっ」も「主っ」わっちにとって軽く「主っっ!」ちゃうか?ホンマも~嫌y「主っっ!!」みんな(―――)みんな滅n「主っっっ!!!」って、え・・・?何?(グスッ。)あっ、・・・ごめんね。(グスッ。)でもあれはホントに怖くて、軽くトラウマなんや。(しかも記憶の中のブラックボックス開けてしもた。最悪的な気分やった。)』
「えっ、いや、それは別にかまわないんですが・・・って、涙目な上目づかいでこっちを見ないでください!何だか居た堪れ(いたたまれ)ない上に私が何か悪いことを下みたいじゃないですかっ!?」
・・・心の闇の中から帰ってきてくれて本当に良かった。あのままだと色々と危なかった。主に私達の命とこの空間が。
主が怖かったとか話し始めたあたりから暗雲が立ち込め、この空間がピシッピシッと、音を立ててひび割れ、そこから黒いモノが染み出てきたり、何処からか刃物が飛んできて、また別の所に消えたり、本っっっ当に危なかった。
「主~、何かゴメンね~?それとノア、口調とキャラと一人称は統一しようよ~?」
『無理。(グスッ。)しいて言うなら、統一してないのがウチのキャラや。(グスッ。)っていうか面倒臭い。(ボソッ)』
「ハァ~。主、もうそろそろ泣き止みましょうよ。って、ローブで拭かないっ。かぶれるでしょっ。しかもあんたそれ、一応神器みたいなモンなんでしょうがっっ。『別にいいじゃん。私のモンなんだし。』って、オイィッッ。だぁぁぁっもう、ホラ、ティッシュ、あげますから。」
『ありがと』
「ったく、世話が焼けますねぇ。」
「(あれ~?鏡兄ぃにさっきから何か別のモノ重なるんだけど~?…あれ~?)」
「ねぇ~、さっきから、随分長い事話し込んでるけれど、もうそろそろこの子、起きるんじゃない~?」
「あっ、そういえば・・・・・。」
『あ~、大丈夫、大丈夫。』
「主?それはどういうことですか?って、そんなにゴシゴシ拭かないっ。赤く腫れるでしょうがっっ。」
「あっははははは~♪デジャブ~♪鏡兄ぃ、オカンみたい~♪」
「フンッ」
ゴンッッ!!
「~っっ。」
俺は幻夜の発言に苛立ちを覚えたので、気合いを入れて・・・・・鉄拳制裁をした。
幻夜は頭を押さえて、声なき悲鳴を上げながら蹲る。
フッ。口は災いの元だ。覚えておけ。
まぁ、自分でも少し思ったのだが・・・な。
それでもヒトに言われると、それが自分の弟でも、いや、だからこそ余計に腹が立つ。
『(お~、いい音したなぁ~)』
「~っっ。イタイのだ~~~。でももう平気なのだ~。」
「・・・・・・・・・・・・・復活速いですねぇ。やっておいて言うのも難ですが、大丈夫ですか、幻夜?頭、可笑しくなってません?口調がまるでどこかのエセ少女闇精霊みたいですよ?ほんと、大丈夫ですか?いきなり腕噛み千切ってきたりしません?」
「?大丈夫なのだ~、鏡兄ぃ~。どうしてそんなこと考えたのかわからないけれど、そんなことしないのだ~。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・明らかに大丈夫じゃなさそうですが・・・・・・・・、害はなさそうですし、・・・・・・・・そのうち戻るでしょう。・・・多分。というわけで、こんなコントをしている場合ではなかったですね。」
『(どういう訳だよ!?)』
「で、説明してください。主。」
『・・・・・面白かったのになぁ。(二人の掛け合いを眺めている事が。)「早く!!」はいはい。要するに、その子の事を調べた時に、僕が許すまで起きないような術を掛けました~。イエ~イッ!だから絶対起きな~い☆どんだけ話してても邪魔されな~い!キャハハハハハハハハハハハハハハハ!!!・・・・・・・・・ゴメン。そんな冷めた目でこっちを見ないで。お願い。なんか悲しくなるから。・・・・・・・・・・・フゥ。ついでに言うと、この子、事故って『本当の』身体は今、病院に運ばれて意識不明の重体。骨も何本も逝っちゃってる。生きているのが不思議なくらいの重傷。』
「え~、それって大丈夫なの~?」
『さてね。そして話は最後まで聞きなさいな。』
「じゃあ、ここにいるのは、・・・・・幽霊?」
遊月:なんとなく、途中から鏡夜視点にしてみた。
鏡夜:なんとなく、だったんですか。
遊月:うん。なんとなく。でも、意外と書きやすかったよ?
鏡夜:そう、ですか。
遊月:後は、ノアを泣かしてみたかったってだけ。
ノア(主):Sだな。
幻夜:Sだねぇ~。
遊月:まぁ、このしょーもない噺のネタは、3,4ヶ月前に書いたやつだから。・・・誰かの体験談だけど。どうでもいいよね。盛大な笑い話になった話なんだけどね。
ノア:そう。
遊月:それに僕が書く話は、行き当たりばったり。プロットなんて有ってないものなのさ。(と嘯いてみる。)だからのんびりカメ進行。気まぐれに更新してみるの。
ユウ:なぁ、俺、いつまで放置されるんだ?
鏡夜:おや?
ノア:あらら?
幻夜:あれれ~?この子、あの子?
ユウ:いや、どの子だよ。
遊月:どうでもいいけど、ユウ、来たんだ~。出番ないからしびれ切らした?
ユウ:いや、出番は一応あるにはあるんだけど、しゃべれないからこっち来た。
つか、話を早く本筋に戻せ!!
ノア&幻夜:え~~~~。もっとしゃべりたい。
鏡夜:好きなだけ舞台裏でしゃべればいいでしょう?
ノア&幻夜:は~い!!
遊月:とはいってももう少し、後、2,3話程度は君たちの出番は終わらないんだけどね。そしてユウは、その間、オシなのさ。
・・・僕の気が向くまで・・・・・ね。
ユウ:いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!
幻夜:ねぇ、鏡兄ぃ、オシってなぁに~?
鏡夜:どうやら遊月はしゃべれない事を例えて言っているようだな。そしてそれをあのユウという子供が嫌がっている、らしい。
幻夜:ふ~ん?かわいそう・・・なのかな?
鏡夜:さぁな。そうなんじゃないのか?とりあえず、同情くらいはしておいてやれ。そして生暖かい目ででも見てやれ。(そして地味にダメージを喰らわせてやれ。)
幻夜:わかった。
ノア:クスクスくすくす。(ユウもそんな同情は要らないだろうよ。それにしても鏡夜は地味にひどいな。幻夜は純粋だねぇ。ああ、面白い。)な、遊月。
遊月:そうだね。
ユウ:なにが!?
遊月:君の状態とその他諸々。
ユウ:全然面白くねぇよ!?といううか、その他諸々ってなんだよ!?意味わかんねぇし!?
幻夜:大丈夫だよ。
鏡夜:私たちもわかりませんから。あれがわかるのは、遊月とノアと空さんと、ギリギリで黒猫姫様だけでしょうし。
遊月&ノア:わかってるじゃん。鏡夜。
鏡夜:どうも。
ノア:さて、それでは、ユウは放置の方向で。
ユウ:!?なんで!?
遊月:僕たちの気分で。反論は認めん。ユウは少しの間放置の方向で行く。ということで。
ノア:ここまでお読みいただき、ありがとうございました。ただいま、カオスってますが、
遊月:次回もよろしくお願いします。(と、言ってみる)
ノア:それでは。以上。
ユウ:結局、俺はまだ本編ではしゃべれないわけな。
鏡夜&幻夜:どんまい。