黒猫郵便屋が来りて招集かかる。
ユウもソラにならって、急いで残りの茶を飲み干した。
そして、立ち上がり、ソラの方へ行こうとしたその時。
「こんにちは~。郵便で~す、ソラ。・・・と、そこの中性的な少年宛てで。ふぁ~ぁ、めんどくさ。とりあえず受け取れやこん畜生~。そんで受取証にサインくれ。」
欠伸をしながら入って来たのは、頭に黒猫を模った布製の帽子をかぶり、首に鈴の付いたチョーカーを着け、襟元などに赤いラインの入った、制服の様なシャツと、薄茶の短パンを着て、首から手紙やその他色んな物がはみ出て見える程、パンパンに膨らんでいる大きなカバンを掛けた、未だ眠たそうに、面倒臭そうにしている、黒髪の金色の猫目な、十二、三歳位の少年?だった。
「こん畜生~って(苦笑)。とりあえず、あんがとさん。ほら、サイン。しっかし、仕事中なのにまだ眠そうだなぁ。誰かに昼寝中、叩き起こされたのか、クロネ?」
ソラは苦笑しながらサインした受取証を少年、クロネに渡しながら、親しそうな顔で言う。
「ふぁ~あ。そうなんだよ!ぼくが気持ち良~く昼寝してたらさ、『いい加減仕事しろーーー!!!どこまで手紙を溜めるつもりですかー!!!さっさと起きなさーーーーーい!!!』って、女官のルナに怒鳴られて、叩き起こされ、ついでに急ぎの手紙と用事を押し付けられた。酷いと思わない?」
クロネは欠伸をした後、不満を言い、ソラに首をかしげて同意を求める。
その様は彼?の服装と相まってまるで猫が首をコテン、と傾げて相手を見ているようだ。
「あははは(苦笑)。そりゃ酷いな。」
ソラは苦笑しながら言う。
「でしょ~!なにも怒鳴らくてもいいじゃんかっ!寝てたのに!もう少しで特大カスタードプリン食べれたのにぃ~!!」
幸せな夢見てんなぁ。
「そりゃあ、本当にざんねんだったなぁ。(特大カスタードプリン・・・美味しそう)」
「ところで、今回はどれくらい届物を溜めてたんだ?」
え?今回ってことは、前にも溜めてたことあんの?
「え?ん~と・・・急ぎの物を除いて・・・・・三ヶ月分くらい?」
クロネは顎に人差し指を当てて、明後日の方向を見、首をかしげて言う。
「あはははははは!!ダメじゃん!!それはルナじゃなくても言うだろ!!せめて溜めるなら1ケ月以内にしろ!!」
『いやいやいや、溜めちゃダメだろ!!むしろ溜まる前に捌こうよ!!』
ソラ、盛大にツッコんでるけれど、一ヶ月以内でも溜めるのはダメだろ!!
「これ何?ソラ」
クロネはユウを指さして訊く。
『これ言うな』
「これは外から来た【お客さん】で、『だからソラもこれいうな!』ごめん、ごめん。名前は夢旅 優だってさ。可哀想に。自力では帰れないらしいよ。今のところ。《そんで、死にかけて、狭間に飛び、多分主がココに落としたんだろうな。魂やら記憶やら、色んなモノが欠片として、様々な形になって、この世界中に散らばった後の残り物が、あの子の首から掛けているネックレスについている石と、あの子に流れる血を頼りに、あの形をとって、ここに居るってわけ。所為幽霊予備軍ですな。今の状態だと。本人気づいてないけど…。》」
「へぇ~、そうなんだぁ。《しばらく退屈しないで済みそうだね》」
「そうなの。《ああ、全くだ。》」
クロネとソラの二人はユウの方を見た後、顔を見合わせて、ニッコリと笑い合う。
『???(意味深だ。意味不明だ。なぜそこで笑う。二人とも。)』
「とりあえず、ユウだっけか?受取証に一応お前もサインくれ。そんでソラは、さっさと手紙読め。」
クロネは、ユウに面倒臭そうに受取り証と書かれた紙を差し出しながら言う。
「はいはい。」
ソラは素直に手紙を読み始める。
『えと、書く物、ペンか何かある?』
「チッ。・・・ほらよ。まったく、めんどくせぇ。」
『ありがとう。』
優はクロネが鞄から取り出した万年筆で受取証にサインした。
『はい。』
「ん。まいどあり~」
ユウはクロネに受取証を渡し、クロネはそれを受け取る。
「(カサッ)ふ~ん。メンドくさっ。」
空が手紙から顔をはなして言う。
「あっ、読めた~?」
「うん。読めたけど、メンドクサイ。これ、館っつうか、城への召喚状じゃん。しかも、ユウと一緒に、途中まではクロネも一緒に城まで来いっていう召喚状じゃん。何、だからお前、さっさと読めとか言ったわけ?ホント、メンドクサインデスケド。」
ソラがクロネに答えて言う。心からめんどくさく思っているのか、最後はカタコトだ。
「ニャハハハハ。そうだよ~。ぼくの押し付けられた用事が城への通り道にあるんだよ。だから一緒に行こうよ~、ソラ~。《それで帰ってきたら、夜、酒盛り付き合ってよ~》」
クロネがソラにすがりつきながら言う。それもしつこく。
「はぁ~~~~~~~~~。仕方ないなぁ。《わかったよ。どっちも付き合ってやるよ。その代り、酒はいいの用意しろよ?》」
結果、余りのしつこさと酒盛りにソラが折れ、ソラは大きなため息を吐いた。
「ユウ、そういう訳だから、こいつ、気まぐれな郵便屋やってる、黒猫 クロネ=クロナと、オレと一緒に、この国の王城に行くよ。」
『良いけど・・・王城ってどこにあんの?』
「すぐそこだよ。」
ソラが手紙を懐に突っ込みながら言う。
「物わかり良いなぁ(ボソッ)」 とはクロネの言。
「さっさと行くよ。めんどくさいし。」
そういうソラはいつの間にか、白に青い色のラインが入ったブーツを履いて、すでに歩き出していた。
『クロネさん、早く行き・・・ってあれ?』
いない。さっきまで前にいたのに。
「お~い!なにしてるんだ?早く来ねぇと、置いてくぞ~!!」
声のする方を見てみると、クロネはいつの間にか森の入口近くにソラと一緒にいた。
『えっ、ちょっ、待ってくれ~』
ユウは慌てて、靴を履き、ソラとクロネを追いかけた。
(多分)グダグダ話↓
?:これから如何なるんだろうねっ。
遊月:如何しようか。これ、行き当たりばったりなんだよねぇ。キャラたちが書いていると勝手に動くの。書きなおすと違うこと言ってたりする。ホント、僕も吃驚だよ。小説って生き物だったんだねぇ。
?:・・・ちょっとそれは違うと思うけど。というか、僕はいつまで“?”表記なんだい?
遊月:ごめんごめん、ノア。それはそうと、ソラに告白されたけれど、ノアはどう思ってるの?
ノア:空のこと?だ~~~い好きっっ。愛してるぅっ。僕の愛し子。僕がこの世界よりも何よりも一番最初に創り出したのが空なんだ~♪僕が創り出した子供たちの中でも一番慕ってくれてる。可愛いよね。
遊月:あ、もうそこまででいいです。十分わかりました。それにしても、今回一番驚いたのが郵便屋のクロネ=クロナの性格。書いていてだんだんキャラが勝手に動き出してキャラが定まっていく感じがして驚いた。それと、ソラが若作りって言われて怒ってるのも驚いた。最初、そんな設定なかったのに。ノアももっと自由奔放な感じだったんだけれどね。
ノア:そうなの?今でも十分自由奔放っていうか、キャラが定まらない感じじゃない?
遊月:まぁね。多分そうなんだろうけどさ。自分ではそういうの大まかにしかわからないんだよねぇ。僕、色々と欠けている、足りてない人間だから。・・・・・多分。
ノア:他人に言わせりゃ、多分ってなんだよ(笑)とか言われるかもね。さて、次回はどうするの?
遊月:森を散策。そのあと町に行けたらいいなぁ~。そこでユウを騙したい。
ノア:騙すの?
遊月:騙したい。次回もグダグダ話になるかもしれないけれど。
ノア:自覚有ったんだ・・・。では、そういうことで。
遊月:次回へ続く。