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~夢旅 優の異世界旅行記~  作者: 神寺 柚子陽
第1章 始まりとプロローグ
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問題児の行方不明者


次話へ進むための布石的話。


身体が揺らされる感覚と苦しげな唸り声に目が覚めた。

覚醒するにつれて次第に、慌てたようなガラスの風鈴を鳴らしたような声が耳に響く。


「――…ユウ様、…ユウ様!起きてください!!」


ユウは気だるげに眼を開ける。

すると眼前に薄化粧をしたユウのお付女官である花蓮が現れた。困ったような、泣きたいような複雑な顔をしている。どうしたのだろうか…。


『何か…あったんですか?』


ユウがゆっくりと身体を起こして尋ねる。すると花蓮はほっと胸をなでおろし、


「至急のお客様です。お友達の方の一大事だそうですが……どうされますか?」


首をかしげて真っ直ぐな目で伺いをたてる。

チラチラと部屋の出入り口である扉の方を窺っていることから、すぐそこに“お客様”とやらは来ているらしい…。至急の用なら待たせて置くことも出来ない。


ユウは頭をひとつ振って眠気を吹き飛ばし、面会の準備を花蓮に頼む。




ユウが身支度を整えていると、待ちきれなかったのか部屋のドアが派手な音を立てて開く。


ドォォォン


ぱらぱら…ぱら…


扉が吹っ飛び、土煙が舞う。

……修理費ってどうするんだろうか。


「あたしをいつまで待たせる気だい?男なら身支度くらい十秒でやりな! あたしは待たせることは好きでも人を待つのは大っ嫌いなんだ!背中がかゆくなる。」


凛としたハリのある声と共に、つかつかと年の割には大人びた少女が部屋の中に入ってくる。短気な姉御肌の明華だ。土煙の中から現れた時に足を中途半端に上げていたことから、扉はきっと彼女が蹴破ったのだろう…。


「め、明華…十秒は…無理だと思う……よ?」


その後ろにはおどおどとした様子で、俯きがちに遠慮して入ってくる朱鸞と明華に首を絞められて引き摺られている周が続く。


「離せ!離せこの暴力女!お前なんてヤクジン島のゴブリンにさらわ、グエェッ!?」


周は明華から逃れようともがくが、余計に首を絞められているようで、蛙の潰れるような声を時々あげている。……相変わらず不憫な扱いを受けているようだ。矛先がこちらに向かってくるのが嫌なので助けないが。


『いらっしゃい、三人とも。それで至急の用って?』


身支度を整え、三人に本題を投げかけると、明華と朱鸞は困ったように互いの顔を見合わせ、今までもがいていた周はだらりと力なくもがくのを止めた。


――……あれ?周、息してるか?

………死んでないよな?


――……大丈夫そうだ。

わずかに手足の先がぴくぴくと痙攣しているから大丈夫だろう。……大丈夫だと思いたい。


『……まさかまた絳が何かやらかしたのか?』


周を心配そうにチラチラと見やりながら、ユウは眉をひそめて尋ねる。


「そのまさかさ。」


大人びた彼女は瀕死の周を離してこめかみを押さえ、頭を抱え始める。

首を離された周はそのまま木製の磨き上げられた床に激突。頭と首を押さえ、咳き込んでいる。どうやら本当に死にかけていたらしい…。顔が蒼い。


「…ユウ、…ここに絳は、…来て…ないの…?」


不安と困惑がない交ぜになった様子で、途切れ途切れに話す朱鸞。


『いや、来てない。俺は今起きたばかりだけど、誰も来てない筈だ。…ですよね?華蓮さん。』


「ええ。私はそこの次の間で一晩中、月明りを頼りに縫物をしておりましたが、誰も尋ねては来ませんでしたよ?」


「……そう。」


「だったらやっぱり絳はヤクジン島にいっちまったのかい。もしかしたらとここに来てみたけれど、結果は情報通りということさね。…こら、周、逃げるな。」


「ぐえッ!?」


明華はこっそり逃げようとしていた周の頭を右手で鷲掴みにし、左手で腕を掴んで引き寄せ首に巻きつける。これで彼が逃げることは不可能になったようだ。


「痛いっ痛い痛い!!潰れる潰れる潰れるっ!頭潰れるよ~!!脳みそ出ちまうっ!!」


涙目で訴えている。が、


「大丈夫さ。そういって出た試しがないじゃないか。それにちゃんと手加減はしてるよ。ここまで来たなら最後まで腹決めて付き合いな!」


笑顔でギリギリと頭を締め付け続ける中華服の少女。……恐ろしいな。

それを“いつものこと”と流し、普通にしている朱鸞も…。


「わかった! わかったから手を離してくれッ 」


「……逃げるんじゃないよ。」


やっと手を離してもらった周は涙目になりながら、頭と首を押さえてすっくと立つ。とても姿勢がいい。

『で、どうするんだ?』


「もちろん私達もヤクジン島に行くのさ。絳の馬鹿を連れ戻しにね。」


「…本当に行くのか?」


「……周、弱虫?」


「ば、馬鹿!僕は弱虫なんかじゃないっ、ただ、安全を考慮してだなぁ、」


「あ~、はいはい。とりあえず三人とも、武器は持ってるかい?」


顔を真っ赤にして言い訳をする周を遮り、明華は嫣然と微笑んで切り出した。



周のヒドイ扱いはデフォルトです。

周は明華めいかと絳の被害者。腐れ縁。なんだかんだでそれは譲れません。(微笑)


武器、めいかは扇で、朱鸞しゅうらんは魔法使いでステッキにしようと思ってます。


周と絳、ユウの武器がまだ決まらない…。


良かったら案プリーズ!(笑)


無ければ碇とか、鎖鎌とか、刀とか、短刀とか、空手とか、ドラクエのソロバンみたいな槍とか、適当に持たせます。


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