ゆめうつつ
お久しぶりです。
三か月ぶり?四か月ぶり?
とにかくお久しぶりです。
衝動に任せて書きました。
ごめんなさい。
夢を見た。
あっちの世界の病院で俺が…包帯まみれで横たわっているんだ。
その横には、少しやつれた母と白髪が目立つようになった父がいた。
俺は自分の身体の横に立っているんだ。
不思議だよな。
俺が二人いるのに、俺は寝ていて、起きている方の俺は親に触れることも出来ない。
ただ、見てるだけ。
見てることしかできない。
触ることも、家族に無事を告げることも、俺が見た異世界の話をすることも出来ない。
俺は見てるだけ。
白い個室に果物や花を供えられて横たわっている自分、泣いている母親、それを慰め、俺が目覚めると自分自身に言い聞かせている父。
………俺は見てるだけなんだ……。
唐突に場面が変わって、自宅の俺の部屋が視界に映る。
部屋では飼い猫のルーが俺のベットの上で寝ていた。
どことなく背中が寂しそうだ。
突然部屋の空間が捻じ曲がり、何かが出てきた。
変な夢。
なんでソラとソラもどきの白い奴にクロネが俺の部屋なんかに…。
ああ、夢だ。夢だった。
夢だったら何でもアリか。
瞬間、ソラもどきが俺の方―-この意識のある俺の方!――を見て微笑した気がした。
目をこすってもう一度見ると、そいつはルーに向かって慈母の如き微笑みを浮かべていた。その両隣でソラは悪戯っぽく微笑しており、クロネは何が楽しいのかニコニコと笑っているようだ。
ソラもどきがルーに話しかける。
『君がルー君かい?闇色の瞳の黒猫ボルゾイ、夢旅優クンの飼い猫さん?』
「みゃ~…。(そうだよ。貴方方はどちら様ですか?さぞ高貴なお方なのでしょう?ご主人様の行方を知って…おられますか?)」
何故だろう?
ルーの言っていることがわかる…。
夢だからだろうか。
「にゃはは、知ってるよ~?」
「オレ達はお前に選択肢をやりにきた。選べ!」
『主人の役に立つか、このまましょげ返って主人の帰りをタダひたすら待ち続けるか。』
「どうするにゃ~?」
「にゃ!(ご主人様に逢えるのですか!?会わせてください!!そのためならどんなことだって…)
『ちょい待て待て待て。内容は聞かなくていいのかァ?』
「にゃあ!(はい!どんな内容だろうとぼくの返事は変わりませんっ。はやく、はやくご主人様に逢わせてください!!)」
ルー……
無事に帰れたら今度、高級ツナ缶買ってやるか。
「馬鹿な猫。いや、一途な猫とでもいえばいいのか」
『ま、こっちとしては話が早くて助かるんだけどね。手間が省けた。』
「ルーよ、君はご主人様の為なら何でもできるかにゃ?」
「にゃ~!(モチロンです。)」
「普通の猫であることを捨ててでもか。そう、例えば妖怪とか、精霊とか…」
「にゃ、にゃあ…にゃ!(え…よ、妖怪?猫又とかですか?……え、ええ。かまいません!それだけ寿命も延びてご主人様と一緒に居られる期間が長くなるのでしょう?本望です!)」
『クフフフフ、……言ったね。言ったよね。確かに寿命が長くなるよ。でもね、一緒に居られるかどうかはあなた次第。せいぜい可愛がってもらってね。捨てられないようにさ。くすくすくすくす…。他人の心とは移ろいやすい哉。女心と秋の空。』
「おい、オレは違うぞ。」
「ぼくも違うにゃ。ぼく、猫だし。」
ソラはぶすくれ、クロネは闇に溶けて変身した。琥珀色の瞳の黒猫に。
ソラもどきはクスリと笑って黒猫を腕に抱きあげた。
『当り前よ。貴方たちは私が創ったの。他とは違うに決まってる。他と比べるのも烏滸がましい…。あなたたちは私の誇りよ。私の愛しい愛しい子ども達。私の最初の分身と私の愛猫。他とは違うの。』
「にゃ!(早くご主人様に逢わせて!)」
『…まったく、せっかちだね~君は。ま、いっか。クロネ、血。』
「はいにゃ!…空!」
「りょうかい。」
空は腰に差した二刀の武器のウチ、一本を抜く。その刃でクロネの手を少し斬り、血を流させた。
ソラもどきがクロネをルーに近づける。
『血を飲め。一滴でいい。そうすりゃ変わる。』
「たれるっ、たれるから早く!血が垂れるにゃ!?」
「にゃにゃ!?(わ、わかった!)」
ルーがクロネの傷を舐めとった。
風がルーを包み込む。ルーが見えない。
クロネを見ると元の姿に戻っており、傷は消えていた。
『へ~、風か~…。面白くなりそう。』
ボソリとソラもどきが呟いた。
風が止む。
ルーの外見は変わらな…い?
いや、首に何か四角いものが掛かっている。
石だ。俺が首から下げているモノと似ているひし形の白い石。
それがまるで護符やしめ縄のようにルーの首に掛かっていた。
『どう?変調はあるか?なければこのまま祝福という名の加護を与えるが…。』
「にゃ~。(ありません。どこも変わっていない気がします。)」
「そりゃそうだにゃ。ぼくの血を舐めたくらいじゃ見た目はどっこも変わらないにゃ。ただね、大型化と索敵能力、結界能力、精霊の持つ武器化能力…自分を契約者の武器化する能力を与えただけだにゃ。」
『あと、大型化した時のみ、空を駆けることが出来る能力も。全部、条件付きだがね。寿命は延びたよ。確実に。』
「にゃ~?(そうなのですか。)」
『そうなんだよ。メンドクサイ。動くなよ。』
ソラもどきはルーの額に手をかざし、
『《我、………朧月紫苑より、汝、ルーに準加護を与える。主人をよく守り、よく仕え、旅先を導け。この者に我が祝福を。》』
厳かにルーの額に口づけた。
『ま、こんなものでしょ。死ににくくするためだけにやったから。さて、ソコで見ている夢見人。』
え!?俺!?
『そうそう君、君。』
「主、ソコには誰もいないぜ?」
「ルー君、こっちへ。」
「にゃ。(はい。)」
『ソラは黙ってな。今からね、君のルー君をあなたの近くに連れて行くから。この子が探知機替わり。探してね。すぐに見つけられる場所に送るけれど、すぐには見つからない。』
ソラもどきは明らかに俺に向かって話しかけてきている!?
『ヒントは風の子と月と陽の子の近く。モンスター。討伐対。じゃ、頑張れや。』
俺は白いローブの少女に指で体を押された。
それだけで俺は倒れる。
少女は笑っていた。ミステリアスに笑っていた。
クロネはルーで遊び、ソラは困惑した表情を浮かべていた。
身体が目覚める感覚がした。
待て!
お前は……、
誰なんだ?
『それはね、夢旅優クン。君が世界を旅し終わる頃には自ずと解るだろうよ。』
妙に耳に残る声を最後に……俺は目を覚ました。
久々にこいつ等を書くと、一人称や性格などを忘れかけていて困った。
衝動に任せて書きましたので………ごめんなさい。




