授業の前のひと騒動
「あーーーーーーー!!!おまいは先日の侵入者!!」
特徴のある口調の少年は俺を視界に入れた途端、ビシッと指さして叫んだ。
そう、叫んだのだ。
おかげでこの地下庭園に居た子供たちの大半が俺達の方を向き、次に俺を警戒してか、こちらから離れられる範囲ぎりぎりまで距離を取られた。……ちょっと悲しい。グスッ。
年齢が10~12歳頃だろうと思われる少年は俺を見て何かを思いついたのか、ニヤリと何かを企むような哂い方をし、次いで声を張り上げる。
「よーーーしっ、おまいらっ!!こいつ捕まえて先生に褒めてもr(ドシュッ!ドシュッ!)っうわっ!!!あっぶねっ!何すんだよ李葉!?(ドシュッ)ってうわわっ!!」
あっぶねぇ~!!
これ、一歩間違えたら死…なないな。うん。
え?何が起こったのかって?
さっきから騒いでいる少年と俺に向かって矢が降って来たんだよ。
しかも何故か俺よりも少年の方が矢の数が多いから不思議だな。
少年の視線の先を追うと、李葉という名前らしいまだ幼さの残る14、5歳頃の青年が弓を打ち終わった体制で居た。青年はどこか不機嫌そうで少年に呆れているようだ。
「ハァ・・・お前は本当に馬鹿だな、絳。同じことを何回言わせる気だ?それに…そんなことして先生が褒めてくれるわけないだろう?逆に怪我をして心配させたらどうする?無策無鉄砲は殆どの場合、仇にしかならないぞ。思いつきだの行動にみんなを巻込むな。」
「で、でもよぉ……」
「でもも猫も杓子もあのでもない!!今度からは気をつけろ!!」
「それとだな、知らない奴も大勢いるようだから今この場で言っておくが、そいつが不審人物だったのは数日前までの話。今では列記とした王の客人だ。……だろ?女顔の少年よぉ。」
プチっ
「誰が女顔じゃボケェ!!!!!しかもそこまで解ってんならナゼ俺まで射った!?刃ァ抜いてあるっつっても当たったら痛てェんだぞ!!?」
「ん?ああ、悪ぃ。絳とさっさと反論しないお前にイラッと来て手元が狂った。」
「ハァッッ!?何じゃそりゃ!?」
「スマン。(ボソッ)もともと全部絳に当てるつもりだったんだけどな。」
「えぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!!?そんな殺生なこと言うなよ!?おまいはそんなに俺様が憎いのか!?」
「…というわけで(パンパンッ)」
李葉は絳少年の言い分を華麗にスルーし、一つ二つ柏手を打って皆の注目を集め、軽く声を張り上げ告げた。
「みんな元の位置に戻れ~!もうそろそろ先生が来る時間だぞ~!」
「「「「「「「「「「は~~~~い!!」」」」」」」」」」
李葉の言に子供たちがぞくぞくと庭にある黒板の前に集まり直していく。
なんでそんな慣れた感じなんだ!?
「えっ、えっ、ちょっ、待っt」
「ハァ~、俺様、なんか萎えた。気分が沈んだ。」
「え?急にどうしたんだ?」
「どうもしねぇよ。・・・さっきは悪かったな。おまいも凛花先生の授業、受けるのか?」
「えっ?う、うん。受けるよ。」
「ふ~ん、そうか。・・・なら、おまいもどっか適当な所に座れ。前の方は出来るだけ小さい子たちに譲ってやるんだぞ!」
「わかった。お前、意外と優しいんだな。」
「・・・どういう意味だよ、それは。」
「絳~!早く来いよ~。」
「おぅ!!今行く~!!じゃあなっ。」
絳(?)少年は仲間に呼ばれて去って行った。
・・・嵐のような少年だな
さてと、俺もどっか適当な処に座るかな。もちろん前の方は避けて。
5分後ぐらいだろうか、少しして、リンフォナさんが入って来た。
「あら?ここで何かありましたか?李葉」
「特に何も。・・・ただ、王の客人が来て絳が暴走していただけです。」
「そうですか。ほぼいつも通りね。」
「では、授業を始める前に一騒動を起こした彼に自己紹介してもらいましょうか。ユウ、立って皆に自己紹介を。」
「初めまして。夢旅 優だ。気軽にユウって呼んでくれ。よろしくな。」
「彼は或るモノを探してこの国に来たそうです。【月の国】を通って。・・・その他諸々含めた詳しいことは直接彼に聞いてください。以上!ユウ、座っていいですよ。・・・それでは授業を始めます。」
それから授業は滞りなく終り、俺は子供たち数人と仲良くなりました。・・・あれ、作文?
さて、補足。
李葉:子供たちのまとめ役で兄貴分。年長者。実力行使気味。
14、5歳くらいの青年。
黒髪。頭の上で布で纏めてる。昔の中国人男性みたいな髪型。
不良っぽいけど一応、優等生で賢く強い。武器は弓と剣。
服装は和装を着崩したようなものに、庶民的ズボン。
絳:お調子者。馬鹿。阿保。
一人称「俺様」、二人称「おまい」。
やんちゃそうな、嵐のような10~12歳頃の少年。
黒色がかった茶髪。
他は今、思いつかないのでこのくらいですね。




