地下庭園と子供たち
さてさて、俺が【陽の国】太陽国に来てから数日が経った。
この数日、俺は街を回ったり、女官さんや町人たち等と楽しくお話したり、探検してみたりして過ごしていたのだが、街を一通り周り終ったところで少々暇になった。
なので、傍系王族兼教師をしているらしいリンフォナさんに勧められた通り、彼女の授業を受けてみようと思い立ちました~。イエ~イ!!・・・うん、やめよう。微妙に俺のキャラじゃねぇな。うん。
そう。思い立ったわけなんだが、俺は凛花女史が授業しているという場所が何処にあるのかわからん。なので、先ず(まず)は俺付きの女官らしい花蓮さんを探そうと思う。
あ、女官っていうのはね、簡単にいうと「メイドさん」とか「お手伝いさん」。もう少し難しく言うと「女中さん」、・・・みたいなものなんだと。この国ではそういう扱いになっているらしい。因みに月夜国のルナ女官、アレはそのまま「女の官吏」と書いて「女官」と読むそうだ。素朴な疑問をぶつけたら、花蓮さんが教えてくれた。
で、今何してるかっていうと、朝食を食べ終わっって花蓮さんを探しに出発しようと部屋の外に出た所。・・・なんか虚しくなるな。・・・早く見つけよう。
「あら何処かに出掛けられるのですか、ユウ様?」
『うおっ!!・・・あっ、花蓮さん!』
この人が花蓮さん。年の頃は見た目10代後半から20代前半。長いと思われる黒髪を邪魔にならないように尚且つ機能的に複雑に可愛らしく器用に結い上げ、薄紅色の女官服(ヒラヒラだけど、これまた機能的で美しく可愛らしい。)を着用した、可愛らしくもしっかりとした女性である。
『丁度良かった』
「何かありましたか?」
「いやさ、リンフォナさんの授業、受けてみようかなぁと思うんだけど、場所も道がわかんなくてさぁ、それで花蓮さんを探しに行こうと思ってたところ。」
「成る程。要するに私は道案内をすればいいのですね?」
「頼む。」
「承知致しました。ご案内します。私についてきてください。」
一方その頃ユウの目的地である地下庭園では、6歳~14、5歳頃の大勢の子供たちが凛花女史の授業を受けるために集まっていた。
「ねぇねぇ!みんなぁ、今日は先生、何を教えてくれるのかなぁ?」
「・・・楽しみ、だね。」
「ねぇ~。」
「あっ、そういえばさ、この前捕まった侵入者、アレ、如何なったんだろうな。」
「そういえば居ましたわね。そんなのが」
「・・・周くん、気になるの?」
「バッ、そんなんじゃねェよ。なっ、周?」
「・・・なんで絳が答えるの?」
「そんなのってどんなのだ?」
「ハッ、それはだな、俺様が周の親友だからだ!!」
絳はドヤ顔をした。みんなはそれにドン引いた。
「「「「ええぇぇぇぇぇぇ~~~~~~」」」」
「・・・・・なんだよその顔は。」
「いや・・・」
「だって・・・」
「ねぇ・・・」
「「「「(答えになってない!!!)」」」」
「(?・・・あっ、そうか。)おまいらも俺様の親友だぜ!!」
「「「「えっ・・・」」」」
絳は笑顔でサムズアップして言い切るのだが・・・。
「うわ~、引くわ~。」
「何この子、すっごい良い笑顔で親友って言い切りやがった。う~わっ」
「クッサッ!!」
「ハッズッ!!マジで引くんですけど!!」
「・・・思い込みも、甚だ(はなはだ)、しい。」
「それ以前にさ・・・」
「「「「俺/僕/私/あたし/達って、絳の友達だったっけ?何時友達になったっけ?」」」」
「ひっど!!酷過ぎるだろ!!おまいら、俺とであったその日のうちに友達になったじゃん!?ウチのばぁちゃんが作ってくれた団子を仲良くみんなで分け合ってたべたじゃん!?冬に同じ釜の飯を食った仲じゃんかぁ!?」
「「「「そうだっけ?」」」」
「周?記憶にある?」
「・・・忘れたな。白娘は?」
「私も忘れましたわ。・・・明華は?」
「あたしも、とんと覚えがないわ。朱鸞は?」
「・・・私、も、・・・あんまり・・・。」
「・・・だ、そうだ。」
「・・・うっ、ひっく、ひっく、・・・もういいもん。俺様ひとりでモンスター退治にヤクジン島に行って返り討ちに遭ってくるから!!おまいら俺様が居なくなってからゼッタイ後悔すんだからな!!後悔すんなよ!!」
「・・・絳、あなた、前々から頭がおかしいんじゃないかと思ってたんだけど、まさかついに・・・」
「・・・イカレちゃった?」
「うわぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーん!!!朱鸞までそんなこというなんて!!俺様、君の事信じてたのにーーーーーー!!!!っぅっっぐほっっ!!」
「うるせぇぞ!!絳!!お前は静かに座って待ってることも出来ねぇのか!!?」
「~~~~~、痛った~~!!(半泣き。)なにすんだよ!?李葉!!」
「あイタっ!!」
「李葉“さん”だろ?年長者は敬えって教えられなかったのか?え?授業中、寝てなきゃ教えられている筈だよなぁ?」
「くっ!!(ぼそっ)だからって本の角で叩かなくてもいいと俺様思うんだけど・・・。」
「(ジロッ)」←睨む
「(バッ)」←口を噤む。
「「くすくすくすっ」」
「や~い、怒られてやんの!」
「アッハッハッハッハ!」
「はぁ~~~~~、お前らも絳を余りからかってやるな。こいつは何をしでかすかわからん。俺の気苦労を増やすな。」
「「は~~~い」」
「・・・葉兄がいうのなら・・・」
「・・・仕方がない、か」
「ごめん、ね?絳、くん。いじわるして・・・。」
「しゅ、しゅうら~~~~~ん!!『うわぁぁぁぁぁ~~~~~!!!』(ドサッ)グホッ!!!」
「(ナイスっ!横槍!!)」
『あいててててて・・・(階段踏み抜いちまった)』
「「「「!!!」」」」
「・・・こらっ、おまい!俺様の上から退け!!俺様が起きられねぇだろうが!!!」
「え?上?下から声?・・・どわっ!!すまねぇ!!すぐ退くよ!!」
絳は服を払いながらボヤく。
「・・・たっくよ~~~、何いきなり俺様の上に乗ってくれちゃってんの~?おかげで俺様、蛙のような汚い声出しちゃったじゃん!飯が戻ってきそうになったじゃn・・・・・って、あぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!おまいは先日の侵入者!!!」
そう。絳少年を押し潰した相手は先日の侵入者。
花蓮に案内してもらい、ここまで辿り着いたのはいいが、地下に降りる階段を踏み外すというマヌケな失敗をしたユウだった。




